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「新ジャンル「てけてけ」」(2006/08/03 (木) 07:13:55) の最新版変更点
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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:20:33.89 ID:gAqRYD/00
彼女は人間じゃない、妖怪だ。
腰から下が幽霊みたいに消えてしまっている。
でも彼女は俺にとって大切な人。
昼間、寝台から外を眺める彼女の顔は、美しかった
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:23:07.36 ID:gAqRYD/00
「ねぇ」
彼女が声をかけてくる
「私のこと、怖くないの?」
怖いもんか
「いきなり押しかけてきて、ここに住む!なんて叫ぶもんだから驚いちゃった」
別にいいじゃん、どーせ表向きは空き家なんだし
「そーだね」
そーだよ
「なんか嬉しいな」
何が?
「私、こんなんだからまともに相手にされたことなくて」
じゃあ、俺が友達第一号だね
「だね」
彼女の笑顔には、どこか寂しそうな影が差していた
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:25:58.55 ID:gAqRYD/00
なぁ
「何?」
どーして妖怪なんかになったの?
「……」
どーした?
「なりたくて、なったわけじゃないの」
………
「気がついたら、ここで、こーしてたんだ」
……ごめん
「謝る事ないよ!そんな質問をされたのも、初めてだし」
それ以前のことは?
「覚えて……ないんだ」
そうか…
「ただ、私も昔はただの人間だった気がする」
……
「ねぇ」
なんだい?
「ないても、いいかな?」
どうぞ
「胸……貸して?」
ああ
ぎゅっ
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:28:25.54 ID:gAqRYD/00
夜になると、俺は彼女を抱えてベランダに出る。
一般的な妖怪てけてけは両手で歩くらしいけど、彼女は華奢な女性だ。
年齢的にもまだ17ぐらいの少女だ。
俺は彼女を抱え、人目につかないように夜空を見上げる。
「綺麗だね」
そうだね
「……」
どこか寂しそうな彼女の顔は、不覚にも、ちょっと綺麗だった
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:31:12.58 ID:1y/8Y80QO
挿入出来ないなw
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:31:21.41 ID:gAqRYD/00
彼女は、妖怪だけどどこか妖怪らしからぬひとだった。
食事もするし、睡眠もとる。
どちらかというとただ下半身がない人間に等しい。
でも彼女からは心臓の音が聞こえない。
温もりも感じない。
彼女を寝台に横にして。
眠るまで、俺は彼女の額に手を置いた。
「あったかい」
そう言って、彼女は眠りに落ちた。
どこか、瞳に涙を浮かべながら
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:32:29.54 ID:1kn83Ge1O
9
おまえってやつはwwww
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:33:52.98 ID:gAqRYD/00
俺は毎朝、彼女のために朝食を作ってから学校にでかける。
成績は中の上、友達も少なくはないほうだ。
その日も友達から遊びに誘われた。
俺は丁寧に断った。
たとえ断り続けても、俺のことを嫌いになるような奴らじゃなかったから。
それに、彼女を一人にしておく時間が延びるようなら。
俺は友達なんていらなかった。
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:37:20.54 ID:gAqRYD/00
家に帰ると彼女は寝台の横に置いておいた朝食をいまだに食べ続けていた。
まぁ昼食の分も含めてるから多めに作ってあるからかもしれないが。
下半身のない彼女にとって、ご飯を食べるのも少し大変らしい。
俺は彼女からスプーンをとりあげ、食べさせた。
柔らかそうな唇が、食べ物を取り入れていく。
食べたものがどこに行くのかなんて無粋な発言はよそう。
俺は今、彼女といられて幸せなんだから。
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:40:46.92 ID:gAqRYD/00
ご飯をなんとか食べ終えた後、俺は一通りの家事をこなす。
彼女が着ているものを着替えさせ、洗濯する。
初めは恥ずかしがっていた彼女も、もう慣れたようだ。
彼女の一糸まとわぬ姿は、煩悩を呼び起こさず、ただ美しかった。
このまま、絵画にできそうなほどに。
俺はベランダに出て、彼女と自分の洗濯物を乾かす。
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:41:23.53 ID:gAqRYD/00
ふと思ったんだが、これって需要あるか?
続けるべき?それともいらない?
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:42:33.42 ID:iZqzHlis0
おいおいおいおい当然続けるべきwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:42:53.10 ID:N83vgo+q0
早く続き書けバーローwwwwwwwww
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:44:16.92 ID:gAqRYD/00
「ねぇ」
なんだ?
