中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

無言の帰還

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shion-atori

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一ヶ月ほど前
ライラックが事務所を訪れた。男を二人抱えて。
天使のような何かに、無限の深月から無理矢理に放り出されたらしい。

一人は知らない人だった。でもそれは鳴海さんだそうだ。
そういえばどことなく面影がある。
この世界に放り出される時に、別人の体を作り出すことで
なんとか世界結界による消滅を免れたんだそうだ。
あの二人に連絡してあげないと。

一人は、紫音だった。
右手は何か結晶のようなものに変質していた。
それが、無限の深月らしい。完全に一体化してしまっている。
全身傷だらけだった。

そして二人とも、生きていなかった。
プラーナの流れから、取り戻せないわけじゃないと思う。
まだ死んでいないと思う。
この二人が、心臓が止まったくらいで諦めるわけがないと
だからここに運んだと、ライラックは言った。

ライラック自身も、自分の証明とも言える武具を失っていた。

ショックで日誌を書くこともできなかったけれど
博士が策を見つけてくれた。

紫音に呼びかけるために夢使いの力が必要だということ。
そちらのほうは、李刻くんにまかせたいと思う。

あと、魅鬼の一族という異界に通じる人々、三木。
その人々の力があれば、どうにかできるかもしれないとのことだった。

三木譲という女性と面会する。
どうやら三木には二つの力があり、
女性である譲さんと妹の流々ちゃんは堕神降ろしという憑依の術の使い手、
男性である護さんは堕神駆りという召喚の術の使い手で
よくはわからないけれど魂の召喚と移譲にはその両方の力がないといけないらしい。
でも、護さんは堕神駆りの力を変質させてしまっていて、もう
通常の堕神駆りはできないという。

だから私たちは、魅鬼の正統継承者の一人、三木悟という人を
探すことになった。
この深宮に来るという連絡を最後に何の連絡もないらしい。
だから三木さんたちはこの深宮に来たんだそうだ。

そんな話をしていたら決斗さんの表情がめまぐるしく変わっていた。
まず最初は彼からゆっくり話を聞かないといけないのかもしれない。


カテゴリ: [来訪] - &trackback() - 2008年10月19日 23:15:58

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