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**GAUDIA
造形と映像の魔術師・シュヴァンクマイエル展;幻想の古都プラハから
神奈川県立近代美術館 葉山
(11月6日まで。12日から新潟市新津美術館)
屑屋先生ご推薦の「シュヴァンクマイエル展」に行ってきましたよ。葉山は以前から友だちと合宿をしたりしていたところなので,久しぶりに訪れた葉山の穏やかな風景は懐かしさを呼び起こしました。この日はお天気にも恵まれて,雲ひとつない青空を鳶が旋回しており,海の向こうには富士山もくっきり見えました。申し分ない休日の遠足です。
#ref(DSC00997.JPG)
さて今は,東欧のアニメーション・ブームとのこと(あまり知りませんが)。今回,神奈川県立近代美術館(葉山館)で開催されているのは,現代チェコを代表する映像作家のヤン・シュヴァンクマイエルと妻であるエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの絵画・オブジェ・スケッチ・コラージュ・映画の展覧会。土日には映画祭も行われています。
こういうのには初めて触れましたが,その茶目っ気あふれるグロテスクと不気味さには,えもいわれぬ感興を覚えました。いろいろ考えたいことはありますが,不勉強ゆえ,思ったことをちょこちょこと独断的に書いていきます。僕の感想は戯言として聞いてもらうことにして,シュヴァンクマイエルの真の魅力に触れるには,ここは屑屋先生にご登場願うことにしましょう(よろしく)。
----
展示は以下の6部に分かれている。
-第Ⅰ章 博物誌
まず出迎えてくれるのは,映画「博物誌(組曲)」(1967)のスクリーン。この映画は,神聖ローマ帝国の皇帝ルドルフⅡ世(1552-1612)に捧げられている。ルドルフⅡ世といえば,数多くの天文学者/占星術師(その中にはティコやケプラーがいる),人文主義者,芸術家の庇護者(パトロン)として知られており,ルドルフの宮廷があったプラハ(すなわちシュヴァンクマイエルの故郷である)は,16世紀後半の自然研究・マニエリスム美術の一大拠点であった。この展示室は,世界中の美術品や珍奇な品々を熱心にコレクションしたルドルフの蒐集室を茶目っ気たっぷりにパロディーしながら再現してみせたものと言えるかもしれない。
(まだ途中)
-第Ⅱ章 形成
-第Ⅲ章 触覚主義
視覚ではなく,触覚(あるいは共感覚)の可能性を模索する実験的作品が並ぶ。古代より優越したものと考えられてきた視覚ではなく,最も基礎的で時には卑しい感覚とされてきた触覚の可能性を探るというのが面白い。それは感覚の既存の在り様(視覚から触覚へ至る五感のヒエラルキー)に囚われないということである。
人間(霊長類)は視覚が発達した分,嗅覚が衰えたという話をどこかで聞いた。色を表わす語彙は多いのに,匂いを表わす語彙が少ないのもそのせいだろう。それに対し発達した嗅覚を備えた動物たちがもしも言語をもつならば,匂いを表わす語彙は非常に豊かなのだろうという。
失われた感覚を再び豊かにするということ・・・。
しかし触覚主義の作品が触れないってどういうことなのか。「お願い,触って」という名前の作品の横に「さわらないで下さい」と書いてあるのには考え込んでしまう。いったいこれは・・・。何か深い含意でもあるのか・・・。
-第Ⅳ章 夢/物語/エロチシズム
映画「快楽共犯者」で使われたという「自慰マシーン」が一際目を引く。なんて下らない!絶句・・・。
そのマシーンの前に小学生が立ってまじまじと見ていた。いいのかな・・・。
-第Ⅴ章 ドローイング/アニメーション
-第Ⅵ章 人形/映画
展示も良かったけど,やっぱり映画が面白かったな・・・。
なんと,これを書きながら知ったけど,エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさんがつい先日10月20日に亡くなられたという。ご冥福をお祈りします。
#ref(DSC01008.JPG)
●ブックガイド,リンク
-『GAUDIA』(求龍堂)
本展覧会の図録。一般書店でも入手可能。
-シュヴァンクマイエル『シュヴァンクマイエルの世界』(国書刊行会)
-シュヴァンクマイエル『シュヴァンクマイエルの博物館』(国書刊行会)
-ヤン・シュヴァンクマイエル,エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー『オテサーネク』(水声社)
-[[神奈川県立近代美術館>http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/]]
#ref(DSC00996.JPG)
-[[原研二の「ミュージアム探訪」(第五回)>http://www.geocities.co.jp/hyosho2005/hr/muse00.html]]
どことなく屑屋先生と似ている(ように思える)原先生の感想
-[[赤塚若樹のウェブサイト>http://www.asahi-net.or.jp/~tt2w-aktk/]]
[[menocchioの部屋>http://www4.atwiki.jp/ikaikai/pages/43.html]]に戻る
