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気楽に殺ろうよ


藤子不二雄は侮れない。二人いるが、ドラえもんを書いている「F」の方。(もう一人、「A」の方は並)

「ドラえもん」など子供向け作家のイメージが強い藤子・F・不二雄だが、SF短編は主に少年向けに描かれたものだ。傑作揃いで大人が読んでも十分に面白いのだが、ここでは「気軽に殺ろうよ」を紹介しよう。

ある日主人公が目を覚ますと、どことなく世界がおかしい。食事は隠れてこそこそと、そして性に関してはまるで食事の様に普通のことになっている。で、それをおかしいと思うが逆に変人扱いされ、医者に行く。

「食欲、性欲…ともに最も根源的な欲望ですな。どちらが欠けても地球人は滅亡する。」
「このふたつのうち、どっちが恥ずかしがらねばならんとなれば、はたしてどちらですかな。」
「食欲とはなにか!?個体を維持するべきものである!個人的、閉鎖的、独善的欲望といえますな。」
「性欲とは!?種族の存続を目的をする欲望である!公共的、社会的、発展的性格を有しているわけです。」

とこんな感じ。そして「気軽に殺ろうよ」のタイトル通り、殺人も公認されている。

「さて、ここでまた地球人の視点にたってみましょうか。この社会をひとつの巨大な生物にたとえよう。」
「生体にとってですな、それを構成する細胞の間にですな、たがいに殺し合いになるほどのトラブルをかかえこむということは、望ましいことでしょうかな!?」
……

続きもあるが、説明はこの辺で止めておく。僕はこの作品を読んで「藤子不二雄は侮れない」と思って、他の作品もほとんど読んでしまった。個人的にはSF短編なら「ミノタウロスの皿」と「宇宙船製造法」は外せないな。
藤子・F・不二雄のSF短編集なら、今ならコンビニの紙質の悪い安い本のやつが古本屋で安く手に入るはずだ。(まだ…多分あるはず)