あまのじゃっく
新ジャンル「庭が異世界」01_vol1
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a_jack
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新ジャンル「庭が異世界」
- 1 宿屋の女中 2006/11/20(月) 22:13:56.58 ID:xAkVkX3u0
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若 「ん?見かけない顔だな」
女庭師「あ~どもぉ、先週から雇われた者っす~」
若 「庭師って・・・お前、うちの庭は・・・」
ギギギギギッーーーーー!
若 「ほら、変な生き物いるしジャングル化してるし」
女庭師「あ~大丈夫っすよ~それが仕事っすから~主に
花育てたり、草刈ったり、剪定したり、狩ったりがですかねぇ~」
若 「そ、そうなのか」
女庭師「旦那様の依頼は、庭を以前の様な庭園に戻すこと
それを任されたのが私です。以後お見知りおきを。」
若 「お、おう」
女庭師「では~ちょっと狩ってきますねぇ~」
若 「その刈り込みバサミでやるのか?」
女庭師「これは狩り込み鋏っすから大丈夫ですよ~、ではっ!」
若 「・・・よろしく」
無いな - 4 羅将神イサキ ◆icQdW9ivQU 2006/11/20(月) 22:19:10.77 ID:OSi50xxT0
- 若 「ああ、今日もご苦労様。」
女庭師「ええ旦那様、今日も花が綺麗に咲き誇ってますよ。」
若 「あれ、なんて花だ?ずいぶんと綺麗だが・・・。」
キョロキョロ
女庭師「(どれだろう・・・)
あ、あの花ですかぁ・・・私も好きですよ。」
若 「あれだけ咲いているのにやけに輝いておるな・・・。」
女庭師「花は一度好くとそれしか見えなくなると言われてますからね。」
若 「ホントに庭にいるお前は・・・輝いているな・・・。」
女庭師「・・・えっ?今なんて・・・?」
若「いやいや、なんでもない。引き続きがんばってくれ///」
- 5 宿屋の女中 2006/11/20(月) 22:26:09.42 ID:xAkVkX3u0
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若 「ところでお前飯とかどうしてるんだ?
なんなら家で」
女庭師「あ~大丈夫っすよ~自分で採って食べてますし」
若 「採って?」
女庭師「旦那様に内緒であっちの庭の隅の方で野菜作ってるんすよ~
あ!トマト食います?」
若 「人のうちの庭に勝手に家庭菜園作るな!」
女庭師「秘密っすよ~」
若 「聞けよ」 - 6 宿屋の女中 2006/11/20(月) 22:33:34.79 ID:xAkVkX3u0
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若 「日中は日差しがキツイだろ。ホラ!」
女庭師「ん~なんすか~?これ~」
若 「見てわかるだろ麦藁帽子だよ」
女庭師「ん~ダセェっすねww」
若 「うるさい」
女庭師「・・・e 」
若 「ん?どうした」
女庭師「なんでもないっす~♪」
若 「?」 - 7 宿屋の女中 2006/11/20(月) 22:41:30.32 ID:xAkVkX3u0
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若 「ん、いい匂いだな」
女庭師「それはニオイヒバっす、わかります?
パイナップルの匂いなんすよ~」
若 「ほ~う」 - 9 VIP村人v 2006/11/20(月) 22:45:09.55 ID:QX05XgSb0
- 新ジャンルかどうかは分からんけど、
>>1みたいな世界観は好きだ。
期待。
- 10 宿屋の女中 2006/11/20(月) 22:56:26.68 ID:xAkVkX3u0
-
ガサガサッギギギギギー!!
女庭師「出ましたね~この時期だと多いっすねトリスメギストス」
若 「トリス・・・?」
女庭師「あ、人食うんできーつけてください」
若 「マジかよっ」
女庭師「じゃあ、狩り込みますか」
若 「気をつけろよ」
女庭師「木眼、瑕疵発見、剪定開始!」
何コレ? - 11 VIP村人w 2006/11/20(月) 23:32:59.53 ID:QX05XgSb0
- 寝る前支援
ザクッ! ザシュッ! ズバッ!
若 「おお、今日も精が出るなぁ」
ジャキッ!……ジョキッ!
