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17 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:31:15 4JIcEmgy

「ふぅ、あっちー。くそ、夏だからといってこの暑さはどうなってやがる。」
あごの汗を腕でぬぐいながら学校から目的の場所への道を歩いていく。

バーボンハウスについたらエアコンついてるだろうから、それまでの辛抱か・・・。
今日は夏期特別授業だったから昼に終わったし、夕方まで三国志大戦やって涼しくなるのを待つのがベターだな・・・。

そんなことを思いながらアスファルトの道を歩いていくと、あった・・・
バーボンハウスだ。

バーボンハウスの自動ドアが「いらっしゃい」とばかりに開く。
心地よいエアコンの冷気が暑さでまいった体を癒していく。



18 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:31:48 4JIcEmgy

「おや、山田君、いらっしゃい(ry。」

と、いつものカウンターから男が声をかけてくる。
彼はこのバーボンハウスのマスターだ。
バーボンハウスはゲームセンターをしているにもかかわらず、その店内にバーのカウンターが存在すると言う前代未聞のゲームセンターだ。
本人曰く、『うまい酒と面白いゲームはお互いを引き立てあい究極まで昇華する。』らしい。

まぁ日本の法律でゲーセン内に酒を出すカウンターがあるのがどうとかは、
この際、気にしないでおこう。所詮ご都合主義さ。

彼の服装はまさにバーのマスター、そのものだ。年は30後半かな?関羽も真っ青な髭を蓄えているから、余計に老けて見えるのかもしれない。
姉妹店として、ブランデーハウスというゲーセンもあるが、こちらは彼のお兄さんがやっているらしく店の趣味(カウンター)を含めて、よく似ている店だ。

一度、ブランデーハウスに行ったことがあるが、最初見たときは同一人物と間違えたほど、彼ら兄弟が似ていたこともここに述べておこう。



20 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:32:28 4JIcEmgy

「これはサービスだよ。」
と言って、オレンジジュースを出してくれた。

「ありがとう!いやー喉渇いててさー!外暑いよ~、度数はいくつなんだと思うほど。」
ゴクゴク・・・冷たいオレンジジュースが喉にしみる。ちょっと、変な味がするが、
そうプロレス技のような名前の飲み物のような味がするが気にしない、気にしない。

「50度だよ。」
 ・・・んな馬鹿な、外が50度もあるわけ無いじゃんと思いながら、本題を聞いてみる。

「マスター、今日も三国志大戦やりに来たよ。サテ空いてる?」
きゅきゅっと、コップを拭きながらマスターは答える。

「う~ん、今日は、まぁまぁの客付だから、ちょっと並ばないといけないかもね。
そういえば、今日はブーン君たちも来ているはずだよ。」
そういうと、マスターは拭き終えたグラスを棚に戻す。

「ブーン君達も来ているのか。待ち時間を感じなくてすみそうだ。」



23 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:40:41 4JIcEmgy

ブーン君というのは、最近、三国志大戦をはじめた俺のクラスメートだ。
ちょっと前までは、余り話したことは無かったんだけど、三国志大戦をやっていることがわかって、このごろはよく三国志大戦の話をしたりしている。
彼は人の話を聞く素直な人間でいい奴だ。いつもにこにこしていて、こっちまで気分がよくなってくる。
デッキは主に彼の性格を良くあらわしている真っ向勝負の魏単デッキでやっているみたいだ。

そうだ、他にも三国志大戦をやっているクラスメートがいるんだ。彼らのことも紹介しておこうか。

まずはさっき話したブーン君、それからドクオ君、ツンさんだ。

ドクオ君も俺と同じクラスメートで、田豊をエースにしたワラワラデッキを使っている。
見た目は冴えなく暗い感じがするが、実際に話してみるとそうではなく、面白い。
ブーン君の親友らしく、彼らの仲の良さにはうらやましいものがある。

そして、ツンさん。彼女はブーン君の幼馴染らしい。
結構、ツンツンしてきつい言葉を言っているように思えるが、ブーン君をよくサポートしているし、いい子だと思うし、なにより可愛い。
まぁ、ブーン君は気づいていないかもしれないが、よくよく見てみればツンツンしているのはブーン君がメインなんだよね~、
いいなぁ。しかも、彼女は有名どこのお嬢様学校らしいんだよね、
制服で来てる事が何回かあってわかったんだけどね。そういえば、あの子と同じ学校になるのか・・・。



25 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:42:57 4JIcEmgy

「さて、それじゃ、俺もサテに移動しま~す。」
マスターに声をかけると、三国志大戦のサテへ向かう。ドルマスのセンモニの前を通って、
連ザの筐体を飛び越して・・・と、着いた。

「ここで指揮だお!」

 >ミナノモノチカラヲミセヨ!!

