423 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 10:25:48 ID:J/awRB/K0
― バーボンハウス ―

もう、春になった。最近新しい大会の噂が色々とあるらしいけど、こことは無縁みたいだ。
ああ、ずっとこうしていたいなとふと思うが仕事があるからそうはいかない。

そんな店長が運営しているバーボンハウスに、新たな二人の客が来た。
自動ドアが開く音が聞こえ、自動ドアから二人の人影が見えてくる。

「やあ、ようこそバーボンハウスへ――これはこれは」

ヽ(`Д´)ノ「相変わらずだな、店長」

(●ω・´)「元気で何よりじゃないか」

孟徳君と妙才さんが来るなんて、珍しい。
もう一人、珍しい客もいるのだけど。

「今日は君達以外にも珍しい客が来ているよ。会ってみるかい?」

ヽ(`Д´)ノ「珍しい客か……会ってみるか」

そういえば、孟徳君達はあの人とは会った事が無いんだった。
丁度良い機会だし、紹介しておこうかな……孟徳君は噂を聞いていると思うけど

『攻略』
―― この程度、蜀の子供でも戦えるぞ ――

張松の声が聞こえてくる。相変わらず調子が良さそうだね。

426 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 10:29:15 ID:J/awRB/K0
(メ▼▼)「ん? 店長と……誰だ?」

ヽ(`Д´)ノ「孟徳だ。こいつは妙才だ、よろしく」

(●ω・´)「まだまだ初心者だが、よろしく」

ウホッ、いつ見てもいい男……おっと、僕のイメージが崩れてしまう

(メ▼▼)「そうか、俺はグラサンだ。こちらこそよろしくな」
ヽ(`Д´)ノ(グラサン? 前に聞いたような気がするが……)

グラサンも礼儀を通したが、名前を聞いた時に孟徳が眉間に皺を寄せて何かを考えているような表情になった。

(●ω・´)「失礼だが……あなたも俺と同じ2から始めた初心者か?」

(メ▼▼)「……いや、一応店長と同じ頃からやっているよ。まだ4州だがな」

「グラサン君はネタの猛虎と呼ばれていて、僕も店内で勝った事が無いぐらいの実力者だよ」

僕がそう言った瞬間に、孟徳君が「そうだ」と何かを思い出したのかように語り始める。
その時、孟徳君の目が輝いていたような気がした。

ヽ(`Д´)ノ「ネタの猛虎……思い出したぞ、確か普通の人からネタといわれているデッキ、そして張松の使い手で
      様々なランカーを泣かせ、頂上対決でも魅せてくれた実力者だ。
      さらに、純金STOが優勝した全国大会の予選でも優勝するが、何故かこれを辞退した。
      そして、それからは君主ランキングから姿を暗まして人々は勿体無い、と嘆いたそうだ。噂では引退したと聞いたが」

良くグラサン君の過去を覚えていたね……もう半年以上前ぐらいになるのに。
でも、グラサン君は過去を気にしない――いや、思い出したくないみたいだね

427 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 10:35:53 ID:J/awRB/K0
(メ▼▼)「昔の事だ」