若 「……ん?」
若 「おーい。その木、切り残しが一本あるぞー」
女庭師「さ~せ~ん! それは後回しっす~!」
若 「そうなのか。……ん?」
ぴぃ、ぴぃ。
若 「……小鳥、か。なるほどな」
- 12 武器屋のじじぃ 2006/11/20(月) 23:38:58.48 ID:xAkVkX3u0
- >>11
やられたぜ
- 13 姫 2006/11/20(月) 23:48:05.85 ID:4uxTQqr00
-
ためしに。
家の庭は異世界だ。
いや、あばら家と言うような話ではない。
熱帯雨林、ジャングル。そんな意味でもない。
本当に、ほんの意味で異世界なのだ。
つまりは。
「――今日は新しい人が来る日、だったか」
そういい、ごちた。縁側に1人腰掛けながら、私はなんとなしに視線を庭へと投げる。
双眸に入るのは緑。生い茂るは木、草、そして森。
獣道のような入り口にはただ洞々とした闇があるばかりである。
この奥にどのような暗い淵があるのか、それはこの土地主である私でさえ知る所ではない。
ただ理解できるのは、この庭を制する庭師など世の中に存在しないという事だ。
「一日、一日と一時間三〇分、二日と三時間、一番長く持ったのは三日だったかね」
若い庭師がいた年老いた庭師がいたそれほど若くもなく老いても居ない庭師がいた
女の庭師がいた男の庭師がいた老女の庭師がいた老翁の庭師がいた
それら全て、居なくなった。家の庭師を表す言葉は全て過去形だ。
食人植物に食われた者がいた怪物に取り殺されたものがいた
庭から帰ってこないものがいたやめたいと言い出したものがいた
それら全て、この庭を制することはなかった。
家の庭は、それ程異世界なのだ。 - 14 武器屋のじじぃ 2006/11/20(月) 23:52:59.13 ID:xAkVkX3u0
- >>13
おいおいおいおい
続きが気になるんだぜ?
- 15 VIP村人w 2006/11/20(月) 23:53:12.12 ID:QX05XgSb0
- 若 「よっ、と」
ドサドサ。
女庭師「さ~せん、なんか手伝わせちゃって~」
若 「まあ、たまには運動するのも良いさ」
女庭師「んじゃ~、この薪で芋でも焼くっすか」
若 「……その芋もウチの庭で勝手に作った奴か?」
女庭師「細かいことは気にしたら負けっす」
若 「……まあいいか。焚き火に焼き芋と洒落込むか」
女庭師「そうっすね~」
女庭師「あ、その前に、ちょっといいっすか?」
がさがさ、ひょいひょい。
若 「ん、それは?」
女庭師「この木は煙に幻覚作用があるんで焼いたら駄目なんすよ」
女庭師「麻薬の親戚みたいなもんっすから気を付けて下さいね~」
若 「なんでウチの庭にそんなものが……」
- 16 姫 2006/11/20(月) 23:57:57.16 ID:4uxTQqr00
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「あの――」
ふいに、私の背後から声がする。その声の主が誰であるかの判別は消去法ですぐに付く。
「君が新しい庭師かい?」
振り向きざまに若干の諦めと共に言葉を吐き出し、何百回目のよろしくを口に出そうとして、止まった。
「今日からこちらで庭師としてお世話になる事になります」
少女である。
それ以外、形容する言葉が無かった。視界に入った瞬間、少女につけた形容詞を私は揚々と剥がしとることが出来なかったのだ。
少女、以外の形容詞が見当たらない。彼女はそれ以外その言葉をもっていないような気さえする。
間違っても、そうだ。間違っても。
「君が、新しい、庭師?」
この混沌とした庭を調停する庭師には、見えない。
「はい」
簡単に肯定される。確かに、少女は頷いた。ふむ。
ふむ。
ふむ。
「その体躯で大丈夫なのかい?」
「どう言う意味ですか?」
失言だったのだろうか。心情を迷いなく吐露した所で私はしまったと奥歯で舌を食んだ。
最短記録、更新なるかと
「見た通り、この庭は異世界だ」
庭の入り口を差す。その入り口はやはり、庭に入ろうとする者の生ける可能性全てを吸い込むがごとくの漆黒だ。
「プロ、ですから」
家の庭師はそう言って笑った。ふむ。
ふむ。
ふむ。 - 17 VIP村人a 2006/11/21(火) 00:02:27.64 ID:GJFpfSuu0
- 最後に絵支援。
http://imepita.jp/trial/20061120/860480
- 20 VIP村人k 2006/11/21(火) 00:04:48.32 ID:dq7RovQnO
- >>17
GJ
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