「馬鹿!よく見なさいよ!目の前に張春華がいるのよ!!」

 >オイタガスギタヨウネ

「やばいお!全員かかってしまったお!」
「おいおい、早くにがさねぇと・・・。」

三国志大戦を今、プレイしているのはブーン君らしいな。どうやら、戦況は芳しくないみたいだ。
その横でツンツンしながら激を飛ばしているのがツンさん、冷静にアドバイスしているのがドクオ君だな・・・。

ダダダン ダン ダダダダダン ダダン ダン

 ・・・合掌。



28 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:47:56 4JIcEmgy

「やられたお、春華を忘れていたお・・・。」
「やれやれ、まぁ、次にいかそうぜ、なっ。」
「もう、あんなところで指揮撃っちゃうなんて馬鹿!私がアドバイスしてるんだから、勝ってちょうだい!」
「ごめんお・・・。」
あ~、ブーン君がしょぼんとしてしまったぞ。ツンさんはそれを見てハッとしてるな。
言い過ぎた・・・って顔してる。不謹慎だが、可愛いなぁ。

「ごめんなさい、いいすぎたわ。でも、それまではうまくやっていたわよ。」
「ああ、結構、うまくなってるんじゃねぇか?俺達もそろそろ兵種の特性はつかめるようになってきてると思うぜ。」
「ええ、兵種の特性を把握して戦うのは、二人とも、もうできてるわ。」
「本当かお?ツン?」
「ええ、私が保証するわ。」
「うれしいお!よ~し、もっとがんばるお!」
ブーン君も立ち直ったみたいだな。すぐに立ち直って前に進める、これも彼のいいところだ。
俺も見習いたいものだ。ツンさんが今度はほっとしている。



30 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:48:34 4JIcEmgy

さて、俺も輪の中に入ろうかな・・・。

「こんちゃー!みんな!」
大戦を終えて小休止しているブーン君たちに声をかける。

「お、山田君だお!こんちゃー!だお。」
「こんにちわ、あなたも三国志大戦をやりに来たの?」
「うーす、夏期講習お疲れ~。たいへんだねぇ。」
3人が挨拶を返してくる。
「ああ、ようやく8州まで上がれそうなんだよ。これから制圧戦なんだ。」

「すごいお!まだ、ブーンたちは2州だお。」
ブーン君は本当にいい奴だ。三国志大戦を純粋に楽しんでいるのがわかる。
「まだまだね、とっとと14州まできなさい、あなたならそれだけの腕あるでしょう。」
う~ん、手厳しいなツンさん。まぁ、確かに前バージョンでは2品までいったんだが、
なにぶん金と時間がねぇ。

「まぁ、のんびりやるとするよ。さて、サテは空いたかな~と。」
三国志大戦のサテを確認しに行く。う~ん、空いてないねぇ。
しょうがない、もう少し待つかな・・・と、考えていると不意に後ろから声をかけられた。



31 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:49:19 4JIcEmgy

「あ、山田さん、こんにちわ。」
振り返ると、一人の女の子が立っている。ショートカットで背は彼女の年で考えると低い方だろうか。

「しぃちゃん、こんにちわ。」

彼女はしぃちゃん、俺がガキの頃によく遊んでいた3人組の友達の一人だ・・・
まぁ、今でも友達で時々、話をしたりしている。幼馴染と言えばその通りだが年が一つ二つ離れていることと3人組のあと一人が彼女の兄であったこともあり俺にとっては妹のような存在だ。
昔は山田のお兄ちゃん、もしくは単にお兄ちゃんと呼ばれていたものだが、最近は呼ばれなくなったなぁ・・・
まぁ、あいつのこともあるし、しぃちゃんにとっては兄は特別な存在になったということだろう。

ちなみに彼女の実家・・・というか、祖父なんだが、その筋の大人物だ。まぁ、そんなお嬢様と、なぜ幼馴染かと言うと・・・まぁ、聞くな。

「山田さん?」
しぃちゃんが首をかしげてこっちを見ている。
どうやら、俺は別世界に行ってしまっていたみたいだな。
しかし、首をかしげるしぐさは、仮の兄の贔屓目と言われようが可愛いといえるだろう。