彼女は俺に尋ねた。
「今日あったことを話してよ」
わかった。
毎日同じ寝台の中から外を眺めているだけの少女にとって、世界は退屈にすぎなかった。
俺が来てから多少よくなったらしいが、それでもこの退屈はきついのかもしれない。
当たり前だ、まだ17ぐらいの少女だ。
俺の他愛もない学校での生活にも、彼女は笑って聞いてくれた。
今の俺は、この生活が気に入っている
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:49:25.68 ID:gAqRYD/00
彼女はいつも寂しそうだった。
自分も世界を彩る一人のはずなのに、世界に置いていかれていた。
そしてそれを自覚するのは、とても悲しいことだった。
行くか。
俺のと突然の発言に彼女は目を丸くする
「……どこに?」
彼女の質問に答えることもなく、俺は彼女を抱え上げた。
驚く彼女尻目に、俺は彼女の服を脱がし、別のものを着せた。
淡い魅惑色のワンピース。
もちろん、腰から下に布があっても意味はない。
だけど、それは彼女の下半身を隠すのには十分だった。
俺は彼女をまるで一人の少女のように抱きかかえた。
そして夜空の下、俺達はでかけた
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:53:04.78 ID:gAqRYD/00
この姿になってから家を出たのは初めてらしい。
彼女はかなり驚いていた。
そして家から外の世界に、とても目を輝かせていた。
静寂が支配する夜の闇の中。
俺の自転車の音だけがそれを切り裂いた。
後ろに乗る彼女は俺の体に必死にしがみつき、感嘆の声を出していた。
こういうのもたまにはいいだろ?
「うん」
彼女の声は少し涙で濡れていた気がした
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 10:00:49.28 ID:gAqRYD/00
俺は自転車を漕ぎ、近くの土手に来た。
ここは夜になると誰も寄り付かない、俺のお気に入りの場所だった。
彼女を抱えて、自転車を降りる。
そして一緒に土手に座る。
彼女は一人じゃ座ることもできないから、俺が体を支える。
土手からは街が一望できた。
彼女の顔は輝いてた。
寂しそうな横顔より、やっぱりこっちのほうが綺麗だ。
俺はその思いをそっと胸にしまう
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 10:05:36.34 ID:gAqRYD/00
家に帰り、俺は彼女を寝台へと横たえる。
「ありがとう」
彼女はそう呟いて、目を瞑る。
ありがとう、か。
少女は今どんな夢を見ているのか。
いつか、また自分の足で歩けるようになる夢なら、それは幸せだろうな。
もし、今俺の願いが叶うなら、今宵だけは、幸せな夢を彼女に。
俺は自分の部屋に戻り、睡眠をとる。
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 10:08:50.23 ID:gAqRYD/00
翌日も、その翌日も、俺は彼女と共に家を出た。
自転車を漕ぎ、夜の世界を旅し、そして2時間後に帰宅した。
俺は昼より夜のほうが好きだ。
彼女も昼より夜のほうが好きだ。
そして俺は彼女のことが好きだ。
もし、この想いが許されるのなら、俺はまだここにいたい。
いてあげたいんじゃない、ここにいたいんだ。
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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:20:33.89 ID:gAqRYD/00
彼女は人間じゃない、妖怪だ。
腰から下が幽霊みたいに消えてしまっている。
でも彼女は俺にとって大切な人。
昼間、寝台から外を眺める彼女の顔は、美しかった
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:23:07.36 ID:gAqRYD/00
「ねぇ」
彼女が声をかけてくる
「私のこと、怖くないの?」
怖いもんか
「いきなり押しかけてきて、ここに住む!なんて叫ぶもんだから驚いちゃった」
別にいいじゃん、どーせ表向きは空き家なんだし
「そーだね」
そーだよ
「なんか嬉しいな」
何が?
「私、こんなんだからまともに相手にされたことなくて」
じゃあ、俺が友達第一号だね
「だね」
彼女の笑顔には、どこか寂しそうな影が差していた
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:25:58.55 ID:gAqRYD/00
なぁ
「何?」
どーして妖怪なんかになったの?
「……」
どーした?
「なりたくて、なったわけじゃないの」
………
「気がついたら、ここで、こーしてたんだ」
……ごめん
「謝る事ないよ!そんな質問をされたのも、初めてだし」
それ以前のことは?
「覚えて……ないんだ」
そうか…
「ただ、私も昔はただの人間だった気がする」
……
「ねぇ」
なんだい?
