■ランチェスターで斬る~【焼酎VS日本酒】~■■■
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では、なぜ焼酎は日本酒を下克上できたのか?

焼酎ブームとは

ここ2年で見ると焼酎は年率10%づつ成長しています。
ですが中身を見ると
  • 大手メーカーの「純」や「大五郎」などの主に酎ハイにして呑む無味無臭の「甲種」
3%程度しか伸びていません。
  • 主に南九州の地場の蒸留所がつくる個性的な味や香りのする「乙種」
今の焼酎ブームを引っ張っている.
「芋焼酎ブーム」といってよい

一方、日本酒も
  • 大手メーカーの「普通酒」
日本酒の2/3を占める
年率マイナス6%
  • 地場の醸造所の「吟醸酒に代表される特定名称酒」
1/3の吟醸酒は年率マイナス3%。

ここ2年では両者均してマイナス5%
つまり、今回の焼酎ブームは芋焼酎ブームであり日本酒が下克上されたのは、普通酒の低落傾向に拍車がかかったということです。

焼酎下克上の理由

  • 焼酎の方が日本酒より安いから
首都圏では入手困難です。
入手できたとしても一升で最低でも1万円です。
だから、吟醸酒ブームは去ったとはいえ、本当に旨くて希少なものは相変わらず、プレミアム価格で流通しているのです。
晩酌用となると一升3千円未満のもの
晩酌は一升2~3千円というのが、日本酒党・焼酎党を問わず味にこだわるヘビーユーザーのボリュームゾーンではないでしょうか。
ところが、この価格帯で手ごろで旨い日本酒というのが、少ないのです。
2千円未満で安くて不味い日本酒なら、いくらでもあります。
3千円以上で高くて旨い日本酒なら、いくらでもあります。
バブル期から90年代に起こった地酒(吟醸酒)ブームを経験して日本酒党になった人にとっては、今さら安いけど不味い普通酒を呑む気にはなれないでしょう。
焼酎は,しかも、一部の幻の・・・というやつは別にすると2~3千円台の晩酌価格で、それなりのものが容易に手に入ります。

  • 焼酎の方が日本酒よりも翌日に残らないから、悪酔いしないから
  • 私たちの味の好みが「すっきり系」へシフトしているから
  • 芋焼酎が旨くなったから、個性が楽しめるから
私にとって焼酎とは味も香りもない、文字通り味も素っ気もない何の文化も感じない甲種と、匂いがきつすぎて肴の味もわからなくなる乙種というイメージでした。
近年までは。ところが、最近の乙種は匂いがマイルドとなって「個性的な香り」といえるものになってきました。
味わいがあり、文化を感じます。
のどごしも吟醸酒に近いすっきり系です。
普通酒(日本酒)にあるくどさ、べとつき感もありません。

  • 吟醸酒がもうこれ以上旨くならないから、画一化しているから
  • ブームがブームを呼び、芋焼酎を呑む機会が増えたから

なぜ、日本酒業界は2~3千円のボリュームゾーンにそれなりに旨い酒を投入しないのか(できないのか)?

  • 原料である米のコストダウンが難しい.
吟醸酒というのは米を磨いて米の芯だけを原料にしています。
旨い吟醸酒を作ろうとすると米をどんどん磨くことになるのです。
よって、原価が高いものになってしまいます。
お手頃価格の吟醸酒はコスト的に成り立ちにくいのです。
  • 商品開発の自由度が米に絞られ商品の均質化が起こった
旨い酒づくり競争が米磨き競争になってしまって味が均質化して、地酒本来がもつ土着的個性がなくなっています。
これが一部のブランド吟醸酒を除いてブランド化できない原因ともなっています。

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最終更新:2006年08月07日 22:09