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Fighting the three Cs: Cults, Comics, and Communists The Critic of Popular Culture as Origin of Contemporary Anti-Cultism(Massimo Introvigne、http://www.cesnur.org/2003/vil2003_introvigne.htm

 コミックスコード関連の資料を漁っていてのメモ。
 あまりにおもしろいタイトルにひかれて読んだのだが、意外なことに真面目な論文だった。新興宗教を対象とした宗教学系研究団体のコンフェレンスでの発表。多少節々に怪しげというか「これ偏向してねえか?」と感じる部分もないではないが、基本的にはまじめで参考になる研究で、別にトンデモなものではない(そういう意味では期待外れだった訳だ)。
 欧米各国でのアンチコミックスキャンペーンをメインの素材に、現代のポップカルチャー研究の起源をフランクフルト学派による宗教研究に求めた論文で、全体主義や共産主義への批判としての「洗脳」理論が初期のポップカルチャー研究(特にバッシングとしてのそれ)に援用されていることを説いている。正直フランクフルト学派周辺の情報やトピックとしての「洗脳」関連について調べてみないとその説得力のほどはわからないが、おもしろい着眼点だとは思う。完全にエイミー・ナイバーグの『Seal of Approval: The History of the Comics Code』を踏まえた上でなされている研究で、その点も興味深かった。
 特に結論部分の説明装置としての「洗脳」理論の強力さへの批判は、コミックスに限らない一般的な問題としていろいろ考えさせられるものがある。以下該当箇所を訳出する。
 日常的に私たちはレトリックとしての「洗脳」がいまだに死んでいないことを思い知らされている。それは私たちが強烈に嫌悪しながらどうにも説明しようのないすべての人々、サダム・フセインのフェダイーンからハマスの自爆テロ、ユタ州のエリザベス・スマート拉致事件の犯人達に至るまで、その行動の便利な説明になってくれる。フランクフルト学派のポップカルチャー批判はまた作品の俗悪さを洗脳と看做すことの根拠にもなっている。確立されたエリートカルチャーはポップカルチャーを排除し、ホラーコミックスの作品や宗教的熱狂の産物を俗悪だと決めつけ、その成功は洗脳の結果に違いないと結論づける。「洗脳」理論は反ポップカルチャー運動の基盤となったものであり、だからこそこれまで、そしてたぶんこれからもその活動に対する理由づけから排除することができない。科学的な理論より経験的で無根拠な思い込みのほうが一般に受け入れられやすい。「洗脳」理論は文化的神話であり、強力な社会勢力が前衛的な文化的スタイルを主流文化の外側に置き続け、それらをよくて自分達に無関係なもの、最悪の場合は単なる狂気として自由に排除するための修辞的な装置である。




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