中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

それぞれの動き

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shion-atori

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除草が終わり、主、セラが出てきた。今回は投与量を微調整し続けたのが効いたのか
黒い根の核になっていたディーンというヴァルキリーも倒れずに済んだようだが、
「なんとか、悲しみのない世界を、皆が静かに暮らせる世界を、なぜ、失敗したんだ」
とブツブツ呟いていたので彼はセラ、ライラック(未来)、ノルン、悟の4人に搾られている。
そうか、あれが博士のいう絶望発作か。彼とは気が合うのかもしれないな。

午後にはディーンへの説教も終わり、昴達も合流(今回はヴァルキリーの反応が
1箇所しかなかったため6人とも昴のところへ行ったらしい)したので
これからどうするのかについての会議を行った。

まず日誌をセラに渡し、未来の記憶を共有してもらった。
便利な機能だとセラは感心していたようだ。マリアが解析させてほしいと
言っていたが博士の承諾を得てから、ということに落ち着いた。

次にロキの話を聞いた。あの終末事件で、止まった時の中を動けた理由が判明した。
無限蟲アビスモールという魔王を関わった事件で自身を無限と置き換える薬を
手に入れたのだという。冥界に沈み行く世界の中で姫さんの時間停止による保護で
助けを待つだけの存在に成り果てることをよしとしなかったロキが、
通常空間で使えば存在が消し飛ぶような超加速を利用して時間停止を逃れ、
異界の存在ゆえに時の影響を受けにくい昴や正義を見つけだし、ノルン、波間、律華の
三人を背負って深宮に移動したのだという。移動にはスヴァジルファリという
箒(魔王から奪ったものらしい)を使用したということだ。
その箒は静止した時を移動する負荷に耐え切れず深宮に着く直前に崩壊したらしい、と
ロキは語った。伝聞口調だったのはそれが未来の記憶だからだろう。
しかも今は無理に歴史を進めるためにその箒で無理矢理多重世界っぽい空間に
割り込んだため、すでに箒は壊れてしまったらしい。
つまり今回はその手段は使えないが、アグニー(結局ロキが分捕ったらしい)と
セラがいるおかげでより確実に深宮に参戦することができるそうだ。

次にヴァルキリーだが、やはり多くの同胞が修復中であり、また動けている者に
関しても調整の必要があると正義とセラが判断したため、ダイダロスの施設を
利用して各自(セラ、昴も含む)を診断、調整し、随時、深宮に援軍を出して
くれることとなった。なんにしてもセラが動けるようにならなければ
参戦どころか時間停止を逃れることすら難しいかもしれないと、正義は語った。
まだ、修復作業のためダイダロスとセラはアースガルドを動けず、
アグニーは修復の終わったヴァルキリーの輸送のため戦力には数えられない。
残りの艦はその二隻を万全の状態にするためパーツとして解体してしまうそうだ。

つまりロキ達はセラが動けるようになり次第、随時参戦するということに
なりそうだった。

俺達だが、俺は一足先に深宮に戻ることとなった。オメガにはライラック(未来)と
ルセリアが向かうからだ。理由はライラックが終末の戦いに駆けつけてくれるからだ。
ライラックとライラック(未来)は出会えない。だからライラックは俺の格好をして
亜鳥紫音としてオメガ復活の戦いのほうを引き受けてくれるのだ。
たしかに変装したライラックは俺にかなり似ていて面白い、が並ぶと若干アイツの
ほうが背か高い。まあだから何だということもないが。

あとライラックが追跡装置を壊したので下手に飛び回るのを控えたいという事情もある。
本人曰く「過去の俺がいる場所を追跡してそこから遠いところにいりゃ絶対会わねえんだから
この使い方が最強なんじゃねえか、と自分のプラーナを認識させたら複数固体の認識が
発生してバグって壊れた」ということだそうだ。この機械は俺から博士に渡すこととなった。

三木悟も一緒に深宮へきてくれることとなった。
終末事件の話を聞いて、裏界の魔王なら少しは話を聞いてくれるかもしれないから、とのこと。
関係ない厄介事に首を突っ込むのは性格かもしれないね、と彼は微笑んでいた。

ルセリアは離れたくないと泣いた。おれもできれば離れたくはない。
俺達は、血はつながっていなくても兄妹だ。ルセリアの希望でアドリーだが、
俺にとってアドリーと亜鳥は同じくらい重要な名前、どちらも俺なんだ。
いづれ、兄貴にも紹介したいし、そうでなくてもできるだけ一緒にいてやりたい。
でも、今の蝕まれた身体では、ルセリアは遠くない未来に耐え切れなくなる。
出発は明日だ。もう一度、ルセリアと話し合って、一番いい答えを探す。



カテゴリ: [普通] - &trackback() - 2010年01月17日 00:51:18

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