限定イベントテキストまとめ4

ザ・ラスト・ミッション

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『ミッション:ザ・ラスト・ミッション』を発見しました
ザ・ラスト・ミッション
 やや南寄りの西の空に沈んでいく太陽。
 真っ赤に染まる空の下、地平線上に黒い影がずらりと並んでいた。
 
 数キロにも及ぶ、地平線をなぞる黒い線。
 横一線に並んだ黒い影、それはゆっくりと縦に伸びて太くなっていく。
 まるで軍隊のように綺麗に整列した獣の群れは、一糸乱れぬ歩調で近づいてきていた。
 全部で一体何頭いるのか。
 群れを形成するのは、百や二百ではすまない数の羊たちだった。
 
 ふわふわもこもこの毛に覆われた、足の生えた毛玉。
 頭部すらその中に埋もれて、鼻先と顔の一部だけが露出している。
 きちんと前が見えているのか怪しい個体さえも、やはり列を乱すことなく行軍に参加していた。
 その現象が確認されたのはおよそ半月ほど前である。
 
 始まりは分からない。気がつくと、羊は歩いていた。
 南南西の方角から東を目指し、けして曲がらず、止まらず。
 途中で出会った野生や家畜の羊を群れに引き入れて横線を伸ばしながら、今では数キロほどの巨大な群れに膨れあがっていた。
 
 それを率いるのは一匹の羊。
 一列に伸びた群れの真ん中で、ひときわ大きな体を持つ羊の背に乗りキラキラと輝いていた。
 金色の体毛を持つリーダー羊が先導する、羊軍の行進。
 
 目的は分からない。
 彼らは黙し、ただ一心不乱に歩き続けている。
 その過程にあるもの、唯一の例外を除いた全てを踏みつぶしながら。
 
 唯一の例外とは、彼らの仲間である。
 羊と山羊。残念ながら牛は踏まれ、犬には特別強い敵意を向けている。
 
 その行軍によってすでに、十を超える村が踏み荒らされ壊滅させられていた。
 彼らの歩みがいつ止まるのか、何を理由に止まるのか。
 それを待っていれば、滅ぼされる村はいくらでも増えるだろう。
 そして、彼らの群れもまたいくらでも大きくなっていくのである。
 
 今ここで手を打つ。
 集まった羊を数えて世界が眠ってしまう前に、群れを蹴散らすのである。
『マップ:最終防衛ライン』を発見しました

  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
最終防衛ライン
 世界の西の果て。
 敵はその、果てのさらに果てからやってくる。
 土煙など立てず、静かに進軍は続いていた。
 一歩一歩、足下の安全を確かめるように、世界を踏みつぶしていく。
 
 羊の群れは横一列、まるでロープでつながれているかのように綺麗に並んでいた。
 地面の上を走る津波のようでもある。
 ただし、津波と違い、彼らがとって返すということはない。
 
 南南西から北北東へ。
 果てに始まり、果てに終わるまで。
 立ち止まりも引き返しもせず、羊たちは歩き続けていた。
 最終防衛ライン。
 誰かがそう決めたわけでもなく、明確に線が引かれているわけでもない。
 
 (PC名)が立つこの場所、その一歩後ろが最終防衛ラインである。
 世界を守る者は、これ以降はもう誰もいない。
 突破されればあとはただ、一方的に羊の群れが蹂躙していくだけである。
 世界を平らに。
 そんな願いが羊たちにあるかどうかは疑問だが。
 そんな未来を彼らがもたらすことは、想像に難くなかった。

  • 当日昼(戦闘直前)
羊たちのラインダンス
 彼がリーダーであるという証拠は特にない。
 真ん中で、一番目立っているということぐらいである。
 
 周りの羊より二回りほど大きな羊の背に乗り、悠然と進軍先を見つめている。
 太陽の光を受けて体毛が金色に輝く、あるいは自ら光を放っているかのようだった。
 全身を覆う金色の体毛は、羊らしくクルクルとカールなどしていない。
 毎日神経質に手入れされていたとしか思えないほどにさらっさらだった。
 
 だが、金毛の間からぬっと伸びた細長い顔は紛れもなく羊である。
 全く鋭くない眼差しは未来を真っ直ぐに見つめ、群れを指揮している。
 ように、見える。
 
 別段声や仕草で指示を出しているわけではないが、そんな空気を纏っていた。
 羊の群れは、数キロにわたって横に伸びている。
 それを全て止めることは、残念ながら不可能と言うしかないだろう。
 
 最終防衛ラインの防衛は難しい。
 ここに至った時点で、事態としては完全に手遅れだった。
 だからそれはある種、願いでもある。
 あの金髪がこの群れを操るリーダーであり、あれを倒せば群れは崩壊する。
 
 それを信じるしかなかった。

(PT名)は『戦闘』を選択しました (行動ポイント-3 / 残り2ポイント)
金羊毛騎士団に遭遇した!

