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ライティングとマテリアルの基礎知識

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ライティングとマテリアルの基礎知識

マテリアルとは簡単に言うと多角形のオブジェクトの材質のことであり、その材質に対して照明(ライト)を当て、その際のオブジェクト表面の陰影を計算し、求めるプロセスのことをライティング(lighting)またはシェーディング(shading)といいます。

  • マテリアル(材質)とライト(照明)の関係
普段、自分たちが物体を見ることができるのは光が物体の表面を反射し、その反射光が目に入るからです。そして、赤い物質が赤く見えるのはその材質(マテリアル)が光に含まれる三原色、赤、緑、青(RGB)のうち、赤だけを強く反射する物質だからです。3DCGの世界でもこの法則を採用しており、マテリアルとライトでそれぞれ何色を強く反射するのか何色の光を強く出すのかを設定し、計算をしています。

  • マテリアル色の種類
Diffuse(拡散光)
一般に物体表面には目に見えないほど小さな傷や凹凸があり、物体表面に当った光は四方八方に反射します。例えば、レーザーポインタによって、ある一方向から物体表面に当てた光がどの方向からでも見えるのは入射された光が拡散しているからです。周りにある物体がどの方向からでも同じ色に見えるのはこのためなので、マテリアル設定では単に物体の色と考えていいです。
Ambient(環境光)
光源が直接届かない陰の部分がボンヤリ明るいのは床や壁などに反射した光が陰の部分を照らすからであり、これを環境光といいます。部屋の中で蛍光灯の光が直接当たらないベットの下や物陰が真っ暗でないのはこのためです。
Specular(鏡面光)
表面を磨いた金属やプラスチックのように表面がツルツルした材質の設定を行います。入射した光は拡散しないで、入射角と等しい反射角に強く反射し、ハイライト(照かり)を生成します。
Emissive(放射光または自己照明)
オブジェクト自らが発光する材質の設定を行います。放射光成分は、全方向に一様に光を放射するのでシェーディング効果(陰付け)は得られない。発光するといっても他のオブジェクトを照らすことができるわけではない。

  • 光源の種類
光源には、ある一点から全方向に光を放つ点光源(Point Light)と一方向に光を放つスポットライト(Spot Light)、オブジェクト全体に対して、平行に光を放つ平行光源(Directional Light)の3種類があります。一般に点光源とスポットライトは人工的な光を表現するのに用いられ、平行光源は太陽の光を表現するのに用いられます。


  • 陰と影の違い
日本語にもあるように、カゲにはの2種類があります。物体の凹凸や光が当たっている部分の裏側などで光が当たらない部分にできるカゲを陰と言います。そして、物体が光を遮蔽することによってできるカゲを影と言います。実はリアルタイム3Dグラフィックス(ゲームなど)においてもこの概念はとても重要なのです。陰は通常のレンダリングによって出せるカゲであり、光源ベクトル(光の向き)と法線ベクトル(面の向き)の計算によって求められます。しかし、物体が光を遮蔽することによってできる影は全く計算方法が違い、影付けはゲーム開発の発展とともに進化してきた。
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