マンガ週刊誌発行のビジョン


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ヨハン早稲田キリスト教会 文書宣教部

マンガ週刊誌発行のビジョン



弁護士 佐々木 満男

■本稿は“恵みの雨”連載記事1999年10月号の原稿です。


1.はじめに

「私たち夫婦の共通の趣味は、毎晩二人でマンガ週刊誌を読むことです」と言っていた親しい友人夫妻が離婚してしまいました。二人とも真面目で勤勉に働いて家庭を築いてきました。子どもを愛し、週末は家族と共に別荘で過ごすという、健全なカップルでした。「離婚の原因はマンガ週刊誌の読みすぎです」と聞いた時、大きな怒りがこみ上げてきました。読者の情欲に訴えるような表現でどんどん発行部数をのばしているマンガ週刊誌への怒りです。きっと、いつのまにか二人の間に浮気心が大きく育ってしまったのでしょう。

それにしても、駅の売店でもスーパーでも、自分の子どもたちには読ませられないようなマンガが蔓延しています。中には、「サザエさん」や「ドラエモン」のような健全なマンガもありますが、それは全体から見れば、ほんの例外です。

日本にこれだけ俗悪マンガが氾濫していることは、日本人の精神的基盤とモラルの急激な低下、破綻を意味します。日本に勉強に来ている外国人の就学生や留学生たちにも、マンガは計り知れない悪い影響を与えているにちがいありません。日本のマンガがあまりにもひどいので輸入が禁止されている国もあるほどです。

町の本屋さんに行っても、マンガ本の占める本棚の割合はぐんぐん拡がっています。あちらこちらにマンガ専門書店が出店されていることは驚くばかりです。


2.少年ジャンプと少年マガジン

とにかく祈らなければいけないと思いました。そして、祈り会の仲間たちにもお願いして、悪いマンガがなくなるように、クリスチャンが福音伝道のためにマンガを発行するように、と祈り始めました。

ある時祈り会で、「佐々木さん、少年ジャンプと少年マガジンを持ってきましたからぜひ読んでみてください。ところで、佐々木さんは、これが毎週何部売れているか知っていますか?」と、一緒に祈ったF君から二冊の週刊誌を手渡されて尋ねられました。私は当てずっぽうに、「毎週5万冊位じゃないですか」と答えましたが、「いや、もっと多いです」と言うのです。「それでは、10万冊ですか」と答えると、「いや、もっともっと多いですよ」と言うではありませんか。「じゃ、いったいどのくらいの部数が出ているのですか?」と逆に尋ねると、「最近の新聞のニュースでは、少年ジャンプが600万部、少年マガジンが450万部だそうです」と言います。「年間の発行部数じゃないですか?」「いや、毎週です」「そんな馬鹿な!」という会話がつづき、本当に馬鹿らしくなって話をやめてしまいました。

その後しばらく発行部数のことが気になっていましたが確認するすべもなく過ぎました。そんなある時、岡山の児玉博之牧師の書かれた「父の力・母の愛」という育児書を小学館にお願いして出版してもらうことになり、私がその仲介をしました。そして、小学館に編集の打ち合わせに行った時に、編集長から直接少年ジャンプと少年マガジンの発行部数を確認することができたのです。F君の言ったとおりでした。

私は愕然として事務所に戻って計算してみました。二つの週刊誌を合わせて毎週1000万部として52週をかけると、なんと年間発行部数は5億2000万冊です。5億2000万冊に1冊250円をかけると、年間売り上げは130億円です。

マンガ本は通常回し読みされますから、発行部数の何倍かの読者がいることになります。また、この二つの週刊誌以外にも無数にマンガ本や週刊誌が発行されています。日本におけるマンガ本とマンガ雑誌の年間発行部数は約21億冊とのことです。出版物全体の実に1/3を占めているのです。(読売新聞99年5月18日朝刊)

さらにマンガは、アニメーションとして映画やテレビ番組やビデオになって、より強力に人々の心の中に入ってきます。あらゆる広告・宣伝の媒体にも用いられています。その影響力は、はかり知れないものがあります。

マンガは単に、暴力による反社会的悪影響やセックスによる反倫理的悪影響にとどまりません。最近うけているマンガは、サタンや悪魔を崇拝し、礼拝するようなオカルトものです。これまでは影に隠れて操っていた暗闇の勢力(反キリストの諸霊)が、今や堂々とその正体を現してきているのです。


3.クリスチャンによる出版

マンガそのものが悪いわけではありません。マンガはコミュニケーションの手段のひとつにすぎないからです。問題は、マンガをどのような人がどのような目的で書き、これを出版するかにあるのです。なんとしても、この広大なマンガ文化の世界にクリスチャンが福音をたずさえて入って行かなければいけないという思いが強く示されてきました。マンガというコミュニケーションの有効な手段を福音を伝えるために用いなければならないという思いです。

しかし一般的に、これまでの日本のキリスト教文化とマンガ文化とは、水と油のように、お互いになじまないものがあります。そのために、クリスチャンのマンガ作家は数少なく、どこまで一般大衆にうけるかの確信が持てません。また、キリスト教出版物の販路は極めて限られています。一般書店やスーパーや駅の売店に置いてもらえる本は、ほとんどありません。

