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俺鮫希譚07」(2006/10/30 (月) 04:13:17) の最新版変更点

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俺「奇跡?お前はそんな安っぽい言葉で、自分のやった事に泥を塗るのか?」 その言葉を聴きながら、涙で歪む視界を 俺「奇跡なんかじゃない。これは、お前がやった事の結果だ」 歯を食いしばって 俺「お前が最後まで諦めず、抵抗して戦い続けた。だから俺が間に合った。これは、……当然の結果だ」 当然の結果…… 俺が諦めなかったから、俺が抵抗し続けたから、俺が……、俺が……俺が……っ!! 熱いものがこみ上げてくる 胸の奥、深い場所で あいつが…… あいつが、俺にこう言った気がした 『へへ……、あいつの事守ってくれてありがとよ。なんか照れくさいな』 俺は、無力じゃない! 友「う、おおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!」 それは、反撃の開始を意味する咆哮 デブ「ふひふひふひ、可愛いねぇ君ぃ。でも一人で乗り込んできてどうするんだい?輪わされちゃうよぉ?」 俺「喋るな豚。一匹では何も出来ない下等生物め」 デブ「ふひっ!これだけの人数に囲まれてるのに余裕だねぇ。多勢に無勢って言葉、知ってるぅ?」 俺「豚こそ、これっぽっちの人数に囲まれて有頂天になって、豚小屋の主にでもなったつもりか」 デブ「ふ、ふひぃっ!ぼ、僕様を馬鹿にしてるなぁ!」 俺「うわ!脂肪の塊が喋った!」 デブ「き、ききききききき貴様ぁ!」 俺「一匹ではえばる事すら出来ない、一匹では世間に顔向けすら出来ない豚如きが」 デブ「ふひぃっ!!」 俺「豚が豚を集めて偉ぶって、それで本当に偉くなった幻想【ゆめ】でも見てるのか」 デブ「黙れ、黙れ黙れ黙れ黙れぇ!!」 俺「豚野郎が豚をどれだけ集めても、豚以上にはなれないって教えてやろう」 デブ「や、やっちまえぇ!!」 俺「俺がその幻想、ぶち壊してやる」 幻想殺し、始動 友「うおおおおおぉぉ!」 拳は裂け、血が滲み 身体は傷だらけで 体力は限界を超えていて だけど―― だけど俺の中の何かは立ち続け、立ち向かい続ける事をやめない 視界の中で、『俺』の奴が一騎当千の戦いを繰り広げている 俺はあいつほど強くない だけど、無力でもない 他ならぬ俺の奴が教えてくれた こんな俺でも、誰かの為に、傷つき、苦しみ、涙を流し それでも、何かをしてやれると気付かせてくれた だから俺は、戦う 守る為に 約束を 俺「童貞からかかって来い」 俺の一言に、雑魚連中は互いが互いの顔を見合わせてその動きを止める 馬鹿だこいつ等 その隙にも三人を殴り飛ばし、一人を投げ捨てる ㍉子からもらったグローブの性能はぴか一だ 俺「貴様等の限界の向こうを見せてみろ」 拳で掌を叩く 滾る 血が、肉が、心が そうか、俺は―― 怒っているんだ 怒りを感じている 何に? それはもちろん 豚の隣で傷つき倒れている、鮫子と 端っこでふらふらになりながらも戦っている、友にだ 何やら騒がしい声が聞こえる 痛む身体に不明瞭な意識 だけど聴覚だけは正常に働いていて 「うおおおおおおぉぉぉ!!」 聞き覚えのある叫び声と 「涅槃で目覚めろ」 聞き覚えのある、聞きたくない声が デブ「ふ、ふひ!な、なななにやってるんだ!たった二人相手にぃ!」 二人? 誰かが来ているの? なんで? 私を、助ける為に? 重たい瞼を開く 眩しい光 そして視界に飛び込んでくる、その顔 俺「ふははははは!ずっと俺のターン!」 その身体が動く度に、デブの仲間が崩れ落ちる それはまるで、喧嘩などではなく暴力に近く 一方的だった 不良の攻撃を避け、的確に急所を狙っていく あいつって、あんなに強かったんだ…… だけど、その顔は―― かつて、一緒に夕暮れの校庭にいる皆を見ていた時の愁いを帯びた表情などではなく 狂気と熱気に犯された獣じみた表情 返り血で頬を濡らし 暴力の愉悦に酔いしれている 嫌…… 嫌…… 嫌…… 私はあなたのそんな顔、見たくない 不良「つ、強えぇ……」 DQN「死ね死ね死ね死ね死nうわらば!」 VIPPER「ちょwww無理無理wwwこいつらヤバスwwww」 ヲタ「新ジャンル学園の生徒は化け物か」 新兵「俺……この喧嘩に勝ったらあの子に告白するんだ……」 俺「そぉれ!」 友「うるぁ!」 背中合わせで立つ二人 地面に転がる大量の雑魚 デブ「ふひっ、ふひっ、ふひっ!