33 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:53:24 4JIcEmgy

「ああ、ごめんごめん。もしかして、しぃちゃんも三国志大戦をやりにきたの?」
「そうですよ。そうです。この前、私、2州になれたんですよ。」
目を輝かせて報告するしぃちゃん。

「へぇ~、そりゃすごいや。デッキとか後で教えてくれる?」
「ええ、いいですよ。でも、私もってことは山田さんも三国志大戦をやりにきたんですか?」
「そうだよ。今日は夕方までやっていくつもり。」
「そうなんですか?山田さんから、色々とアドバイスして欲しいと思ってたから、それならそうと教えてくれてもよかったのに・・・。
この前も大会に参加してから教えてあげるとか言ってたのに、急用ができたって言って帰っちゃうし、代わりに大会に無理矢理参加させたくせに・・・
私、あの後、心細かったし大変だったんですよ、もう。」

頬を膨らませて抗議するしぃちゃん。



35 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:54:11 4JIcEmgy

「いや、悪い悪い・・・ごめん。」
「本当に酷いですよ。」
う~ん、どうするか。思い出させて不機嫌にさせてしまったらしい、まじいなぁ
 ・・・。と、あの日のことを思い出す。

ワイワイガヤガヤマンマンミテチンチンオッキオッキアンアンギシギシワイワイ

その日はバーボンハウスで月恒例の大会が開かれる日だった。
ここの大会はマスターが適当に決めたルールにのっとって行われている。
今回は指定カードを入れたデッキでの大会らしい。
神速一筋の俺にとっては、結構つらいものがあるが、まぁ大会自体は楽しいし、なによりあのブーン君やドクオ君もでるらしいので楽しみだ。
この前手合わせした時にブーン君に負けてしまったし、あの時のリベンジもしなくちゃな。



41 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:58:07 4JIcEmgy

「山田さん。すごい人ですね。」
隣でしぃちゃんが大きな声で話してくる。人が多いのとゲームのBGMで声がかき
消されてしまうからだ。

「そうだね。しぃちゃんも最近、やりはじめたんでしょ、三国志大戦?」
俺も負けずに大きな声で話しかける。

「はい。山田さんは大会に出られるんですよね?」
「うん、そう。楽しみだよ。」
「大会が終わったら・・・。」
しぃちゃんが何か言っているみたいだけど、下を向いているのと、そこだけ小さな声で
言っているので聞き取れない。

「終わったら、何かな?周りの音で聞こえないんだ・・・。」
少しほほを染めて、しぃちゃんが話す。

「大会が終わったら、三国志大戦を教えてくれますか?」
今度は聞こえる。

「ああ、お安い御用さ。それとも、しぃちゃんも出てみるかい?ここのゲーセンの
マスターはいい人だし、常連も優しい人が多い。初心者でも歓迎してくれるよ。」

と、言ってみる。実際にこのバーボンハウスは、ゲーセンにもかかわらずマスター、
常連ともやさしく親切な人間が多い。マスターの人徳のなせる業かは知らないが、
少なくとも初心者を馬鹿にするような奴はまずいないし、いてもマスターもしく
は常連が速攻排除してくれる。



43 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 10:59:17 4JIcEmgy

「無理ですよ。まだ私、数えるほどしかやってないのに・・・。」
「う~ん、そうかい。残念だなぁ・・・。」

ブルブルブルブルブル・・・。

ん、携帯がなってるな。誰だよ、こんな時に・・・って、あいつかい!
う~ん、しぃちゃんには教えられんし、とりあえず、ここは・・・。

「ごめん、しぃちゃん。ちょっと、トイレに行ってくるよ。ここでまってて。」
「はい、待ってます。」

外に出て、電話に出る。電話の相手はしぃちゃんの兄だ。あいつはちょうど、一年ほど
前に例の大人物と大喧嘩をやらかして、今家を出ている。話によると、日本刀でちゃんばら
やらかしたらしい。結果、めでたく勘当となりましたとさ。んで、あいつは今、どうしてる
かというと、知り合いのつてでいろんなところでバイトしながら暮らしている。

しぃちゃんはお兄ちゃん子だったから、結構こたえていた。本当だったらあわせてやりたい
ところだが、あいつ自身がそれを拒否している。元々、喧嘩の理由がしぃちゃんのことを巡
ってのやり取りであり、それを隠しておきたいからというのもあるんだろうが・・・全く、
困ったものだ。そういえば、このバーボンハウスでもバイトしていたらしい。しかし、しぃ
ちゃんがここの常連であることを知ってやめたんだそうだ・・・やれやれ。



