中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

まったく意外性のない犯人

最終更新:

shion-atori

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こちらが出向く前にテレサが菓子折りを持って謝罪と説明に来た。
契約書を見せると違約金の一文の色についてはわからないと言い出した。
どうやら違約金の金額や労働条件のことでトラブルになったと勘違いしていたようだ。
たしかに労働条件についてはかなり厳しいので考え直す必要があると言うと
周囲のヴァルキリー以外のスタッフにも言われているため人間用の契約は
もっと緩和されたものになっているのだという。
何故俺の契約はヴァルキリー準拠なのかと問うよりも、ヴァルキリー達の
労働条件も人間準拠にしたほうが良いように思い進言すると
拘束時間が短すぎても時間を持て余す者が多かったらしく、
後からそういう形に変更されたのだそうだ。

つまり、昨日勝ち取ったと思われた条件は他のスタッフが通常契約しているものであり
俺は複数業務を無条件で飲まされたということのようだ。

少し、友人としての付き合い方を考え直したほうがいいかもしれない。

それはさておき真犯人の目星はついたのでマリアを殴りに行くと
やはり時間経過で色の変わるインクを使って俺を嵌めたようだった。
理由はどうせインク自体の実験か、
俺を近くにおいて実験体にするつもりだったのだろう。

猛烈な勢いでテレサに説教されていたのでもう俺からは何もすることがなかった。

貧乏くじを引いたテレサと夜に飲みに行き、愚痴を聞いてやった。
酔わないので飲みに行くというのもどうかと思ったがそれなりに
スッキリした顔になっていたのでまあ良かったのだろう。

追伸:違約金については新しい契約書でなしになったが業務内容は変わらなかった。
つまり今回貧乏くじを引いたのはよく考えれば俺なのだ。何か納得いかない。
まあ、引くくじがあっただけでも幸運と思うことにしておく。


カテゴリ: [来訪] - &trackback() - 2012年03月08日 00:51:33

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