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(前略)
GM:そんな走馬灯をキミは一瞬で見て‥‥ 飛来した銃弾に、胸板を貫かれた。
鷹見仁:ゆっくりと、崩れ折れる。
赤い霧に霞んでいく視界。
耳鳴りが酷い。なにもキコエナイ。なにもカンジラレナイ。 呼吸ができない。窒息しそう。喉の奥から何か塊がこみあげてくる‥‥ 鷹見仁:「がはっ」 咳き込む。赤い血反吐。 鷹見仁:(俺‥‥ 守れたのか?) 瀕死状態だけど、沙妃ちゃんの様子を確かめる。 鷹見仁:(守れたよな。今の一撃からは)
???:念話【うん。【龍導寺・沙妃】は無傷だよ】
???:念話【キミが盾になって、彼女の代わりに銃弾を受けたからね】
ややカン高い声で。“ソレ”はキミの心へと語りかけた。
気付くと、キミの周囲の空間は灰色に止まっている。 赤味がかった視界のモヤは消えていないが‥‥ 世界が止まっている。キミにはわかる。この“声”の持ち主の仕業だ。
???:念話【彼女は今の一撃で死ぬはずだった】
???:念話【それは定められた未来。決して抗えない運命】 ???:念話【でも。たとえ“次の攻撃”が来るまでの、わずか2秒間だとしても】 ???:念話【彼女の死の定めを、キミが捻じ曲げたことは確かだ。鷹見仁】
鷹見仁:(そうだ‥‥!)
鷹見仁:(一撃があったなら、二撃目も、三撃目も、あって当然じゃないか!) 鷹見仁:(ダメだ! これじゃダメだ!) 鷹見仁:(こんなんじゃ、守ったことになんか‥‥ ならない!)
GM:キミの視界に。顔をゆがめて絶望を嘆く、沙妃の姿が。
GM:――泣いている。嘆いている。 GM:ああ、‥‥この少女を泣かせるつもりなんて。
鷹見仁:(誰か‥‥ 誰か、頼むよ、神様!)
鷹見仁:(いや。この際、悪魔でも良い。なんでも良いッ!) 鷹見仁:(守りたいんだ!)
???:念話【本当に?】
???:念話【それが、キミの望みなのかい。鷹見仁?】 ???:念話【ならば告げるんだ。キミの願いを】
鷹見仁:(俺の。魂でも、何でも、全部くれてやる。だから‥‥!)
鷹見仁:(あの娘を、守る力をッ!)
その想いが鷹見仁の中で定まったとき。
「かちり」と世界の歯車が動き出した。
???:念話【――いいだろう。鷹見仁。キミにはその“資格”がある】
???:念話【キミを「造物主」の後継者候補として、認めるよ】 ???:念話【新世界を創造し、キミの願いを叶えるんだ】 ???:念話【たとえ、この世界すべてが敵となり、彼女に死ねと告げたとしても】 ???:念話【キミの中には、それを覆す力が備わっている――!】 鷹見仁:(ああ。‥‥例え、世界があの子の敵になろうとも) 鷹見仁:(俺が、あの子を守ってみせる!)
ふと気が付くと。先程、受けたはずの致命傷がすっかり完治していた。
???:念話【ようこそ【聖骸戦争】へ。新たなマスター“鷹見仁”。歓迎するよ】
???:念話【さぁ、キミの力。キミのパートナー。キミの武器である、【英霊】を呼び出すんだ!】 鷹見仁:(エイレイ?) 鷹見仁:(ーー“ソレ”が、俺の力だって言うなのら!) 鷹見仁:右手を天に伸ばして、握りしめる! 鷹見仁:「‥‥来い!」
GM:その直後! きーん!と鋭い音がして。キミのなかに「何か」が刻み込まれた!
鷹見仁: じゃあさっき天に向けて伸ばした右手の甲にソレが浮かぶってことで!w GM:うい!w
急に血塗れになって倒れた少年が、むくりと起き上がり、沙妃を驚かせた!
沙妃:「!?」 ‥‥そこに浮かび上がった刻印に驚く!
???:念話【でもね】
???:念話【一つだけ。絶対に忘れてはいけないことがある】 ???:念話【キミは。キミだけは、キミの願いを裏切ってはならない】 ???:念話【それが、この【聖骸戦争】のルールだよ――】 |
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【聖骸戦争】について。
概要1:「美酒町世界」を舞台とした高度な魔術儀式である。
概要2:起源は数千年前まで遡る(※1)が、最後まで完遂されたことは一度もない。 概要3:勝利条件は「13個の【神器】すべてに認められる」ことである。 概要4:その目的は「造物主」の後継者となり、新世界を創造し、己の願いを叶えること、である。 |
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第4話で判明した新事実?
新事実1:本来、「美酒町世界」は他の「三千世界」とは完全に分断された場所にあった。
新事実2:「オリジン」と「美酒町世界」は同時に創造された、コインの表裏のような関係である。 新事実3:「美酒町世界」が今の姿になったのは、つい最近(※2)らしい。以前の姿は不明。 新事実4:【監査組織】には、「美酒町世界」と「三千世界」の双方に活動拠点を持つものもある。 新事実5:【聖骸戦争】が完遂された場合、「三千世界」も消滅し、「新世界」に上書きされる。 |