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Comics Scholarship Citation Guidelines
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Comic Art in Scholarly Writing: A Citation Guide
PCA/ACAのコミックス&コミックアート部会が提唱する論文執筆のための引用記法ガイド。
イントロダクション
ここのところコミックアート(もしくは全米図書館協会(Library of Congress)がいうように「コミックブック、ストリップ等」)に対するシリアスな学術的研究が重大な進展をみせている。このことは『the Journal of Popular Culture』や『lamented INKS: Cartoon and Comic Art Studies』などの学会誌に発表された論文記事やものすごい勢いで増加し続けているポピュラーカルチャー学会/アメリカンカルチャー学会(the Popular Culture Association/American Culture Association)や現代言語学会(Modern Language Association)のコンフェレンスで配布されるペーパーを見ればわかる。こうしたすべての兆候を我々はコミックメディアへのアカデミックな研究の新しい時代の出発点としたい。
コミックス研究の成熟にはこれまでは注意を払われてこなかった領域に関する配慮が必要である。書誌的な引用(Bibliographic citation)は研究論文評価の目安のひとつとなるものだが、コミックアートを扱う場合にはあやふやな領域のひとつである。とりわけ書籍、雑誌としての性格が複合したコミックブックは悩みの的でありる。これまでに確立された引用マニュアルではコミックスの持つ書誌学的特徴を捉えることができない。さらに既存のスタイルガイドが提供するものが基本的な論文としての質を保証するものだとすると、コミックアートの引用ガイドはロケーション情報を提供し、引用された情報を読者が参照しやすくするためのものである。質の保証という厄介な問題は二の次だ。ポップカルチャー学会のコミックアート・コミックス部会はここ数年この問題に取り組み続け、以下に示すコミックアート引用の際の判断基準を確立した。
(「Comic Art in Scholarly Writing A Citation Guide」、Allen Ellis、http://www.comicsresearch.org/CAC/cite.html)
この文章はコミックス研究における「引用の記法」を定めたものなのだが、この「イントロダクション」の部分になぜ「引用の記法」を定めたかが書かれている。
要するに従来の書誌的引用の記法や論文の記法によってはフォローできない部分を含むのが「コミックス研究における引用」なので、これをフォローするためにこのガイドを定めた、ということだ。
では「従来の論文記法」とはなにかといえば、これも文中にきちんと定義されている。
要するに従来の書誌的引用の記法や論文の記法によってはフォローできない部分を含むのが「コミックス研究における引用」なので、これをフォローするためにこのガイドを定めた、ということだ。
では「従来の論文記法」とはなにかといえば、これも文中にきちんと定義されている。
1.コミックブック
この引用ガイドは『MLA Handbook for Writers of Research Papers』の記法に準拠している。願わくばこのガイドラインの記述が他のスタイルガイドの記法にも対応したものであることを望む。コミックスの研究論文での引用において重要なことはそれが以下の四つの基本的な要素、ライター、アーティスト、ストーリータイトル、そして出版情報(タイトル、シリーズ情報、号数、発行日、出版社、ページ、コマといった情報を含む)を複合したものであるべきだということだ。
(「Comic Art in Scholarly Writing A Citation Guide」、Allen Ellis、http://www.comicsresearch.org/CAC/cite.html)
以下ライター、アーティスト、ストーリータイトル、出版情報各項目の細かい定義が続き、コミックブックではないコミックストリップやエディトリアルカートゥーン、グラフィックノベルなどについても同様の定義づけがなされている。
なんか英語論文作成のためののマニュアルとしては有名な本らしいのだが、いちおうこのガイドが準拠している『MLA Handbook for Writers of Research Papers』とはどんなものかにも触れておく。
なんか英語論文作成のためののマニュアルとしては有名な本らしいのだが、いちおうこのガイドが準拠している『MLA Handbook for Writers of Research Papers』とはどんなものかにも触れておく。
MLAスタイルとはなにか?
現代言語学会は論文作成のためのガイドラインをウェブ上では提供していません。MLAスタイルについての詳しい説明は『MLA Handbook for Writers of Research Papers』(高校生、卒業前の大学生向け)、『MLA Style Manual and Guide to Scholarly Publishing』(社会人、研究者、プロフェッショナルライター向け)を見てください。あわせて本サイト内の「Frequently Asked Questions」ページも参照してください。
このスタイルは学会が考える研究原稿のあり方を提示し、学生が準拠すべき句読点や括弧の使い方、引用元の表記といった研究論文の記法を示したものです。MLAスタイルは多くの学校、研究機関、教育者によって半世紀以上の長きに渡って論文記法として採用されてきました。
(『What Is MLA Style?』、http://www.mla.org/style)