男 「……」
男 (記憶喪失になって早3日目か。オレも意外と順応しちょるのう)
姉御「ホラ! 男ッ! ぼさっとしない!」
男 (……しかし、いい加減皆に隠したまんまっちゅうのも、些かなぁ)
姉御「おぉ~とぉ~こぉ~#」
男 (最初は新鮮な気分を味わってみたかっただけなんだが、私生活に支障がなぁ)
姉御 つかつかつかつか
男 (そもそも家に入れないってのが……大問題じゃけんのう)
姉御 がすっ
男 「ひぎぅっ!」
姉御「……目は覚めた? 今は授業中ッ! 教科書開くッ!」
男 「おぉ……あ、あだまいでえよぉ……」
(アンニュイサド=保健室の先生設定、アサ表記)
アサ「でぇ、頭が痛いから保健室で寝かせて欲しいってワケ?」
男 「あんにゃろう酷いんですよう、こう本の角でがつんとですね
DVに体罰です、そんな訳で先生とっちめてやってくださいッ!」
DVに体罰です、そんな訳で先生とっちめてやってくださいッ!」
アサ「どんな訳なんだか……とりあえずアンタが悪いわね、さあ馬鹿は教室へお戻り」
男 「きょ、教室に帰りたくねぇよぉ、だってお昼休みなのに自由が無、無いんだぞッ!
ゆっくり出来るお昼だというのに、皆が皆オレの口の中にオカズをねじ込んで」
ゆっくり出来るお昼だというのに、皆が皆オレの口の中にオカズをねじ込んで」
アサ「はぁ」
男 「ワシャ小鳥かッ!? って感じなんですよぉ」
アサ「だから、さっさとアタシなり妹なりに決めりゃいいのに……」
男 「はい?」
アサ「何でも無いわよ、まあお昼休みだけならゆっくりしていきなさい」
男 「ウス! じゃあ早速お昼寝タイムと洒落込ん」
アサ「お茶」
男 「おやすみなさーって、はい?」
アサ「さっさとしなさい、お茶葉の場所は知ってるでしょ」
男 「……」
男 (ぬぅ、何か都合よく使われてるのはどういう事じゃろぅ)
茶葉 こぽこぽこぽ
男 (しっかし、やっぱこのままじゃ不味いよなぁ、記憶喪失)
アサ「まだぁ?」
男 「はいはい、今淹れますよっと」
アサ「ん」
男 ぐびり
男 (……やっぱ病院とか行くべきかのう……つか家に入れないのに保険証とかどうすべぇ)
アサ「ん、おいし」
男 (やっぱ誰かに相談すべきかねぇ……)
アサ「ねぇ、男」
男 「ん? んお?」
アサ「熱くない?」
男 「へ? あ、ってぇ! 湯が掌にッ!!」
男 そーっと きょろきょろ
男 (い、一応お昼休みのお弁当タイム逃げちゃった訳だが
別に教室で待ち構えてる訳じゃないよな? な?)
別に教室で待ち構えてる訳じゃないよな? な?)