45 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 11:00:40 4JIcEmgy

「もしもし。どうした?」
「お~す、ちょっと困った事態になってな。手が借りたい。」
「今すぐか・・・。」
「今すぐだな、お前じゃないと困るんだ。」
「はぁ、しょうがねぇなぁ・・・借り一つだぜ。」
「恩に着る。場所は・・・。」

こんなやり取りがあって、大会に出れなくなっちまった。さて、どうするかな・・・。
しぃちゃんのところに戻って話しかける。

「しぃちゃん、ごめん。急用ができて、これから行かなくちゃいけない。」
「ええ~、そうなんですか?残念です・・・。」
しょんぼりする、しいちゃん。う~ん、罪悪感。ごめん・・・。

「でも、大会はどうするんですか?」
どうしようかなぁ・・・あ、といいところにマスターが。

「マスター!ちょっと、いいですか?」
マスターがこっちに来てくれる。
「実は大会に出るようにエントリーしたんですが、急用ができてしまって、これから
行かなくちゃいけないんです。それで、大会を辞退したいんですが・・・。」



48 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 11:04:08 4JIcEmgy

マスターの顔が曇る。
「う~ん、困るなぁ・・・急用じゃ仕方ないけど。参ったなぁ・・・。」
マスターが困った顔をしている。そうだよなぁ・・・どうするか・・・そうだ!
しぃちゃんを見て、俺は言った。

「じゃ、私の代わりに彼女に出てもらうってのはどうでしょう?」
しぃちゃんがびっくりしたように、こっちを見る。

「ええ~!無理です!だって、私、まだ数えるほどしかやったこと無いのに・・・。」
俺は慌ててフォローする。

「大丈夫だよ、ほら、大会のボードにブーン君って書いてあるだろ。彼も初心者だよ。
それにこのゲーセンは初心者にもやさしいし、いい経験になると思うよ。ね、マスター?」
「あ、ああ、その通りだよ。このゲーセンには初心者を馬鹿にするようなプレイヤーはいな
い。いたら、ぶ ち こ ろ す から大丈夫。初心者でも、きっと、大会でもときめきを
感じられるはずさ。」
「な、だから、大丈夫!俺の顔を立てると思って、お願い!」

しぃちゃんに頭を下げ、手を合わせる。しぃちゃんは困った顔をしていたが、俺のそんな様
子を見て、
「・・・甘味堂のチョコレートパフェ。」
と、しぃちゃんがポソっとつぶやく。

「おごる!おごる!」
さらに、しぃちゃんに頭を下げ、手を合わせる。
「約束ですよ。もう・・・わかりました。」
上目遣いで恨めしそうにしぃちゃんは言ってくれた、いい子だなぁ・・・お兄さんはうれし
いよ。

「う~ん、さすがしぃちゃんだ。大好きだよ、そういうところ。」
「え・・・。」
しぃちゃんが赤くなりながら、ポカンとしている。
「じゃ、俺行くね。しぃちゃん、本当にごめん。マスターよろしく~。」



49 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 11:04:38 4JIcEmgy

 ・・・と、あの日は、まぁ、こんな感じだったわけだ。
「山田さん、聞いてますか?」
「えっ、ええと、うん聞いてるよ、ごめん。甘味堂のチョコパフェおごらせていただきます。」
と深々と頭を下げる。その様子に満足したのか、
「約束ですからね~。」
と、しぃちゃんは笑いながら言ってくれた。よかった、少しは機嫌を直してくれたらし
いな。

「そういえば、大会はどうだった?」
「緊張しましたよ。結局、一回戦負けでした。でも、親切に教えてくれる方々がいて、今ではよく話したり、アドバイスしてもらったりしています。」
「ふ~ん、そうなのか。じゃあ、お礼をいわないとなぁ・・・。」
「ええ、今日もこちらに来ているそうなんで紹介します。」
「うん、そうか。・・・そうだ、こっちも三国志大戦やっているうちの学校のクラスメートが来ているから、紹介するよ。あれ?」



53 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 11:10:05 4JIcEmgy

見ると、ツンさんがこちらに歩いてきている。ツンさんもサテの様子を見に来たんだろう
か?
「山田君、サテ空いてた・・・。」
そこまで言ったところで、隣にいるしぃちゃんに目が行く。紹介しなきゃと思った時、
ツンさんは言った。

「あら?しぃちゃん、こんにちわ。待ってたわよ。」
「あ、ツンさん、こんにちわ。」

親しげな挨拶、二人は顔見知りなのか?

