守矢神社の本殿。時刻は昼過ぎ。
 室内は薄暗く、窓格子から差し込む光も本殿の奥までは届かない。
 スキマモニターの前で正座する神二人。




文「なぜなにバトロワごっこ~♪」
早「語呂悪いですね」
文「初登場でいきなり毒舌!? 守矢神社の巫女さんはなかなか侮れないようです……」
 「さてこのコーナーでは東方バトロワごっこの概要をお届けします」
 「司会は射命丸文、」
早「解説役は東風谷早苗です」


文「じゃあ早速行きましょうか」
 「ねぇねぇ早苗おねえさん。東方バトロワごっこってどんなのなの?」
早「いきなり幼児声にならないでくださいよ気味が悪い」
 「仕方ないですね。それではどこかのおバカ妖精にも分かるように説明しましょう」
 「そうですね。まずはお馴染みの弾幕ごっこと比較すると分かりやすいと思います」
 「というかバトロワごっこ自体、弾幕ごっこの変形と捉えても良いかもしれません」
文「変形、ですか?」
早「弾幕ごっこでは一対一の勝負ですが、バトロワごっこでは原作に沿って多対多の勝負になります」
 「また弾幕ごっこは、自分の弾幕・スペカによってその優美さを競うという面がありますが。」
 「バトロワごっこは支給される武器、すなわち他人のスペカでいかに美しく戦うか、という競い合いになるでしょう」
文「なるほど~」
 「そう考えると、弾幕ごっことの共通点が意外と多いんですね」
早「逆に原作を読破済みの方には、今回のルールは違和感のあるものになるかもしれませんね」


文「逆に原作との共通点はなんなんでしょうか?」
早「放送の存在ですね。3時間おきに脱落者を発表します」
 「ただし禁止エリアルールが存在しないので、絶対に聞く必要があるわけではありません」
文「ほむほむ」


早「また弾幕ごっこと違い、最長でまる4日間100時間に及ぶ、長時間のゲームになります」
 「休養、睡眠、食事といった、弾幕ごっこではあまり気にしないファクターも重要になってくるでしょう」
文「人間の皆さんにとっては特にその傾向がありますね」


早「それから監督役としてゲームの進行を監視する点も同じです」
文「ビートたけしですね」
早「それは映画版。原作では坂持金発の役回りですね」
 「東方バトロワごっこでは、主催者の一人、八坂神奈子さまが担当されます」
文「嫌われ役は主催者の責務と自ら引き受けたそうですね」
 「やっぱり盗聴とか首輪爆破とかしちゃうんですか?」
早「盗聴というか、『監視スキマ』による視覚的・聴覚的な常時監視はするそうです」
 「また今回のルールに首輪はなく代わりにオーブが配布されますが、これにも所有者とその位置を発信する機能が付いています」
文「つまり二重監視体制ですか。厳重なんですねぇ」
 「……そこまでする必要ってあるんですか?」
早「いいえ。原作再現の一環ですよ?」
文「(どうだか)」
早「ちなみにオーブ爆破もやるそうですよ」
 「ルールを不当に破る者、不信心な物言いをする者の所には神罰が下るでしょう(エッヘン)」
文「(うわー。職権乱用だー)」




 神奈子がポツリと呟いた。
「信仰が集まると思ってこの役引き受けたけど」
「もしかして、キャラ作り間違えると、好感度だだ下がり……?」
 対する諏訪子は他人事、気楽なもので、
「へーきへーき。悪役ボスキャラは得意でしょ? むしろ新たなファン層が付くかもよ」
「いっそ悪の女幹部キャラで攻めるってのはどうかなー」
などと笑っている。
 とりあえず今日の放映分の録画を貰えないか八雲紫に聞いてみよう。
 現実逃避する神奈子であった。

to be continued...

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最終更新:2012年01月08日 16:16