  • 当日昼(戦闘勝利後)
最終防衛ライン
 最終防衛ライン、突破されました!
 と、ここではないどこかで女オペレーターが叫ぶ。
 警告音が鳴り響き、真っ赤に染まった画面をALERTの文字が埋め尽くす。
 
 もうどうしようもない。ここではないどこかは絶望に包まれていた。
 だが、最終防衛ラインというものは突破されてからが本番みたいなところがある。
 
 ここではないどこかはさておいて、現場には特に絶望感はなかった。
 確かに最終防衛ラインは突破されたが、その隊列はすでに崩れてしまっていた。
 
 一つに統一された意思のもと、突き進んでいたときとは全く違う。
 (PC名)によって穿たれた風穴。
 その風通しは思いの外よく、中央から一気に崩壊は外へと伝播していった。
 
 つながれていた透明の鎖は切れ、羊たちはそれぞれ自身の意志で動き出していた。
 その中のいくつかが、確かに最終防衛ラインと言われる線を突破していく。
 
 さっきまでの勢いそのまま、何事もなかったかのように行進を続ける羊。
 パニック状態で、走ってラインを越える羊。
 元来た場所へ、引き返していく羊。
 その場に立ち尽くす羊。
 こちらに近寄り、つま先を食べようとしている羊。
 山羊と喧嘩を始める羊。
 
 それぞれがそれぞれに、好き勝手に羊らしい行動を始めていた。
イベントマップ『最終防衛ライン』をクリア!

クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを△△得た

ザ・ラスト・ミッション
 戦線の崩壊した羊の行軍。
 緊張感も何もなく、めーめーと気の抜けた鳴き声が響いている。
 通常の軍隊が相手であれば、追撃や殲滅の必要性も考えられるが。
 この状況では意味がないだろう。
 
 すでに無害というか、ただの牧場で放し飼いにされている羊である。
 ここでさらに攻撃を加えれば、その見た目は酷いものに映ることに間違いない。
 あえてそうする理由がないならば、このまま立ち去るのが賢明である。
 突如現れた羊の群れによる世界の危機。
 それはとりあえず、回避に成功した。
 なんなら、食糧難の地域の助けになるかもしれないだろう。
 この羊たちがどこから来たかは謎で、近くの牧場とかからかも知れないが。
 
 ここに来て、そういえばと思い出すことがあった。
 あの、リーダーと思われた金毛の羊のことである。
 隊列を崩すために頭を狙ったはずが、いつの間にか姿を消していた。
 少なくとも戦闘には加わっていなかったはずである。
 
 何となく気になって、(PC名)は周囲を見回してみた。
 全身金色の羊である。小さいとは言え目立つ。
 まだ近くにいるなら、発見はそれほど難しいことではないはずである。
 
 果たしてすぐに、金髪の羊が視界に飛び込んできた。
 ずいぶんと後方に下がっていたが、やはりキラキラと目立つ。
 金髪羊はさきほどとは別の羊の背に乗り換え、遠吠えのように空に向かって声を上げていた。
 
 その声に、のそのそと周囲の羊が集まってくる。
 徐々にではあるが、金髪羊を取り巻く輪が大きくなっているようだった。
 
 金髪羊の声が届く範囲の羊をあらかた集め終わったところで、その塊が動き始める。
 半分が左に、半分が右に。
 ちょうど半分ずつが両翼に拡がり、再び横一列の隊が作られようとしていた。
 隊の再編成を行っていた金髪の羊。
 まだ諦めていなかったらしい。
 このままでは、また同じことが繰り返されるだろう。
 
 やはり、あの金髪を倒さない限り終わらないようだった。
 隊の再編成が完了してまた行軍が始まる前に、今度はこちらから攻撃を加える番である。
ミッション『ザ・ラスト・ミッション』をクリア!

クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
(PC名)はSPを1得た
(PC名)は『羊命酒』を手に入れた

特別ボーナス
(PC名)は魂片:『毛玉の羊精』を手に入れた

ザ・ラスト・ミッション・アフター

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
『ミッション:ザ・ラスト・ミッション・アフター』を発見しました
ザ・ラスト・ミッション・アフター
 パワーアップした敵部隊との戦闘になります。
 
 このマップは通常のイベントマップと違い、基本値としてのマップレベルが存在します。
 マップレベルは下記のマップを参照してください。
 このマップレベルを基本として、基本登録において設定した難易度で補正がかかります。
 難易度によってはパワーダウンする場合もあります。
 