な、なにやってんだお前等……!」 雑魚「む、無理っすよ。あいつら……強すぎです……」 雑「特にあの、女?男?……やべ。おにんにんがおっきしてきた」 ざ「俺を殴れ!殴ってくれ!そして豚のように悲鳴を上げさせtあじゃぱー!」 z「凄く……痛いです」 デブ「ふ、ふひいっ!」 俺「あの世に堕ちろ」 別れの言葉を告げて、地面に叩きつける 確実に一人一人を先頭不能に陥れていく そして相手の戦意も削いでいく 効果的な方法だ だけど…… 鮫「……ゃ」 私は―― 鮫「……ぃ、ゃ」 私はあなたに―― 鮫「め……て」 私はあなたに、そんな顔をして欲しくない 鮫「やめて!!」 友「!!」 俺「……」 『俺』は、その手を止めなかった…… 無情にも振り下ろされ続ける断罪という名の拳 彼女の悲鳴を聞いて尚、振りかざし続ける 何故、止まらないのか それは―― あいつには、正義が無いから あの力に見合った正義も、大義も持ち合わせていないから 力無き正義は無力 正義無き力は暴力 あいつは完全に後者だ あいつは完全に自己の為にしか動かない 正義も大義も道義も無い ただ気が済むまで暴れる ――子供なのだ がぁん! 乾いた音が、錆びた空間に木霊した その音は爪弾かれた火薬の音に似て デブ「ふ、ふひひひひひ!き、貴様等動くな!」 友「……」 どがす! その音と声を聞いて尚、動く馬鹿が一人 デブ「うううう、動くなって言ってるだろうが!」 俺「だが断る」 友「ちょ……」 デブは、何処に隠し持っていたのか拳銃を持ち出してきやがった 不良「そ、それはやばいっすよ……」 雑魚の誰かが口にした デブ「うううう五月蝿いんだな!」 そしてその狂口は、『俺』に向けられる 俺「……」 デブ「ふーっ、ひーっ、ふーっ、ひーっ……」 俺「撃たないのか?」 デブ「だ、黙れ」 俺「どうした?」 デブ「ふーっ、ひーっ……」 俺「撃てよ」 デブ「……ひっ!」 俺「撃ってみろや」 デブ「ば、馬鹿にするなぁ!僕様をおおおぉぉぉ!」 がぁん! 友「!!」 鮫「!!」 銃口からたなびく硝煙 宙に浮かんだ身体 どさ 友「て、てめえええええぇぇぇぇ!」 鮫「い……いやあああああああぁぁぁぁ!!」 撃たれた 俺の奴が…… 華奢な身体が宙に舞い、次の瞬間には倒れていて 鮫子の悲鳴 俺の怒号 デブ「ふーっ、ひーっ!う、撃った……撃った……う、った……」 自分で撃っておいて放心している豚 ぶっ殺す 完膚なきまでに 俺が豚野郎に走って向かう だがそれに気付いた豚が銃口を俺に向ける 膠着する その視界の隅で、何かがぴくりと動いた 「あ、は、は、ははは、ははははははははははははははは!!」 嘲笑する笑いが木霊する 撃たれた と思った時にはもう、衝撃が走っていた 背中に衝撃 どうやら倒れたようだ 撃たれた箇所は、胸にクリーンヒット だが…… 驚きよりも、何よりも、まず最初に思ったのは 痛み ――無し その他――異常無し ははは、予想以上の出来だぜ 愛してるぜ㍉子に軍ちー! 俺「あ、は、は、ははは、ははははははははははははははは!!」 飛び上がるように、俺は起き上がった 友「な……っ!」 鮫「う、そ……」 肩の関節をほぐすようにぐるぐる回して 俺「はっはっはー。さすがに驚いたが、どうって事ないな」 デブ「ふ、ふひいいいぃぃ!!」 化け物でも見るかのように、豚 確かに撃たれた だと思ったのに、ぴんぴんしてやがる 一体どんなトリックを使ったってんだ デブ「ししししししし、死ねぇ!!」 がぁんがぁんがぁんがぁん 連続で排出される鉛 いくつかは土煙を上げて地面に当たるが、それ以外は 俺「はっはっは」 当たっても、多少身じろぎするくらいで平然としている馬鹿がいた がぁんがぁんがぁん、かち 銃弾を全て吐き出したのか、かちかちとしか鳴らなくなる 俺「おや、弾切れ」 デブ「ふ、ふひいいぃぃ!!」 指の関節をぽきぽき鳴らしながら豚に近づく デブ「く、くくくく来るなぁ!!」 不様に、その有り体に似合いすぎた惨めな姿で逃げ惑う そして、それに気付く デブ「ふ、ひっ!こ、この女がどうなってもいいのかぁ!」 鮫「……っ」 俺「……」 友「きったねぇ……」 逃げられない鮫子は、豚の汚い指にその白く綺麗な細首が捕まれる デブ「ど、どどどどっどどど、どうなっても……!」 俺「最後の悪足掻きがそれか?……不様で惨めすぎる。来世からやり直せよ、お前」 だが、人質を取られた状況には変わらない……

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