首をゆっくりと振りながらそう言った。
短い言葉だったが、その身振りにはどこか重みがあった。

ヽ(`Д´)ノ「そうか、俺も深くまで聞きはせん。ところで、どんなデッキを使っているんだ?」

その重みを感じたのか、話題を変える。
それを聞いたグラサンさんは三国志大戦の筐体の上にあるデッキを見せた。

R馬超(剛槍) UC木鹿大王 UC盧植 C金環三結 C張松

(メ▼▼)「結構使いやすいぞ」

ヽ(`Д´)ノ「これは……コンセプトとしてはかなり完成されているな。外す所が木鹿大王以外には余り見つからない」

(●ω・´)「そうなのか? 馬超と木鹿大王以外の武力が低いし、全体強化もいないから大変じゃないのか?」

コンセプトとしては中々良い線行っているね。
相手からしたら予想出来ないだろうけど。

ヽ(`Д´)ノ「そうだな、いい機会だから全体強化が無い二色デッキについていくつか語る事にしよう」

― 孟徳のデッキ講座・外伝 全体強化無し二色デッキ編 ―

ヽ(`Д´)ノ「前にも言ったが、もう一度単色と二色についてを復習するぞ」

1:最大士気が9になる
2:勢力限定の英傑号令、および勢力限定の計略が使いにくくなる
3:その勢力に無い強力な槍兵、弓兵、騎兵などを入られる ect


429 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 10:51:14 ID:J/awRB/K0
ヽ(`Д´)ノ「最大士気が9になる、という最大のネックがあるがその勢力に無い強力な槍兵などを入られるのは大きい」

ヽ(`Д´)ノ「例を挙げると、グラサンのデッキには他しか無い象兵が入っているだろう?」

孟徳君は話しつつ木鹿大王と金環三結に指を指した。
普通からみるとスペックは悪いけど、象兵という兵種では相性がピッタリなんだよね。

(●ω・´)「ああ、張飛と金環三結だな」

ヽ(`Д´)ノ「うむ、木鹿大王は数少ない2コストの象兵の中で武力8勇猛を誇り、守りでは硬い」

ヽ(`Д´)ノ「それに、金環三結は1コストで武力3復活持ち。さらに端攻城しやすい象兵にとっては1コストは大きい」

(なつかしいね、僕も兄さんにこのように色々と教えられたんだっけ)

孟徳が、妙才に象兵の特徴や強みに教えている姿を見ている店長は
昔、シャキンに教えられていた頃を思い出したのかふっと優しい微笑みをした。

(●ω・´)「ふむふむ……つまり、他しか無い象兵が入れる事が出来て守りも硬くなる」

(●ω・´)「これで、蜀には無い強みを入られる――という訳か。二色はいいな」

妙才さんは孟徳君が言った事を理解したのか、頷いた。
流石に理解が早い。仕事もそれを生かして活躍しているだろうね。

ヽ(`Д´)ノ「さらに、これも他しかない知力を上げる師の教えを使える盧植がいる」

ヽ(`Д´)ノ「これにより、ダメージ計略や妨害計略が相手でも安心な上に教え剛槍のコンボもある」

(メ▼▼)「まあ、教え剛槍ではなく象誘導として使っているがな」

432 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:03:18 ID:J/awRB/K0
孟徳君が盧植の話をしている時に、デッキを使っていたグラサン君が付け加える。
やっぱり張松使いという事はずっと変わらなさそうだね。

(●ω・´)「つまり、剛槍は戦況によって使ったり使わなかったりなんだな?」

(メ▼▼)「ああ、ほとんどは誘導からのカウンターが多い。
     だが、英傑号令で浄化入りや誘導をしてもうまみが無い時は剛槍をして凌ぐ」

場に慣れてきたのか、グラサン君も会話に参加する。


――開戦――

その時、グラサンが座っている筐体から開戦の音が鳴り響く。

それを聞きつけた二人は、話しかけては拙いと考えたがグラサンの一言を聞いて耳を疑った。

(メ▼▼)「ああ、気にしないでくれ。そのまま話し続けても構わない」

ヽ(`Д´)ノ「……分かった。負けても責任は持たんぞ」

とりあえず、という風にグラサン君に言いながら妙才さんに再び語り始める。

ヽ(`Д´)ノ「しかし、二色には全体強化を入れ難い。最大士気が9しか無い上に
       相手が一色だったら最大士気の差でぶつかり合うとこっちは全体強化+士気3計略しか出来ない。
       逆に相手は士気12を存分に使える。二色での号令と英傑号令はどうしても英傑号令の方が使いやすく、武力上昇値も勝るからな」

(●ω・´)「そうなのか……」

ヽ(`Д´)ノ「しかし、それは全体強化同士でぶつかり合った時の話だ。
       無理に全体強化で抵抗しなくても、軽い士気の計略で足並みを揃えさせないようにすれば良い」

433 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:05:55 ID:J/awRB/K0
― ほっほぅ~おねむの時間じゃてぇ~ ―

迎撃! 迎撃!