 特別に、このマップのみさらに上位の難易度も追加してあります。
 もっと欲しい人は選んでください。
 なお、パーティ変更を行った場合など、クリアフラグがばらばらになる場合。
 マップレベルはその戦闘時点でのメンバーのフラグ値の平均になります。
 なので、パーティ変更を行う際は気をつけてください。
 
 キャラクタリストのマップ情報を見れば、自身のマップレベルが確認できます。
『マップ:突破済み最終防衛ライン』を発見しました

  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
突破済み最終防衛ライン
 ぶろろろー
 ぶろろろー
 
 最終防衛ラインの東側。
 トラックがやってきて、無邪気に草を食んでいる羊や山羊を荷台に載せていく。
 
 元々の持ち主、というわけではないだろう。
 扱いは乱暴でとても慣れた牧場の人間という感じはなく、やり方はまるで泥棒だった。
 
 最終防衛ラインは今もまだ、境界として機能していた。
 とは言えそれは、守るべき世界と羊に蹂躙された世界を隔てるものではない。
 
 今や守るべきだった世界は戦利品である羊を囲う檻であり。
 彼らが蹂躙していた向こう側は、その檻へと放り込むための狩り場になっていた。

 その中で唯一抵抗を続けている一匹。
 金色の羊はまた、新たなラインを作り上げようとしていた。

  • 当日昼(戦闘直前)
羊軍再編成
 狩り場へと赴く。
 金色の羊が統率し、作り上げようとしている横一列の軍隊は未だ烏合の衆である。
 
 だが、完成すれば、規模は大幅に小さくなったものの驚異は残るだろう。
 再び行軍を開始する、その時を待ってやる必要はない。
 金色の羊の目が、近づいてくるこちらを見やる。
 隊列を崩壊させた、その原因を忘れるはずはなかった。
 
 めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇとロングトーンで鳴き声を響かせる。
 彼の元に集まり、未だ横一列の隊列には加わってはいなかったものの一部が動き始めた。
 だが、それは隊列に新たに加わるための動きではない。
 
 列の前方に作られた、一塊の小隊。
 それは(PC名)たちを迎撃するための、新たに作られた羊の軍隊だった。

(PT名)は『戦闘』を選択しました (行動ポイント-3 / 残り2ポイント)
金羊毛騎士団に遭遇した!

  • 当日昼(戦闘勝利後)
イベントマップ『突破済み最終防衛ライン』をクリア!

クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを△△得た

ザ・ラスト・ミッション・アフター
 羊の小隊が四散する。
 その多くは走って逃げ出し、最終防衛ラインを越えていく。
 檻の中に、望んでいたかは別として、羊たちは自ら入っていった。
 逃げ出した羊は、金色の羊を中心とした群れにも突っ込んでいく。
 それにぶつかった羊が驚いて走り出し、また誰かにぶつかってそいつが走り出す。
 たった一匹、それだけでも群れの一部を削り取るのに充分だった。
 
 そしてまた、群れから羊が減っていく。
 減った羊の行き先は、最終防衛ラインの向こう側。
 その行き着く先は、羊泥棒のトラックの荷台である。
 金色の羊は、黒い羊の背の上で声を上げていた。
 
 その声はそれほど大きくなく、最終防衛ラインを越えたあたりまでは届かない。
 声に呼ばれて集まっているのは、いまだ西側にいるもののみである。
 つまり、線を越えて向こうに行けば、檻に入れてしまえばもう羊の軍に加わることはない。
 
 確実に、彼の軍勢は目減りしていた。
 それでも健気に、声を出して羊を集める。
 攻撃のための横一列の軍隊と、それを守るための守備隊と。
 動揺の拡がる部隊を立て直そうと、金色に光る羊は懸命に声を上げていた。
 
 攻撃を続ければ、その守備を一枚一枚剥いでいけば、いずれ届くだろう。
 
 その時は残念ながら、裸の王様となってしまっているだろうが。

ミッション『ザ・ラスト・ミッション・アフター』をクリア!
 
イベントマップ『突破済み最終防衛ライン』の情報が更新されました
イベントミッション『ザ・ラスト・ミッション・アフター』に再挑戦可能になりました
 
ザ・ラスト・ミッション・アフター
 さらにパワーアップした敵部隊との戦闘になります。
 
 このマップは通常のイベントマップと違い、基本値としてのマップレベルが存在します。
 マップレベルは下記のマップを参照してください。
 このマップレベルを基本として、基本登録において設定した難易度で補正がかかります。
 難易度によってはパワーダウンする場合もあります。
 
 特別に、このマップのみさらに上位の難易度も追加してあります。
 もっと欲しい人は選んでください。
 なお、パーティ変更を行った場合など、クリアフラグがばらばらになる場合。
 マップレベルはその戦闘時点でのメンバーのフラグ値の平均になります。
 なので、パーティ変更を行う際は気をつけてください。
 
