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 2004年12月17日にはてなに書いたもの。向こうではマンガブームがらみで他にもいくつかフォロー的なものを書いたが、自分であとから参照するような資料性のあるものはこれくらいだと思う。

マンガブームの今後

 マガジンスタイルになってからはじめてコミックスが表紙になった『Comics Buyers Guide』#1600に「マンガブームの今後は」的な記事「MANGA: Striding - or Stumbling - into 2005」(Fred Patten)が出ていたのでメモ。
 この本は本来コミックスショップやディストリビューター、あるいはコレクターのための完全な業界紙なので、過剰にリベラルな『The Comics Journal』なんかに比べると姿勢的には保守もいいところ。この記事もそういう意味ではそれほどおもしろいことが書いてあるわけではなく、一言でいうと「出すぎだ」という話なので「まあ、そうだろうな」という印象。

「今年はたぶん1000以上の新しいマンガタイトルがリリースされている。正直に言ってどのマーケットでも(売れない本を出版社に返本可能な一般書店でも、売れない本を在庫として抱えるダイレクトマーケットのコミックショップでも)そのすべてを吸収可能だとはちょっと思えない、私としてはこの流行は一部の高セールスを記録する花形タイトルの刊行だけが続き、中間以下の売れ行きの本の刊行はすぐに中止されるようなことになるだろうと考えている。

 サンフランシスコのコミックショップ「Comix Experience」のオーナー、ブライアン・ヒッブス(Brian Hibbs)のコメント。初出はhttp://www.comixexperience.com/でのヒッブスのコラム。ショップの店主だけあって彼の論点は「出版点数のいたずらな増加は在庫のだぶつきを招いて小売の負担を増やすだけだ」という点にある。同時にマンガタイトルの商品としての「足の速さ」を指摘し、80年代の「インディペンデントコミックス」や90年代の「フォイルカバーエディション」のような「一過性の商品」になるのではないかという危惧を表明している。
 この指摘にはヒッブスの意図とはちょっと別な部分でうなづけるところがある--というのは現在の日本のマンガマーケットのあまりに特殊なあり方から日本でもマンガはじゅうぶん「足の速い」商品になってしまっているからだ。
 コンビ二流通の廉価版などで二次、三次利用されたり、マンガ喫茶などの定常的にバックリストを抱えた店が存在するようになってまたちょっと状況が変わってきた観があるが、80年代から90年代半ばくらいまでの日本マンガは「コンテンツがまったく古典化せずに消費されていく」という感覚が強かった。
 これに対してアメリカのマーケットというのはなんだかんだいって「トラッドな」嗜好が強い感じが強く、スーパーマンやスパイダーマンといった歴史のあるキャラクターのコミックスがいつまでも出続けているのもそうだし、『Peanuts』や『Prince Valiant』などのコミックストリップの古典がいつまでも売れ続けていたりする。ことにダイレクトマーケットのユーザーというのは大型書店で新たについたユーザーと異なり、嗜好的にいえば保守一辺倒、はっきりいえば「スーパーヒーローコミックスの読者」なのだ。
 で、ちょっと呆れたのが、にもかかわらず現在のマンガブームの仕掛け人的存在であるTokyoPopのスティーブ・クレックナー(Steve Kleckner)がこの記事の取材に答え、次の重点的なマーケティング先としてコミックショップを挙げている点。
 正直「そんな反動的なことでどうするよ」と思ったら、この記事のライターも同じことを考えたらしく

 OK、だが現在コミックショップの数は約3500だといわれている。そのうちの何軒がまったくマンガを仕入れたことがないというのだろう? どの程度の店がバーンズ&ノーブルやボーダーズのような大型書店と同程度のマンガのための書棚スペースを持っているだろう? しかも、数百もの新刊が出た今年、たぶん棚はもういっぱいのはずだ。

と続いていた。ICv2には「マンガがダイアモンドのバックリストオーダーで躍進」なんて記事(http://www.icv2.com/articles/news/6032.html)も出ているが、「05年にはマーケット的にはある程度落ち着くんじゃないか」というこの記事の結論は妥当な見方だろうと思う。
 むしろ意外なのはいまのところ内容面に関して「マンガ許すまじ」的な論調があまり見られないことで、逆に「マンガのコンテンツとしての質の高さを見習うべき」みたいな意見が多い。どっちかというとバッシング期待しているんだが。




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