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&html(<a href="http://smallboxman.blog3.fc2.com/blog-entry-30.html" target="Small Box">『The Slings & Allows COMICS GUIDE』</a>)巻頭に収録された用語集。米英のコミックス業界、コミックスファンによく使われる用語の簡単な解説。
*用語と歴史に関する簡単な説明(Some Definition & Some History)
:アトラスコミックス(Atlas Comics)|1950年代のアトラスコミックスはのちにマーヴルコミックスになったコミックス出版社。1975年のアトラスコミックスはこれとは別な会社だが、ややこしいことに創業者は1950年代のアトラスと同じマーティン・グッドマン(Martin Goodman)である。
:バッドガール・アート(Bad Girl Art)|1990年代のグットガールアート(同項目参照)の代替物。過剰に洋服をケチった衣装でひたすら大暴れする女性像を指す。
:カラーリスト(Colourist)|アメリカで「カラーリスト」として知られる職業は、伝統的にインキングされたページコピーにカラーリングする仕事を指す。しかし今日ではそれ以上にコンピューターを使用してカラー画像イメージを生成するケースが増えつつある。
:[[コミックス・コード(Comics Code)>http://www4.atwiki.jp/longboxman/pages/6.html]]|児童の健全育成のために布告した自主規制メソッド、1954年の国会からの業界への公開質問を期に導入された。目に見える形での影響は、内容的に厳格なガイドラインに従うことを両親に保証した認可証をカバーにプリンる。トするようになったことである。一時コードの表示はコミックスが流通されるための不可欠な条件であったが、今日では徐々に無関係になりつつあり、現在も認可証をプリントし続けているのはアーチーとDC(ともにオリジナルの約8割ほどのサイズだが)のみである。
:コンティニュティー(Continuity)|現在進行型のプロット要素がTVのソープオペラのように号から号へ継続して語られていくこと。コミック界には1960年代に導入され、現在ではスーパーヒーローもののストーリーは一冊で完結していることはほとんどない。
:カバーデイト(Cover Date)|コミックカバーにプリントされた月号表示。ニューススタンドの棚での陳列のため出版月を保証するもの。出版月そのものを表示していることは少なく、3ヵ月以上先の表示である。最近は出版日が本の奥付にしか表示されていない場合も多い。
:クライシス・オブ・インフィニット・アース(Crisis of Infinite Earths)|このリミテッドシリーズはDCコミックスのスーパーヒーローのコンティニュティーに決定的な影響を与えている。1950年代にDCコミックスが自社のスーパーヒーローのアップデートを図った際に1940年代の同名のヒーローたちはこの新しい自分達のカウンターパートと出会うことになった。この邂逅が起こった際により現代的なヒーローたちの住む地球に対し1940年代のヒーロー達の住む地球は「アース2」と名づけられることになった。そして時が過ぎるに従い、さらに他の平行世界の地球が追加されていき、これらはすべて「アース1」とは異なった時間の流れを持っているとされた。1980年代のDCのエディターたちはこの平行世界の洪水(とこんがらがった未来)を複雑すぎると考え、「クライシス」後のDCではすべてのヒーローが同一の地球に住み、確立された単一の時間軸を生きることになった。
:クロスオーバー(Crossover)|ストーリーがひとつのタイトルから別なタイトルへと続いていくこと。最近ではバットマン系月刊誌4冊やスーパーマン系月刊誌4冊は同タイトルの週刊誌のような編集がなされている。1980年代以降のDCタイトル群は年一回、そのすべてのキャラクターが一同に会するイベント(クライシス・オン・インフィニット・アース、ファイナル・ナイト、レジェンド、ゼロ・アワーなどがそれに当たる、もっともまだまだあるが)、さらに近年では各タイトルの年次別冊のテーマを関連させて出版しているケースがある。
:エディター(Editor)|一般的には出版社に雇用され、フリーランスのクリエイターとの共同作業をおこなう職業のこと。1970年代まではエディターがコミックのプロットづくりまで積極的に関わるのが一般的だった。これは当時、特にメジャーなキャラクターの動向は出版社の作品世界全体に影響を与えかねなかったからだ。彼らは作家たちに助言を与え、締切を課す。さらに大出版社の場合は定められた禁止事項を書かれた物語が践みはずしていないかをチェックする役回りも担う。
:ゴールデンエイジ(The Golden Age)|1940年代のスーパーヒーローコミックスに対する呼称、1950年代にコミックファンがバラ色のガラスを通してノスタルジックに振り返った言葉だが、大部分の実物はお粗末な製作環境でつくられたもので、中味も推して知るべしである。
:グッドガール・アート(Good Girl Art)|おもに1940~50年代に流行した女性の体の線を過剰に強調し、刺激的なポーズをとらせたアートスタイル。
:グラフィックノベル(Graphic Novel)|基本的に大版のコミック。通常48ページ以上で、一冊で完結したストーリーを持つ。たとえばAsterixやTintinなどがそれに当たる。しかし、しばしば以前コミックブックや雑誌などで連載発表されたものをコレクションしたものもこう呼ばれる。