 キャラクタリストのマップ情報を見れば、自身のマップレベルが確認できます。

ザ・ラスト・ミッション・アフター(269回)

  • 当日昼(戦闘開始前)
黒色の決意
 周囲の羊や山羊に比べて、少しばかり大きな体躯を持つ黒い羊。
 羊というものはそもそも大人しい生き物だが、こいつはそれにもまして静かだった。
 
 周りがいくら騒ごうがビクともしない。
 木彫りか何かの置物なのか、と思ってしまうぐらいだった。あるいは乗り物か。
 
 乗り物であるとしても、専用機である。
 あるじは金色の獣。彼らの指揮官。
 
 仲間を連れて、世界からの逃亡を図った。
 東の果てに何があるのかは知らない。
 おそらくはただ果てが拡がるだけで何もないことも分かっているが、どうでもいいことでもある。
 
 金毛の羊、彼らのリーダーの望みであるならば。
 その意に従うのみである。
 群れというものは、そういうものだった。
 
 だから、静かな黒い羊は、黙ったままその背を見送る。
 自身から飛び降りて、その足で地面を歩いて行こうとする金色の背中を。
 
 それが彼の望みであるならば。
 (PC名)たちの元へと歩み寄り、決着を付けることを望んでいるのであれば。
 それを黙って見送るのが、彼のこの群れにおける役割である。

  • 当日夜(休息後)
最後の挑戦
 やはり愚策だ、と言わざるを得ない。
 結果論ではない。結果負けたから、ではない。
 友人の背を降りて、最前線に立った時点で全ては決していたのだ。
 いや、それを決意した時点、あるいはそう決意せざるを得なくなった時点か。
 
 要するに、とっくの昔に負けていたのだ。
 散り散りになっていく、彼の作った群れ。
 半分は境界を越えていき、もう半分は遠ざかりはしたもののこちらに留まっていた。
 
 彼らの顔に浮かぶのは混乱ではなく、不安である。
 驚いてパニックになっているわけではない。ただ、見ていた。
 金色の体毛を持つ羊、彼らの指導者を。
 自身の体に突き刺さるいくつもの視線を感じながら。
 金毛の羊は立ち上がった。
 
 それがどのような感情によるものか、それは自身にもよく分からない。
 使命感か、プライドか。虚勢ではあるが。
 
 だが、考えるよりも先に体が動いていた以上、それは誇るべきだろう。
 体に力が戻ってくる。
 それこそ虚勢でしかないが、意味がないわけではなかった。
 約束の地などない。
 滅びから逃れる術はない。
 
 それでも立ち上がらねばならない。
 寝転んだままではいられない、その理由があるのだから。
 
 吠えて、仲間を呼びつける。
 もう一度。最後の挑戦である。
挑戦アイテム
(PC名)は『羊飼いの匂い袋』を手に入れた

ザ・ラスト・ミッション・アフター(270回)

  • 当日昼(戦闘開始前)
黒色の決意
 周囲の羊や山羊に比べて、少しばかり大きな体躯を持つ黒い羊。
 羊というものはそもそも大人しい生き物だが、こいつはそれにもまして静かだった。
 
 周りがいくら騒ごうがビクともしない。
 木彫りか何かの置物なのか、と思ってしまうぐらいだった。あるいは乗り物か。
 
 乗り物であるとしても、専用機である。
 あるじは金色の獣。彼らの指揮官。
 
 仲間を連れて、世界からの逃亡を図った。
 東の果てに何があるのかは知らない。
 おそらくはただ果てが拡がるだけで何もないことも分かっているが、どうでもいいことでもある。
 
 金毛の羊、彼らのリーダーの望みであるならば。
 その意に従うのみである。
 群れというものは、そういうものだった。
 
 だから、静かな黒い羊は、黙ったままその背を見送る。
 自身から飛び降りて、その足で地面を歩いて行こうとする金色の背中を。
 
 それが彼の望みであるならば。
 (PC名)たちの元へと歩み寄り、決着を付けることを望んでいるのであれば。
 それを黙って見送るのが、彼のこの群れにおける役割である。

金と黒の終演
 最後の戦いに赴く金毛の羊。
 その背を見守り続けることもできたが、黒羊はその選択肢を選ばなかった。
 
 金羊の望みが玉砕であるならば。
 自身の望みはともに玉砕することかと言われれば、違うだろう。
 
 おそらくは、彼の望み通り玉砕させること。
 何度でも。何度玉砕しても、再び玉砕させることである。
 そのために、自身は玉砕してはならない。
 
 ともには逝けないのだ。いつかともに逝くために。
 
 金毛の羊の後を追う。
 彼は振り返らない。気配は察しているだろう。
 背中を守ると言えば聞こえはいいが、敵は目の前である。後ろにはいない。
 
 最後の戦い。その鐘が鳴る。
 最後に立っているのが、願わくば自分たちであればいい。
 彼の玉砕する願いは叶わないが、そんな選択肢もアリだろう。
 
 そんな世界も、悪くはないはずである。

金羊毛騎士団に遭遇した!