**GAUDIA
造形と映像の魔術師・シュヴァンクマイエル展;幻想の古都プラハから
神奈川県立近代美術館 葉山
(11月6日まで。12日から新潟市新津美術館)
屑屋先生ご推薦の「シュヴァンクマイエル展」に行ってきましたよ。葉山は以前から友だちと合宿をしたりしていたところなので,久しぶりに訪れた葉山の穏やかな風景は懐かしさを呼び起こしました。この日はお天気にも恵まれて,雲ひとつない青空を鳶が旋回しており,海の向こうには富士山もくっきり見えました。申し分ない休日の遠足です。
#ref(DSC00997.JPG)
さて今は,東欧のアニメーション・ブームとのこと(あまり知りませんが)。今回,神奈川県立近代美術館(葉山館)で開催されているのは,現代チェコを代表する映像作家のヤン・シュヴァンクマイエルと妻であるエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの絵画・オブジェ・スケッチ・コラージュ・映画の展覧会。土日には映画祭も行われています。
こういうのには初めて触れましたが,その茶目っ気あふれるグロテスクと不気味さには,えもいわれぬ感興を覚えました。いろいろ考えたいことはありますが,不勉強ゆえ,思ったことをちょこちょこと独断的に書いていきます。僕の感想は戯言として聞いてもらうことにして,シュヴァンクマイエルの真の魅力に触れるには,ここは屑屋先生にご登場願うことにしましょう(よろしく)。
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展示は以下の6部に分かれている。
-第Ⅰ章 博物誌
まず出迎えてくれるのは,映画「博物誌(組曲)」(1967)のスクリーン。この映画は,神聖ローマ帝国の皇帝ルドルフⅡ世(1552-1612)に捧げられている。ルドルフⅡ世といえば,数多くの天文学者/占星術師(その中にはティコやケプラーがいる),人文主義者,芸術家の庇護者(パトロン)として知られており,ルドルフの宮廷があったプラハ(すなわちシュヴァンクマイエルの故郷である)は,16世紀後半の自然研究・マニエリスム美術の一大拠点であった。この展示室は,世界中の美術品や珍奇な品々を熱心にコレクションしたルドルフの蒐集室を茶目っ気たっぷりにパロディーしながら再現してみせたものと言えるかもしれない。
(まだ途中)
-第Ⅱ章 形成
-第Ⅲ章 触覚主義
視覚ではなく,触覚(あるいは共感覚)の可能性を模索する実験的作品が並ぶ。古代より優越したものと考えられてきた視覚ではなく,最も基礎的で時には卑しい感覚とされてきた触覚の可能性を探るというのが面白い。それは感覚の既存の在り様(視覚から触覚へ至る五感のヒエラルキー)に囚われないということである。
人間(霊長類)は視覚が発達した分,嗅覚が衰えたという話をどこかで聞いた。色を表わす語彙は多いのに,匂いを表わす語彙が少ないのもそのせいだろう。それに対し発達した嗅覚を備えた動物たちがもしも言語をもつならば,匂いを表わす語彙は非常に豊かなのだろうという。
失われた感覚を再び豊かにするということ・・・。
しかし触覚主義の作品が触れないってどういうことなのか。「お願い,触って」という名前の作品の横に「さわらないで下さい」と書いてあるのには考え込んでしまう。いったいこれは・・・。何か深い含意でもあるのか・・・。
-第Ⅳ章 夢/物語/エロチシズム
映画「快楽共犯者」で使われたという「自慰マシーン」が一際目を引く。なんて下らない!絶句・・・。
そのマシーンの前に小学生が立ってまじまじと見ていた。いいのかな・・・。
-第Ⅴ章 ドローイング/アニメーション
-第Ⅵ章 人形/映画
展示も良かったけど,やっぱり映画が面白かったな・・・。
なんと,これを書きながら知ったけど,エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさんがつい先日10月20日に亡くなられたという。ご冥福をお祈りします。
#ref(DSC01008.JPG)
●ブックガイド,リンク
-『GAUDIA』(求龍堂)
本展覧会の図録。一般書店でも入手可能。
-シュヴァンクマイエル『シュヴァンクマイエルの世界』(国書刊行会)
-シュヴァンクマイエル『シュヴァンクマイエルの博物館』(国書刊行会)
-ヤン・シュヴァンクマイエル,エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー『オテサーネク』(水声社)
-[[神奈川県立近代美術館>http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/]]
#ref(DSC00996.JPG)
-[[原研二の「ミュージアム探訪」(第五回)>http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/hyosho/hr/muse05.html]]
どことなく屑屋先生と似ている(ように思える)原先生の感想
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