:インカー(Inker)|他のアーティストによって鉛筆で下書きされたページにペン入れのみをおこなうアーティスト。これは単なるトレース以上のものであり、インカーはそれぞれ独特のアートスタイルを持っており、しばしば下絵の欠点を埋める役割を持つ。
:レイアウト(Layouts)|アーティスト同士の共同作業において、あるアーティストがストーリーからラフなスケッチを起こし、別なアーティストにペンシルを仕上げさせる場合ラフを担当したアーティストをこう表記する。この場合実際に細部まで仕上げるのを直接インカーがおこなっている場合もしばしばある。
:レタラー(Letterer)|吹き出しなどのテキストを手書きする役割の人物。しかし、大出版社のコミックスのタイトルのほとんどはコミック用に独自にデザインされたコンピューターフォントを使用している。
:リミテッドシリーズ(Limited Series)|それ自体で完結したストーリーを6号前後の長さで独立したタイトルとして刊行する出版形態。
:ロゴ(Logo)|装飾されたタイトルのレタリング。
:マンガ(Manga)|日本語でコミックに当たる名詞、しかし日本国外で広範に日本のコミック出版物全般を指す言葉として使われる。
:マイクロシリーズ(Micro Series)|2号完結のリミテッドシリーズ。
:ミニコミックス(Mini Comics)|自費出版のコピー印刷によるコミックス、通常一枚のコピー用紙を切り畳んで8ページの小さなコミックスしたもの。多くのインディー系のクリエイターがミニコミックの製作からそのキャリアを開始している。
:ミニシリーズ(Mini Series)|4~6号完結のリミテッドシリーズ。
:マルチバース(Multiverse)|スーパーヒーローコミックスで使われている拡大された宇宙観。不気味に馴染み深く、奇妙に異なった無数のオルタネートアースの存在が含まれている。
:ワンショット(Oneshot)|レギュラーシリーズではない形で独立したストーリーが1冊で完結で独立タイトルとして出版される出版形態。
:ペンシラー(Penciler)|月刊の出版スケジュールにあわせ、時間を節約するためにひとりのアーティストがプロットから必要な要素を鉛筆画の状態にまで仕上げ、これを別なアーティストがペン画として仕上げる場合、鉛筆画担当のアーティストをこう呼ぶ。
:プロッター(Plotter)|ストーリーを提供するがスクリプトのかたちにまで仕上げないライター。
:スクリプター(Scripter)|他のライターから提供されたプロットを脚本に仕上げるライター。
:シルバーエイジ(The Silver Age)|1940年代のスーパーヒーロー全盛期を「ゴールデンエイジ」と呼ぶのに対し、その後継者の登場として自然なのは1955年の『デテクティブコミックス(Detective Comics)』#225掲載のマーシャンマンハンターの登場だろう。しかし、より一般的にはその開始時期はその1年後の『ショーケース(Showcase)』誌でのフラッシュのリバイバルに求められ、1960年代後半のスーパーヒーローコミックスまでを含むものとされる。
:アンダーグラウンド(Underground)|1960年代のカウンターカルチャーは手軽で効果的に自分達の考えを発表すためのメディアとしてコミックスを発見した。そしてコミックスの側はそれまでメジャー出版社の専門領域だったこのメディアは突然大量の新しい才能と大人向けのテーマを獲得した。
:ユニバース(Universe)|マーヴル、DCに代表されるメジャーなスーパーヒーローたちが住む世界を意味する言葉。その場所は馴染み深いニューヨークの街角から奇妙な異次元世界までを含む。
:ライター(Writer)|一般的にはストーリーを考え、書く人物のこと、しかし1970年代まではエディターがライターにストーリーやプロットを示唆するのが一般的だった。1960年代から特定のライターが特定のペンシルアーティストにシノプシスを提供、ペンシラーがそこからページごとに必要な要素を絵にし、ライターがそれを脚本に仕上げるやり方が確立されてきた。他にライターが映画の脚本のような台詞とアーティスト向けの指定をおこなった完成した脚本を提供するやり方もある。
:[[ゼリック財団(Xeric Foundation)>http://www4.atwiki.jp/longboxman/pages/8.html]]|ピーター・レアードが『The Teen Age Mutant Ninja Turtles』の稼ぎをもとに設立した組織、自分のコミックスを世に出そうとしているアーティストに対し資金援助をおこなう。精一杯の敬意を送ります、サー。
:ゼロイシュー(Zero Issues)|1990年代はじめ多くの場合新しいタイトルの導入のために「0号」とナンバリングされたコミックブックを発売した。このもっとも代表的な例はDCコミックスが「ゼロアワー」でユニバースの世界観を刷新したのち、その翌月1994年10月発売の全タイトルを「0号」とし、そのすべての内容を新規読者に向けたオリジンストーリーにしたケースが挙げられる。
(「Some definition and some history」、『The Slings & Allows COMICS GUIDE』、Frank Prowright編、Slings & Arrows刊、2003年、Vp)
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