  • 当日夜(休息後)
終焉
 散り散りになった羊の群れを、軽トラが回収していく。
 一体何台のトラックが荷台を満載にして去っていったか。
 彼らの懐、人々の食卓、寝具や衣類。さまざまなものに恩恵を与えることだろう。
 全ては犠牲の上ではあるが、犠牲になるものにとってはいつものことである。
 
 最後に残った金毛の羊。
 彼以外、全ての羊、山羊は刈り尽くされた。
 
 すでに境界線はない。
 羊泥棒たちはその境界を無遠慮に跨ぎ、蹂躙している。
 世界はあるべき姿に戻り、平和を取り戻していた。
 
 風が吹く。
 それに乗って黒い影が動くのを(PC名)は見逃さなかったが、見過ごすことは決めていた。
 
 もう無事なものはいないと思っていたが、そいつはどこに隠れていたのか。
 黒い羊は素早く動いて金羊と(PC名)との間に入り、その姿を自身の陰に隠した。
 目で一度こちらを牽制してから、長い金髪をくわえて金毛の羊を背中に放り乗せる。
 そしてまたこちらに視線を戻し、牽制を続けながらじりじりと下がっていった。
 
 その横にもう一頭、別の黒い羊が合流する。
 二頭の黒羊に守られながら、その背の上で金色の羊は穏やかに目を閉じていた。
 
 去っていく羊たちを、黙って見送る。
 それに追従するものはもういない。
 たった三匹、ゆっくりと沈んでいく西日の中に消えていった。
 
 どこから来てどこへ行くのか。その命題に答えはない。
 翌年には猿が別の方角から来たとしても。
 そのことに、特に意味などないのである。
 
今回をもちまして、今期の更新は終了しました

ザ・ラスト・ミッション・アフター(270回)

  • 当日昼(戦闘開始前)
黒色の決意
 周囲の羊や山羊に比べて、少しばかり大きな体躯を持つ黒い羊。
 羊というものはそもそも大人しい生き物だが、こいつはそれにもまして静かだった。
 
 周りがいくら騒ごうがビクともしない。
 木彫りか何かの置物なのか、と思ってしまうぐらいだった。あるいは乗り物か。
 
 乗り物であるとしても、専用機である。
 あるじは金色の獣。彼らの指揮官。
 
 仲間を連れて、世界からの逃亡を図った。
 東の果てに何があるのかは知らない。
 おそらくはただ果てが拡がるだけで何もないことも分かっているが、どうでもいいことでもある。
 
 金毛の羊、彼らのリーダーの望みであるならば。
 その意に従うのみである。
 群れというものは、そういうものだった。
 
 だから、静かな黒い羊は、黙ったままその背を見送る。
 自身から飛び降りて、その足で地面を歩いて行こうとする金色の背中を。
 
 それが彼の望みであるならば。
 (PC名)たちの元へと歩み寄り、決着を付けることを望んでいるのであれば。
 それを黙って見送るのが、彼のこの群れにおける役割である。

金と黒の終演
 最後の戦いに赴く金毛の羊。
 その背を見守り続けることもできたが、黒羊はその選択肢を選ばなかった。
 
 金羊の望みが玉砕であるならば。
 自身の望みはともに玉砕することかと言われれば、違うだろう。
 
 おそらくは、彼の望み通り玉砕させること。
 何度でも。何度玉砕しても、再び玉砕させることである。
 そのために、自身は玉砕してはならない。
 
 ともには逝けないのだ。いつかともに逝くために。
 
 金毛の羊の後を追う。
 彼は振り返らない。気配は察しているだろう。
 背中を守ると言えば聞こえはいいが、敵は目の前である。後ろにはいない。
 
 最後の戦い。その鐘が鳴る。
 最後に立っているのが、願わくば自分たちであればいい。
 彼の玉砕する願いは叶わないが、そんな選択肢もアリだろう。
 
 そんな世界も、悪くはないはずである。

金羊毛騎士団に遭遇した!