後は任せたぞ、息子達よ
化け物か

孟徳の言葉に対応するのかように、三国志大戦の筐体から音が聞こえて来る。
……やっぱり、4州ではグラサン君は余裕かな。

(●ω・´)「あのように、か?」

ヽ(`Д´)ノ「そうだな。あれは流石に主力を纏め過ぎだが……二色では挑発系等がかなり役に立つぞ。
       他にも足並みを揃えさせてしまった時の強力な士気4~6の超絶強化や妨害がいると心強いな」

(メ▼▼)「だが、それらの計略が無い二色デッキもあるぞ。復活持ちばかり入れて、常に攻め続けてずっとこっちのパータンに持ち込むという戦術だがな」

話し続けながら相手の部隊を倒していくグラサン君。
まあ、グラサン君と4州の実力差なら……ね。

「そうそう、昔からある武力を高めにしたり、魅力ばかりで開幕計略を使ったりして開幕で勝負する開幕デッキもあるよ」

ヽ(`Д´)ノ「うむ、2になってコスト比が非常に優秀な武将ばかり追加されたから開幕デッキも中々良いな」

はかいせよ

木鹿大王が攻城をする音が聞こえてくる。
グラサン君は画面に集中しながらも、話を良く聞いているようだった。

ヽ(`Д´)ノ「少し纏めるとしよう。まず、二色では軽い計略が必須となるだろう。
       また、勝利パータンも明確にしておく事だな。挑発系ならば相手の主力を挑発し続けて撃破するとか、な。
       二色だからこそ出来るコンボもある。教え剛槍などがあるな」

434 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:20:28 ID:J/awRB/K0
ヽ(`Д´)ノ「そして、それぞれの勢力には無い優秀な武将を入れる事が出来るという事も価値がある。
       蜀には優秀な槍と武力が高い魅力持ちがいるので、槍が少ない魏と涼とは合うだろう
       魏には優秀な騎馬と豊富な妨害持ちがいる。しかし、槍は余り良くないから袁や蜀と組むと良いだろうな
       呉には優秀な槍と弓、超絶強化もあるな。だが、余りにも騎兵が少ない。それに、自爆計略も多いから軽い士気で何とかしてくれる計略も少ないのが欠点だ
       だから、何とかしてくれる計略が多い上に騎兵も多い涼と組ませるのが良いだろう
       他は1コストが非常に優秀だし、なんといっても象兵だろう。どんな勢力でも合うだろうが、槍兵が二体しかないので魏や涼と組ませるのは難しいだろうな
       涼にはかなり優秀な騎馬と計略持ちが多い。しかし、槍兵がいないので優秀な槍がいる蜀や柵が多くて守りに硬い呉と組ませると良いだろう
       最後に袁は計略がかなり強い上に、それぞれのスペックもかなり良い。どんな勢力でも合うだろう」

長文お疲れ様。今日は特別サビースだ、孟徳君が大好きな温州蜜柑でもあげようか。

「うん、お疲れ様。サビースとしてこの温州蜜柑wヽ(`Д´)ノ「おお、有り難く頂くぞ」

……ショボーン

(●ω・´)「なるほど、勢力には合う勢力もあるんだな……」

(メ▼▼)「しかし、それは兵種バランスを考えて言ったものだろう。バランスを考えなければ、どんな勢力とでも組ませても大丈夫だ――扱える事が出来れば、な」

― 蹴散らせっ ―

しまったか

その時、張松の無念な声が聞こえてくる。
何事かと皆グラサンが座っている三国志大戦の筐体の画面を見た。

(メ▼▼)「このように、メイン計略持ちが撤退して危ない時はサブ計略の出番だ」

そう言うと、赤いボタンを押す。

436 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:28:25 ID:J/awRB/K0
『超絶強化』