「あれ?二人とも知り合いなの?」
ツンさんとしぃちゃんが顔を見合わせる。
「ええ、そうよ。」
「はい、そうです。さっき言った大会で知り合って仲良くなったと言うのはツンさんと
後、二人の方です。」

「ちょっと待って・・・、山田君としぃちゃんって知り合いなの?」
ツンさんが逆に聞き返す。
「ええ、そうです。幼馴染・・・というか兄弟みたいな関係です。」
「昔、近くに住んでいて、お兄ちゃんと一緒に遊んでくれたんです。」
 ・・・そこまで言ってしぃちゃんの笑顔が曇る。慌てて会話を続ける。
「もしかして、残る二人って・・・。」

そう考えていると、ブーン君、ドクオ君達も来るのが見える。
「あ、しぃちゃん、こんにちわだお!」
「こ、こんにちわ、しぃちゃん。」

ブーン君、ドクオ君はしぃちゃんに挨拶をかける。やっぱり、そういうことね。



55 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 11:10:55 4JIcEmgy

「ブーン君もドクオ君もしぃちゃんと知り合いなのかい?」
俺はブーン君たちに聞いてみる。
「そうだお、しぃちゃんもブーンたちの三国志仲間だお。」
いつもの調子で返してくる。

「山田はしぃちゃんと知り合いなのか?」
ドクオ君は複雑な顔で聞いてくる。
「ああ、しぃちゃんの兄とは幼馴染でね。まぁ、しぃちゃんも幼馴染なんだけど、時々話したりしているんだ。」
「ふ~ん、そうなのか、しぃちゃん?」
ドクオ君がさらに複雑な顔でしぃちゃんにも聞く。どうしたのかな、ドクオ君は・・・なんだか妙な感じだ。

「ええ、そうなんです。今日、偶然、そこで会ったんですけど・・・まさかドクオさんたちと知り合いだとは思いませんでした。」
「山田君としぃちゃんは知り合いだったのかお!びっくりしたお!」
「そうだわ、山田君、サテは空いてた?」

ツンさんが長い髪をかきあげながら、聞いてくる。う~ん、さりげないしぐさも絵になるものだ・・・。
ドクオ君に聞くところによると、彼女の姉のクーさんも非常に美人らしい。それを聞いてから、是非、お目にかかりたいと切に願っている。

「いや、今見てきたけど、空いてなかった。もう少ししたらもう一度、見にいくよ。」
「そう、じゃ、あそこの休憩用テーブルで待ちましょうか。ほら、ブーン行くわよ。」
「痛いお、引っ張らなくてもいくお。」



57 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 11:12:02 4JIcEmgy

ズルズル・・・ブーン君は首根っこ掴まれて、引きずられて行ってしまう。

「ほら、早くきなさいよ!」
ツンさんが振り向いて声をかける。俺はドクオ君、しぃちゃんを見ると、

「俺たちもいこうか?」
と、声をかけ休憩用のテーブルへと行くのだった。



59 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 11:15:51 4JIcEmgy

休憩用テーブルに着いたところで、ツンさんが聞いてくる。
「そういえば、山田君は今も神速デッキを使ってるの?」
「ええ、当然です。でも、この前ブーン君と対戦したときに使った連計が結構、面白かったので、最近は連計神速デッキを使ってますよ。
レシピはSR張遼、R徐晃、UC司馬懿、UC李通、C曹昴かな。」

「神速デッキって、なんですか?」
しぃちゃんが俺に聞いてくる。そういえば、神速使ってることも教えてなかったな・・・。
そういえば、しぃちゃんはなんで三国志大戦をやる気になったんだろう?あんまり、女の子向けでないと思うんだけどなぁ、
まぁ、いいか・・・。

「えっとね、このカード。SR張遼って言うんだけど、このカードをメインとした騎馬のみで構成されたデッキをそう呼ぶんだ。
名前の由来は、SR張遼の計略『神速の大号令』、この計略は範囲内の自軍の騎馬兵の移動速度と武力を上げるんだ。」
しぃちゃんはSR張遼をマジマジと見つめている。

「でも、騎馬の扱いは難しいんだお。しかも、槍相手はすごいつらいお。ブーンはよく迎撃とられるお。」
「たしかに、今の槍が多い時代にはつらいデッキだし、テクニックもいるデッキと言われてるわ。」