  • 当日夜(休息後)
終焉
 散り散りになった羊の群れを、軽トラが回収していく。
 一体何台のトラックが荷台を満載にして去っていったか。
 彼らの懐、人々の食卓、寝具や衣類。さまざまなものに恩恵を与えることだろう。
 全ては犠牲の上ではあるが、犠牲になるものにとってはいつものことである。
 
 最後に残った金毛の羊。
 彼以外、全ての羊、山羊は刈り尽くされた。
 
 すでに境界線はない。
 羊泥棒たちはその境界を無遠慮に跨ぎ、蹂躙している。
 世界はあるべき姿に戻り、平和を取り戻していた。
 
 風が吹く。
 それに乗って黒い影が動くのを(PC名)は見逃さなかったが、見過ごすことは決めていた。
 
 もう無事なものはいないと思っていたが、そいつはどこに隠れていたのか。
 黒い羊は素早く動いて金羊と(PC名)との間に入り、その姿を自身の陰に隠した。
 目で一度こちらを牽制してから、長い金髪をくわえて金毛の羊を背中に放り乗せる。
 そしてまたこちらに視線を戻し、牽制を続けながらじりじりと下がっていった。
 
 その横にもう一頭、別の黒い羊が合流する。
 二頭の黒羊に守られながら、その背の上で金色の羊は穏やかに目を閉じていた。
 
 去っていく羊たちを、黙って見送る。
 それに追従するものはもういない。
 たった三匹、ゆっくりと沈んでいく西日の中に消えていった。
 
 どこから来てどこへ行くのか。その命題に答えはない。
 翌年には猿が別の方角から来たとしても。
 そのことに、特に意味などないのである。
 
今回をもちまして、今期の更新は終了しました

ザ・ラスト・ミッション・アフター(270回)

  • 当日昼(戦闘開始前)
黒色の決意
 周囲の羊や山羊に比べて、少しばかり大きな体躯を持つ黒い羊。
 羊というものはそもそも大人しい生き物だが、こいつはそれにもまして静かだった。
 
 周りがいくら騒ごうがビクともしない。
 木彫りか何かの置物なのか、と思ってしまうぐらいだった。あるいは乗り物か。
 
 乗り物であるとしても、専用機である。
 あるじは金色の獣。彼らの指揮官。
 
 仲間を連れて、世界からの逃亡を図った。
 東の果てに何があるのかは知らない。
 おそらくはただ果てが拡がるだけで何もないことも分かっているが、どうでもいいことでもある。
 
 金毛の羊、彼らのリーダーの望みであるならば。
 その意に従うのみである。
 群れというものは、そういうものだった。
 
 だから、静かな黒い羊は、黙ったままその背を見送る。
 自身から飛び降りて、その足で地面を歩いて行こうとする金色の背中を。
 
 それが彼の望みであるならば。
 (PC名)たちの元へと歩み寄り、決着を付けることを望んでいるのであれば。
 それを黙って見送るのが、彼のこの群れにおける役割である。

金羊毛騎士団に遭遇した!

  • 当日夜(休息後)
終焉
 散り散りになった羊の群れを、軽トラが回収していく。
 一体何台のトラックが荷台を満載にして去っていったか。
 彼らの懐、人々の食卓、寝具や衣類。さまざまなものに恩恵を与えることだろう。
 全ては犠牲の上ではあるが、犠牲になるものにとってはいつものことである。
 
 最後に残った金毛の羊。
 彼以外、全ての羊、山羊は刈り尽くされた。
 
 すでに境界線はない。
 羊泥棒たちはその境界を無遠慮に跨ぎ、蹂躙している。
 世界はあるべき姿に戻り、平和を取り戻していた。
 
 風が吹く。
 それに乗って黒い影が動くのを(PC名)は見逃さなかったが、見過ごすことは決めていた。
 
 もう無事なものはいないと思っていたが、そいつはどこに隠れていたのか。
 黒い羊は素早く動いて金羊と(PC名)との間に入り、その姿を自身の陰に隠した。
 目で一度こちらを牽制してから、長い金髪をくわえて金毛の羊を背中に放り乗せる。
 そしてまたこちらに視線を戻し、牽制を続けながらじりじりと下がっていった。
 
 その横にもう一頭、別の黒い羊が合流する。
 二頭の黒羊に守られながら、その背の上で金色の羊は穏やかに目を閉じていた。
 
 去っていく羊たちを、黙って見送る。
 それに追従するものはもういない。
 たった三匹、ゆっくりと沈んでいく西日の中に消えていった。
 
 どこから来てどこへ行くのか。その命題に答えはない。
 翌年には猿が別の方角から来たとしても。
 そのことに、特に意味などないのである。
 
今回をもちまして、今期の更新は終了しました

ザ・ラスト・ミッション・アフター(270回)羊飼いの匂い袋使用

  • 当日昼(戦闘開始前)
黒色の決意
 周囲の羊や山羊に比べて、少しばかり大きな体躯を持つ黒い羊。
 羊というものはそもそも大人しい生き物だが、こいつはそれにもまして静かだった。
 