まして、単行本とちがい週刊誌となると、発行費用が巨額になります。店頭に並ぶ期間も短く、売れ残りがドサッと戻ってきたときの金銭的負担も大変なものでしょう。しかも、マンガ図書のマーケットはすでに爛熟期に入ったと言われています。過当競争により、マーケット全体の売り上げも低下しつつあるようです。このような悪条件が重なっている中に、誰が一体新規に参入しようとするのでしょうか。

そのようなときに、新生宣教団のロアルド・リーダル総支配人にお会いしたのです。私はその時、今どきマンガ週刊誌を発行するというような大きなビジョンにチャレンジして下さる方は、リーダル先生以外にないと思いました。そして、F君からもらった少年ジャンプと少年マガジンを差し上げて、ぜひともこのチャレンジを受けて欲しいとお願いしたのです。


4.出版への決断

しばらくしてリーダル先生から、「マンガ週刊誌を発行しようと思います」とのご返事をいただきました。主はその後、このプロジェクトのために有能な写真家・相馬正人さんを導いてくださいました。また、ハーベストタイム・ミニストリーズの中川健一先生を、現実的かつ建設的なアドバイザーとして、導いてくださいました。中川先生はマンガに対して奇しくも全く同じビジョンを持っておられたのです。

新進気鋭のマンガ作家・石山揚子さんも導かれて、参加してくださいました。石山さんは、福島県いわき市発行のマンガ「いわきの歴史から」シリーズ第二作「安藤信正の時代」の作品選考会で大賞を受賞して、これを制作したばかりです。

そのほかにも、すでに多くの方々が賛同してくださっています。私自身は、マンガ週刊誌発行のプロジェクトをリーダル先生に提示してお引き受けいただいた段階で、自分の役割は終わったと思っていました。ところが、皆さんの要請により、このプロジェクトが軌道に乗るまで、励まし役としてお手伝いさせていただくことになりました。


5.新しいビジョンを持って

「見よ、わたしは新しいことをなす・・・」(イザヤ43章)と主は言われます。ですから、私たちは常に主から新しいビジョンを与えられて前進しつづけるべきだと思います。

社会はどんどん新しく変化して行っています。そのスピードはさらに加速化されつつあります。旧態依然とした古い習慣や制度はますますすたれつつあります。

いやおうなしに、私たちはこの新しい時代へと対応していかなければなりません。本来は、イエス・キリストを信じる神の子どもたちが率先して、たえず主から新しいビジョンをいただいて、社会をリードすべき立場にあると思います。
現状は残念ながら、世の中の方がはるかに先行してしまい、神の子どもたちは古い良き時代に取り残されてしまっているような気がします。

マンガがその最たる例です。マンガを学問的に研究しようと、京都精華大学では、日本で初めての「マンガ学科」の新設を文部省に申請中とのことです。これほどまでに発展・拡大してきたマンガ文化の世界で、私たちは全く取り残されてしまったような感があります。

今こそ、私たちは、全能の神を信じる信仰に立って、チャレンジすべきではないでしょうか。神にとって決して遅すぎることはありません。主ご自身にしっかり寄り頼んで主の御心に従うならば、どんなことでも可能であると信じるのがクリスチャンです。
このマンガ・プロジェクトは、少数の導びかれた人たちの事業ではなく、日本のすべての教会とクリスチャンに与えられた信仰のチャレンジのひとつであると信じます。

なぜなら、これはそれほど大きな事業だからです。巨大なマンガ文化の世界にイエス・キリストの福音をもたらすという大事業なのです。これが成功するならば、日本の福音化がどれほど大きく進展することかはかり知れません。マンガは新しい文化として、人々の心をそれだけ強くとらえる影響力を持っているからです。


6.ピンチはチャンス

「人のピンチは神のチャンス」です。経験がない、お金がない、働き手がない、マンガ作家がいない、販路がない、の「ないないづくし」ですが、このような人間のピンチこそ神のチャンスです。

「求めよ、そうすれば与えられるであろう。捜せ。そうすれば、見いだすであろう。門をたたけ。そうすれば、あけてもらえるであろう。すべて求める者は得、探す者は見いだし、門をたたく者はあけてもらえるからである」(マタイ7章7、8節)と、主はいつも言っておられます。

従来のマンガ週刊誌発行のやり方に加えて、最近急速に発展しているインターネットを用いるなどの新しい方策を採用していくならば、既存の大手出版社にはできないことも可能になっていくでしょう。

最近、大手広告代理店の博報堂がインターネットによるマンガの配送に乗り出しました。広告業界はまさにインターネットなくしては成りたたない業界ですから、いち早くマンガ配送に目をつけたのです。

パウロは、ユダヤ人にはユダヤ人のようになりました。律法のない人には律法のない人のようになりました。すべての人に対して、彼らと同じようになりました。それはなんとかして幾人かを救うためです。「福音のために、わたしはどんなことでもする」(Ⅰコリント9章23節)と言っています。

私たちも同じように、マンガ雑誌を好んで読む人に対しては、その人のようになるべきです。インターネットを使う人に対しては、その人のようになって、福音を伝えるべきです。私たちはどんなことをしても、人々を救いに導いていくべきではないでしょうか。



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