62 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 11:16:23 4JIcEmgy

さらにブーン君とツンさんが騎馬について、しぃちゃんに教えてあげている。
槍の対処とか、しぃちゃんのデッキで騎馬を使うなら、これがいいとか・・・。
なんでも、しぃちゃんは呉のカード、UC小喬をメインとした流星招来デッキを使っているらしい。
なるほど、積極的に攻めるのがあわない彼女に相性がいいデッキかもしれない。

ツンさん、ブーン君、ドクオ君と楽しげに話しているしぃちゃんを見て思う。
たしかにいい友達ができて良かったなぁと。
あいつが家を出てから、元気のないことが多かったからな・・・本当に。
しかし、あそこのじぃさんも頑固だからな。よく、二人して悪さして、おこられったっけ。

「ふ~ん、騎馬を使えるのって、すごいんですね、山田さん。」
しぃちゃんがこちらを見て、話しかけてくる。尊敬のまなざしだ・・・
う~ん、お兄さんはうれしいねぇ・・・。

「いや、騎馬を使っていると言っても、まだ8州だし、槍にも時々刺さる。期待されても困る、困る。ははは・・・。」
と謙遜する。まぁ、実際にそうなのだから仕方がない。



67 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 11:21:32 4JIcEmgy

「・・・俺も騎馬単使おうかな。」
隣にいるドクオ君がボソッと言う。
そうか、君も遂に騎馬に目覚めたんだね、お兄さんはうれしいよ・・・
と言いたいところだが、どうも様子がおかしいなぁ・・・後でブーン君たちに聞いてみよう。

「ドクオには無理だお。爺さんでネチネチ攻撃に出るのが似合ってるお。」
「うるせぇ!」
ブーン君とドクオ君が言い合いしている。まぁ、いつものことだ。
しかし、ドクオ君の様子がいつもと違うように感じるなぁ・・・。

「私も騎馬使ってみようかなぁ・・・。」
しぃちゃんも騎馬に興味を持ったみたいだ。
「それなら、この騎馬はどうかしら・・・。」
ツンさんがR孫堅を出してくる。うん、呉では1、2を争う良騎馬カードだ。
流星招来デッキは俺の専門ではないし、ツンさんに任せるとするかな。

さて、そろそろサテも空いた頃じゃないだろうか・・・ちょっと見に行くかな・・・。
「俺、ちょっと、サテを見に行ってくるよ。空いてたらレッツプレイだ!」
「わかったお、ブーンたちはもう少し、ここで待ってるお。」
「ああ、じゃ、行ってくるよ。」

俺はサテに向かって歩き出した。さて、サテは空いているかなぁ・・・
おっと、ちょうど空いたところだ。ゲッツ!!と。
さて、300円入れて、全国を選択っと・・・。

ブルブルブル・・・。



68 名前:山田の長い一日 投稿日:2006/08/23(水) 11:22:51 4JIcEmgy

うん?電話か・・・相手はあいつか、また、なんか面倒ごとでもあったのか?
しょうがない、とりあえず出てみるか。

「もしもし?」
大きな声で電話に出る。

「あー?そっちもゲーセンか?なら、ちょうどいい。俺も今、ゲーセンにいるんだが、同時進軍でマッチしてみないか?」
あっちもゲーセンなせいか、大きな声で言ってくる。しかし、面白いな、同時進軍でマッチか・・・でも。
「おいおい、でも、お前は覇者だろ、俺は、まだ8州だぜ。」
「ああ、それは大丈夫だ。こっちのサブカが、ちょうど8州だ。それでやるから大丈夫だ。」
「初心者狩りは感心しないぞ。」
と言ってやる。

「どっちがだよ。それにこちらがサブカ使ってるのは、ちょいと訳ありでな。」
「そうかい、まぁ、おもしろそうだ。やってやるよ。」
「それから、こっちはいつものデッキじゃないんでな。多分、お前も勝ち目があるぜ。」
「ぬかせ。お前との戦績は51勝50敗10引分だ。俺の方が一勝多い。」
「おいおい、何言ってやがるこっちが51勝でお前よりも一勝多いんだぜ。」
「いや、それは違うだろ。勝ってるのは俺だ。」
「違うね。俺だ・・・。」

押し問答がはじまる。これでは埒が空かないし、なによりもうすぐ進軍が始まる。
「いいだろう、では、今回勝った方が一勝多い。これでいいだろ。」
と、言ってやる。
「仕方が無いな。それじゃあ、やろうぜ。」