「ないても、いいかな?」
どうぞ
「胸……貸して?」
ああ
ぎゅっ
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:28:25.54 ID:gAqRYD/00
夜になると、俺は彼女を抱えてベランダに出る。
一般的な妖怪てけてけは両手で歩くらしいけど、彼女は華奢な女性だ。
年齢的にもまだ17ぐらいの少女だ。
俺は彼女を抱え、人目につかないように夜空を見上げる。
「綺麗だね」
そうだね
「……」
どこか寂しそうな彼女の顔は、不覚にも、ちょっと綺麗だった
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:31:12.58 ID:1y/8Y80QO
挿入出来ないなw
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:31:21.41 ID:gAqRYD/00
彼女は、妖怪だけどどこか妖怪らしからぬひとだった。
食事もするし、睡眠もとる。
どちらかというとただ下半身がない人間に等しい。
でも彼女からは心臓の音が聞こえない。
温もりも感じない。
彼女を寝台に横にして。
眠るまで、俺は彼女の額に手を置いた。
「あったかい」
そう言って、彼女は眠りに落ちた。
どこか、瞳に涙を浮かべながら
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:32:29.54 ID:1kn83Ge1O
9
おまえってやつはwwww
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:33:52.98 ID:gAqRYD/00
俺は毎朝、彼女のために朝食を作ってから学校にでかける。
成績は中の上、友達も少なくはないほうだ。
その日も友達から遊びに誘われた。
俺は丁寧に断った。
たとえ断り続けても、俺のことを嫌いになるような奴らじゃなかったから。
それに、彼女を一人にしておく時間が延びるようなら。
俺は友達なんていらなかった。
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:37:20.54 ID:gAqRYD/00
家に帰ると彼女は寝台の横に置いておいた朝食をいまだに食べ続けていた。
まぁ昼食の分も含めてるから多めに作ってあるからかもしれないが。
下半身のない彼女にとって、ご飯を食べるのも少し大変らしい。
俺は彼女からスプーンをとりあげ、食べさせた。
柔らかそうな唇が、食べ物を取り入れていく。
食べたものがどこに行くのかなんて無粋な発言はよそう。
俺は今、彼女といられて幸せなんだから。
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:40:46.92 ID:gAqRYD/00
ご飯をなんとか食べ終えた後、俺は一通りの家事をこなす。
彼女が着ているものを着替えさせ、洗濯する。
初めは恥ずかしがっていた彼女も、もう慣れたようだ。
彼女の一糸まとわぬ姿は、煩悩を呼び起こさず、ただ美しかった。
このまま、絵画にできそうなほどに。
俺はベランダに出て、彼女と自分の洗濯物を乾かす。
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:41:23.53 ID:gAqRYD/00
ふと思ったんだが、これって需要あるか?
続けるべき?それともいらない?
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:42:33.42 ID:iZqzHlis0
おいおいおいおい当然続けるべきwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:42:53.10 ID:N83vgo+q0
早く続き書けバーローwwwwwwwww
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:44:16.92 ID:gAqRYD/00
「ねぇ」
なんだ?
彼女は俺に尋ねた。
「今日あったことを話してよ」
わかった。
毎日同じ寝台の中から外を眺めているだけの少女にとって、世界は退屈にすぎなかった。
俺が来てから多少よくなったらしいが、それでもこの退屈はきついのかもしれない。
当たり前だ、まだ17ぐらいの少女だ。
俺の他愛もない学校での生活にも、彼女は笑って聞いてくれた。
今の俺は、この生活が気に入っている
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:49:25.68 ID:gAqRYD/00
彼女はいつも寂しそうだった。
自分も世界を彩る一人のはずなのに、世界に置いていかれていた。
そしてそれを自覚するのは、とても悲しいことだった。
行くか。
俺のと突然の発言に彼女は目を丸くする
「……どこに?」
彼女の質問に答えることもなく、俺は彼女を抱え上げた。
驚く彼女尻目に、俺は彼女の服を脱がし、別のものを着せた。
淡い魅惑色のワンピース。
もちろん、腰から下に布があっても意味はない。
だけど、それは彼女の下半身を隠すのには十分だった。
俺は彼女をまるで一人の少女のように抱きかかえた。
そして夜空の下、俺達はでかけた
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 09:53:04.78 ID:gAqRYD/00
この姿になってから家を出たのは初めてらしい。
彼女はかなり驚いていた。
そして家から外の世界に、とても目を輝かせていた。
静寂が支配する夜の闇の中。
俺の自転車の音だけがそれを切り裂いた。
後ろに乗る彼女は俺の体に必死にしがみつき、感嘆の声を出していた。
こういうのもたまにはいいだろ?
「うん」
彼女の声は少し涙で濡れていた気がした
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 10:00:49.28 ID:gAqRYD/00
俺は自転車を漕ぎ、近くの土手に来た。
ここは夜になると誰も寄り付かない、俺のお気に入りの場所だった。
彼女を抱えて、自転車を降りる。
そして一緒に土手に座る。
彼女は一人じゃ座ることもできないから、俺が体を支える。
土手からは街が一望できた。
彼女の顔は輝いてた。
寂しそうな横顔より、やっぱりこっちのほうが綺麗だ。
俺はその思いをそっと胸にしまう
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 10:05:36.34 ID:gAqRYD/00
家に帰り、俺は彼女を寝台へと横たえる。
「ありがとう」
彼女はそう呟いて、目を瞑る。
ありがとう、か。
少女は今どんな夢を見ているのか。
いつか、また自分の足で歩けるようになる夢なら、それは幸せだろうな。
もし、今俺の願いが叶うなら、今宵だけは、幸せな夢を彼女に。
俺は自分の部屋に戻り、睡眠をとる。
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/18(火) 10:08:50.23 ID:gAqRYD/00
翌日も、その翌日も、俺は彼女と共に家を出た。
自転車を漕ぎ、夜の世界を旅し、そして2時間後に帰宅した。
俺は昼より夜のほうが好きだ。
彼女も昼より夜のほうが好きだ。
そして俺は彼女のことが好きだ。
もし、この想いが許されるのなら、俺はまだここにいたい。
いてあげたいんじゃない、ここにいたいんだ。
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