中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

縁なき奇縁

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shion-atori

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小野瀬未来が俺のところに直談判にきた。
書類選考で落としたことがよほど気に食わなかったらしい。

自分は役に立つ
恩を返したい
包丁技術でなら負けない
足りない部分は入社までに補う

と物凄い熱意で迫られた。

学友を無下に追い返すのも悪いかと思い
板前を諦めたこととウチを志望してくれたことの理由を聞いた。

原因は親との食い違いにあったそうだ。
そろそろ店に出ろ、という話となった時に
親はウィザードを辞め、婿を取り、女将の修行を始めろという意味で伝え、
小野瀬は免許を取り、板場に入り、自身の力を見せろと受け取った。
小野瀬が言うには
女将の修行もする、婿を取るのもかまわない、
だが、ウィザードも続けるし、板場にも立ちたいと親に談判したが
まるで聞く耳を持ってくれなかったので
つい絶縁状を叩きつけて家を出てしまったのだそうだ。
そして、ウィザードとして活動でき、調理の腕を揮える場として
俺が料理人の当てを探していたころに思い至り連絡したのだそうだ。
今はホテル暮らしなので貯金の目減りが激しく、できれば住み込みで
雇ってくれるとありがたいと言ってきた。

まったく本末転倒もいいところだ。
いいところだが、放り出すと危険な方向に転がりかねない
短絡さなので、とりあえずレヒトさんに相談してから
もう一度縁のあるなしを決定しようと思う。

我ながら甘い判断だ。

追伸:アホ祭りへの召集令状が来た。例によって拒否権はないようだ。


カテゴリ: [来訪] - &trackback() - 2012年07月22日 00:10:52

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