― どぉりゃあぁぁ ―


「獅子の剛槍」

(●ω・´)「ん? 武力+10の号令が相手なんだ。教えはしないのか?」

(メ▼▼)「いや、このぐらいなら大丈夫だろう。教え剛槍は確かに強力だが、それだけ士気を使ってしまう」

そう答えながら、グラサン君は腕を機械的に動かして槍撃をジュバジュバと常に出している。

『撃破』「孫堅」
後は任せたぞ、息子達よ

(●ω・´;)「なんて破壊力だ……しかも、象で弾いているから乱戦されていないな」

相手の孫堅を撃破する。そして――
※これからは音声のみで(ry

ガタが来たか
化け物か
ありえない!
オノレェ
いやはや、参りましたなぁ
くっ、この名刀が仇となった

兵法レベル6! がおーん(再起の法)

437 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:32:16 ID:J/awRB/K0
― どぉりゃあぁぁ ―

兵法マスタァァァァー! プラス外伝!(連環の法 速軍 再建)

ありえない!
いやはや(ry

『攻略』
―― 勝つに決まっている。俺の剣ならな……! ――
(●ω・´;)「…………」

ヽ(`Д´;)ノ「…………」

みんながグラサン君の凄まじい槍撃に驚いていた。
そういえば、どうやって槍撃をマスターしたんだろう?

(メ▼▼)「……まあ、二色デッキを組む時は単色デッキと似た組み方をすればいい。
     メインに据える計略持ちを入れて、後はその計略が使えない時の為にサブとなる計略持ちを入れてやればいい」

この沈黙に耐え切れなかったのか、沈黙を破った。だが、と少し付け加えて

(メ▼▼)「士気が重い計略をメインに据えるのは良いが、サブとなる計略に据えるのはやめといたほうがいい。
     白兵スキルに自信があるのならばそれでいいが、な」

(●ω・´)「親切にありがとう――!?」

妙才さんが声にならない驚きを顔に出した。その視線に先には――

総合戦績 850勝 150敗 勝率85.0%

ヽ(`Д´;)ノ「ん……なっ!?」

438 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:36:15 ID:J/awRB/K0
(メ▼▼)「ん? ……ああ、これの事か。昔はかなりやっていたからな。丁度通算で1000戦になったようだ。
     しかし、丁度85%になったな……そろそろ失礼するぞ。またな」

そう言うと、カードを片付けてぼろぼろのカードケースに入れた。
そして、自動ドアから出て行った。

(●ω・´;)「……あんな戦績なのに、どうして四州なんだ?」

ヽ(`Д´)ノ「あれがネタの猛虎と呼ばれる所以だ。ネタと言われているデッキ、強かったが癖があるから使われなかったデッキ……それらであの戦績をたたき出した。
       ……っと、こんな事を聞いているんじゃないな。あれは1の時の戦績を引継いだものだろう。俺や店長の戦績も同様だ、そうだろう? 天頂」

天頂、という言葉を強調しつつ孟徳君は僕に話しかけてきた。

「ま、まあ、そうだね。僕はグラサン君ほど強くは無いけど――」

ヽ(`Д´)ノ「謙虚だな、と言いたい所だが……今まで勝った事が無いというのは本当なのか?」

(●ω・´)「そういえば、紹介してくれた時にそれらしい事を言っていたな」

うーん……話すべきなのかな?

438-443

1「そうだね……少し話そうか」
2「ごめんね、この話は出来ないよ」

439 名前:ゲームセンター名無し[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:37:29 ID:UEFz0OY+O
支援

1がいいかなぁ

440 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:37:39 ID:J/awRB/K0
間違えてしまったorz
すみませんが>>440-445で……

441 名前:ゲームセンター名無し[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:37:49 ID:FIb+UINlO
1

442 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:38:57 ID:J/awRB/K0
何というgdgd……もう仕方ないので、1と2があるレスを5レス来たら決めるという事で

443 名前:ゲームセンター名無し[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:41:37 ID:R+3VVb/TO
1で

444 名前:孟徳のデッキ講座・外伝[sage] 投稿日:2007/06/23(土) 11:47:53 ID:J/awRB/K0
主人公:店長(天頂)
時:休日の昼
場所:バーボンハウスの三国志大戦コーナー
備考:「そうだね……少し話そうか」


――続――

Link:店長外伝『天頂の昔話』に続きます

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最終更新:2007年07月07日 23:15