中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

花咲くように魔を裂いて

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shion-atori

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かつてこれは恋ねと紅蓮華は言った
俺にはわからないと俺は答えた
今考えると、きっと俺は黄紗蘭だけでなく紅蓮華のことも好きだったのだろう
だから、二人の女性を同じように想うことを恋かどうかわからなかったのだ
今でもわからない
でもきっと、それも一つの恋だったのだろう

別れの朝、また会えるよねと青梨亜は言った
当然だと俺は答えた
俺は諦めるつもりはなく、もう一度、取り戻すために戻るつもりだった
自分の罪を認めることができなかったのだ
きっと死ぬまで、俺の罪は消えないまま
だが俺達はまた会えた、それはお互いに大事な次の一歩なのだろう

あの日、明日また会いたいと黄紗蘭は言った
じゃあまた明日と俺は答えた
彼女はその夜自分が死ぬことを知っていたのだろう、俺にはわからなかった
俺の甘さが今日と同じ明日を捻じ曲げ、一人の侵魔と一人の犠牲を生み出したのだ
それでも変わらず俺は誤り失い続けている
それでも俺は戦い続けよう。黄紗蘭がいなくても、黄紗蘭の望んだ明日のために

報告書に書く必要のない、それでも俺には必要なこと。
忘れてはならない、過去から未来に繋がる想いだ。


カテゴリ: [約束] - &trackback() - 2013年05月01日 00:15:41

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