クー「ん? 男、どこ行ってたんだ?」
男 「ひぎいっ!? いえあのちょっとあ、頭が痛くて……保健室に」
クー「え……大丈夫な、なのか? 男っ、少しオデコ貸してみろ」
男 「え、ちょ、あの」
クー こつん
男 (あ……な、何だか懐かしい匂いがする)
クー「熱は無いみたいだな、でも一応薬を飲んで……ゆっくりしたほうが良いぞ」
男 「お、おう」
クー「そうだな、薬を飲むなら少し食べ物を摘んでおけ、ホラ、君の弁当だ」
男 「……お、おう」
クー「気にするな、男の体のほうが大事だからな」
男 (オレって奴は……ったく)
ヒー「お、男ぉぉ! こっこんな所に居たのかっ! お昼居ない、も、んだから……」
男 「むぐむぐ」
クー「静かにしろ、ヒート。男はお昼休み保健室に居たそうだ、しかたあるまい」
男 「……がつがつがつがつ!」
ヒー「か、体大丈夫なのかッ!? お、おおおお男ぉぉ……」
男 「おう!」
ヒー「そっか、良かっだぁぁぁ~~!」
クー「一応薬飲ませる為に、私の弁当を摘ませている、張り合うなよヒート」
ヒー「……うん、じゃあ……しょうがないなっ! 早く元気になれよ男ッ!」
男 「その弁当も置いていけ」
ヒー「へ?」
クー「男、何を言って」
男 「ぜーんぶ食ってやるわさッ! ああ食ってやるわさッ! 米の相場が変わるくらい食ってやるわいッ!」
男 (も、もう食えんがね……うっぷ)
ツン「……」
男 「うえぇっぷ」
ツン「ったく、一気に弁当を八つも食べるからよ……馬鹿なんだから」
男 「せ、せっかく作ってきてくれたもんだしなッ!」
ツン「……仮病のくせに」
男 「えうっ」
ツン「……他は誤魔化せても、あたしは騙せないわよ。何年付き合ってると思ってるのよ」
男 「あ、あははー」
ツン「ホラ、お水と胃薬よ、ったく。ちゃんとお水で飲みなさいよ」
男 「はは珍しく優しいんだな」
ツン「か、勘違いするんじゃないわよ! た、たまたま持ってるだけよッ!」
男 「うむ、ありがとうな。ツン……でだ、話は急展開なんだが」
ツン「ん? 何よ」
男 「実はオレ、記憶喪失なんだ……あっはっは、困ったのう」
ツン「 こ の お 馬 鹿 ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! ! 」
男 「ひうっ!」
ツン「ど、どうりで少し匂うなって思ってたら……アンタまともに風呂も入ってないですって!?」
男 「そうか? そういや少し……犬臭いな」
ツン「あ、頭痛いわ……」
男 「あ、でもおパンツだけは綺麗だぞ、なんつっても毎日公園で洗ってたからなッ!」
ツン「何で家で洗濯しないのよッ!」
男 「それがよぉ、家の鍵落としちゃったみたいでなぁ、お財布の中も105円しかないし」
ツン「アンタの家の鍵は玄関先の花壇の下でしょ! ま、まったく……
そもそも何で今まで黙ってるのよッ! ああ!?」
そもそも何で今まで黙ってるのよッ! ああ!?」
男 「い、いだいよぉ……く、首の所から変な音が鳴ってるよぉ」
ツン「今日という今日は……正座しなさいッ!」
男 「うう…さっきまで優しいツンだったのに、ツン優しい、優しいツン」
ツン「黙れこのお馬鹿ッッ!!!」
男 (仕方ない黙ってやるか……なんと言っても怖いしなッ!)
友 「あっ! 浅窓さんだ!」
俺 「本当だ! 浅窓さんだ!」
男 「綺麗だなぁ、これぞ深窓の令嬢ッ! って感じだ!」
俺 「本当だ! 浅窓さんだ!」
男 「綺麗だなぁ、これぞ深窓の令嬢ッ! って感じだ!」
浅窓「ツンさん……落ち着いてください、記憶喪失に効くか判りませんが、これを」
友 「きっとドイツとかの高級な薬だぜ!」
俺 「いや! きっと中国4000年の歴史漂う漢方だぜ!」
男 「だな! きっとオレも元通りだぜ! 浅窓さんとやら!? 何をくれるんですか?!」
俺 「いや! きっと中国4000年の歴史漂う漢方だぜ!」
男 「だな! きっとオレも元通りだぜ! 浅窓さんとやら!? 何をくれるんですか?!」
浅窓「記憶力の良くなる何とかって薬です」
友 「浅窓さん! 薬の名前覚えてないぜ!」
俺 「本当だ! 効き目無いぜ! 浅いな!」
男 「つかこれDHAパンじゃねーか! 浅い過ぎるぜ!」
俺 「本当だ! 効き目無いぜ! 浅いな!」
男 「つかこれDHAパンじゃねーか! 浅い過ぎるぜ!」