 周りがいくら騒ごうがビクともしない。
 木彫りか何かの置物なのか、と思ってしまうぐらいだった。あるいは乗り物か。
 
 乗り物であるとしても、専用機である。
 あるじは金色の獣。彼らの指揮官。
 
 仲間を連れて、世界からの逃亡を図った。
 東の果てに何があるのかは知らない。
 おそらくはただ果てが拡がるだけで何もないことも分かっているが、どうでもいいことでもある。
 
 金毛の羊、彼らのリーダーの望みであるならば。
 その意に従うのみである。
 群れというものは、そういうものだった。
 
 だから、静かな黒い羊は、黙ったままその背を見送る。
 自身から飛び降りて、その足で地面を歩いて行こうとする金色の背中を。
 
 それが彼の望みであるならば。
 (PC名)たちの元へと歩み寄り、決着を付けることを望んでいるのであれば。
 それを黙って見送るのが、彼のこの群れにおける役割である。

金と黒の終演
 最後の戦いに赴く金毛の羊。
 その背を見守り続けることもできたが、黒羊はその選択肢を選ばなかった。
 
 金羊の望みが玉砕であるならば。
 自身の望みはともに玉砕することかと言われれば、違うだろう。
 
 おそらくは、彼の望み通り玉砕させること。
 何度でも。何度玉砕しても、再び玉砕させることである。
 そのために、自身は玉砕してはならない。
 
 ともには逝けないのだ。いつかともに逝くために。
 
 金毛の羊の後を追う。
 彼は振り返らない。気配は察しているだろう。
 背中を守ると言えば聞こえはいいが、敵は目の前である。後ろにはいない。
 
 最後の戦い。その鐘が鳴る。
 最後に立っているのが、願わくば自分たちであればいい。
 彼の玉砕する願いは叶わないが、そんな選択肢もアリだろう。
 
 そんな世界も、悪くはないはずである。

金羊毛騎士団に遭遇した!

  • 当日夜(休息後)
終焉
 散り散りになった羊の群れを、軽トラが回収していく。
 一体何台のトラックが荷台を満載にして去っていったか。
 彼らの懐、人々の食卓、寝具や衣類。さまざまなものに恩恵を与えることだろう。
 全ては犠牲の上ではあるが、犠牲になるものにとってはいつものことである。
 
 最後に残った金毛の羊。
 彼以外、全ての羊、山羊は刈り尽くされた。
 
 すでに境界線はない。
 羊泥棒たちはその境界を無遠慮に跨ぎ、蹂躙している。
 世界はあるべき姿に戻り、平和を取り戻していた。
 
 風が吹く。
 それに乗って黒い影が動くのを(PC名)は見逃さなかったが、見過ごすことは決めていた。
 
 もう無事なものはいないと思っていたが、そいつはどこに隠れていたのか。
 黒い羊は素早く動いて金羊と(PC名)との間に入り、その姿を自身の陰に隠した。
 目で一度こちらを牽制してから、長い金髪をくわえて金毛の羊を背中に放り乗せる。
 そしてまたこちらに視線を戻し、牽制を続けながらじりじりと下がっていった。
 
 その横にもう一頭、別の黒い羊が合流する。
 二頭の黒羊に守られながら、その背の上で金色の羊は穏やかに目を閉じていた。
 
 去っていく羊たちを、黙って見送る。
 それに追従するものはもういない。
 たった三匹、ゆっくりと沈んでいく西日の中に消えていった。
 
 どこから来てどこへ行くのか。その命題に答えはない。
 翌年には猿が別の方角から来たとしても。
 そのことに、特に意味などないのである。
 
今回をもちまして、今期の更新は終了しました

最終更新でアフターに参加していなかった場合

  • 当日夜(休息後)
終焉
 散り散りになった羊の群れを、軽トラが回収していく。
 一体何台のトラックが荷台を満載にして去っていったか。
 彼らの懐、人々の食卓、寝具や衣類。さまざまなものに恩恵を与えることだろう。
 全ては犠牲の上ではあるが、犠牲になるものにとってはいつものことである。
 
 最後に残った金毛の羊。
 彼以外、全ての羊、山羊は刈り尽くされた。
 
 すでに境界線はない。
 羊泥棒たちはその境界を無遠慮に跨ぎ、蹂躙している。
 世界はあるべき姿に戻り、平和を取り戻していた。
 
 風が吹く。
 それに乗って黒い影が動くのを(PC名)は見逃さなかったが、見過ごすことは決めていた。
 
 もう無事なものはいないと思っていたが、そいつはどこに隠れていたのか。
 黒い羊は素早く動いて金羊と(PC名)との間に入り、その姿を自身の陰に隠した。
 目で一度こちらを牽制してから、長い金髪をくわえて金毛の羊を背中に放り乗せる。
 そしてまたこちらに視線を戻し、牽制を続けながらじりじりと下がっていった。
 
 その横にもう一頭、別の黒い羊が合流する。
 二頭の黒羊に守られながら、その背の上で金色の羊は穏やかに目を閉じていた。
 
 去っていく羊たちを、黙って見送る。
 それに追従するものはもういない。
 たった三匹、ゆっくりと沈んでいく西日の中に消えていった。
 
 どこから来てどこへ行くのか。その命題に答えはない。
 翌年には猿が別の方角から来たとしても。
 そのことに、特に意味などないのである。
 
今回をもちまして、今期の更新は終了しました

最終更新でアフターに参加しておらず、それまでに1回でもアフターをクリアしていた場合?

  • 当日夜(休息後)
瓦解する羊の群れ
 羊の軍を再編成した金色の羊。
 だがその数も質も、1度目とは比較にならない。
 まとめ直し、形としてそれを作り上げただけでもたいしたものだった。
 
 だが、それでもやはり、実は伴わない。
 物理的にも精神的にも強固だったあのときとは違う。
 簡単な、ほんの些細なことで全ては瓦解していった。
 
 最終防衛ライン、その向こう側に逃げ込んだ羊たち。
 彼らを目当てに集まってきた人々の手により、軽トラックの荷台へと詰め込まれていく。
 
 それを目にする。
 たったそれだけ。たかがそれだけのことで、群れのタガは外れてしまった。
 混乱と恐怖が群れ全体へと拡がっていく。
 もはやそれは、収拾が付くレベルではなくなってしまっていた。

終焉
 散り散りになった羊の群れを、軽トラが回収していく。
 一体何台のトラックが荷台を満載にして去っていったか。
 彼らの懐、人々の食卓、寝具や衣類。さまざまなものに恩恵を与えることだろう。
 全ては犠牲の上ではあるが、犠牲になるものにとってはいつものことである。
 
 最後に残った金毛の羊。
 彼以外、全ての羊、山羊は刈り尽くされた。
 
 すでに境界線はない。
 羊泥棒たちはその境界を無遠慮に跨ぎ、蹂躙している。
 世界はあるべき姿に戻り、平和を取り戻していた。
 
 風が吹く。
 それに乗って黒い影が動くのを(PC名)は見逃さなかったが、見過ごすことは決めていた。
 
 もう無事なものはいないと思っていたが、そいつはどこに隠れていたのか。
 黒い羊は素早く動いて金羊と(PC名)との間に入り、その姿を自身の陰に隠した。
 目で一度こちらを牽制してから、長い金髪をくわえて金毛の羊を背中に放り乗せる。
 そしてまたこちらに視線を戻し、牽制を続けながらじりじりと下がっていった。
 
 その横にもう一頭、別の黒い羊が合流する。
 二頭の黒羊に守られながら、その背の上で金色の羊は穏やかに目を閉じていた。
 
 去っていく羊たちを、黙って見送る。
 それに追従するものはもういない。
 たった三匹、ゆっくりと沈んでいく西日の中に消えていった。
 
 どこから来てどこへ行くのか。その命題に答えはない。
 翌年には猿が別の方角から来たとしても。
 そのことに、特に意味などないのである。
 
今回をもちまして、今期の更新は終了しました


最終更新までラストミッションそのものを1回もクリアしていなかった場合

  • 当日夜(休息後)
蹂躙
 羊の群れが世界を蹂躙していく。
 地面に残された大量の蹄跡。それは大地に刻まれた、支配の証である。

 最終防衛ラインは突破され、道も街も田畑も何もかもが踏みつぶされていく。
 彼らが彼らの意志で足を止める。
 それ以外、もはや世界が助かる術はなかった。
 
 そして、彼らの足はとりあえず、止まる気配はない。
 つまり世界は蹂躙されるに任された、と言うことである。

 羊たちの土地を示す、小さな刻印が大量に大地に穿たれる。
 その中に、ぽつぽつと羊や山羊たちの姿が見えた。
 
 彼らは進軍する羊たちからこぼれ落ちたものたちである。
 すでに群れは遠く、合流はできそうにない。
 残された彼らもその気はなさそうに、草を食みメーメーと鳴いていた。

 少しずつだが、群れは自然に削られている。
 いつか。本当に、いつかの話だが。
 世界は救われるのかもしれない。
 
 牧羊犬を連れた羊飼いの少年、そのたった一人が対処できる程度にまで群れが小さくなれば。
 そのいつかは、まだしばらく来そうにないが。

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最終更新:2015年03月26日 16:54