「ねこつん60」(2007/02/20 (火) 20:45:16) の最新版変更点
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優 「出来るよ、私はコレなんだよ」
そう言うと優は目にかかってる髪の毛をそっと流す
その髪の毛の下には赤い目
猫 「…」
優 「いいの?」
優の言葉を待たず、猫は男のところへ歩いていく
男 「ね、こ…すま、ない、ツン子守れなかった…」
猫 「最悪だ、お前は」
男は力なく笑うと、息荒く血を吐き出す
猫 「ツン子の事…好きか?」
男 「ごほっ!ごほっ!!…あ、ああ。好きだ」
猫 「愛してるか?」
男 「あ、いしてる…」
鮫子と渡辺さん、佐藤さんは猫と男を静かに見つめる
優もまた悲しげに男を見つめていた
猫 「どのような姿でも、ツン子の傍に居れるか?」
男 「ツンじゃなきゃ…いやだ、なぁ、はは」
ふっと猫が笑った。そしてくるりと猫は優に向かい
優 「猫さん…猫さんが死んじゃうって事なんだよ…」
猫 「聞いたろ、頼む」
優 「…」
佐藤さんが体を乗り出し、優に話しかける
佐藤「一体なんの話、なの?そもそも猫が喋るなんて…」
渡辺「優…ちゃん、男君助けられるの?」
鮫子「…」
優が深く深呼吸する
そして意を決したかのように話し始めた
優 「男君とツン子さんを猫にするの…」
鮫子「言ってることが全然わかんないわよっ!!」
急に鮫子が叫ぶように、優につかみ掛る
優 「鮫子…さん」
鮫子「さっきから聞いてたら…猫にする!?バカにしないでよっ!」
優 「…」
鮫子「そんな力があるなら…今ここで死にそうな男君を…ツン子を助けてよ…」
渡辺さんと佐藤さんが鮫子を抑える
優は悲しそうに俯きながら首を振った
優 「私は…そんな力は無いんだよ…」
鮫子「じゃあなんで猫にするの!?意味がわかんないわよ!」
猫がまっすぐ鮫子を見据えながら叫ぶ
猫 「それで一緒にいられるんだ!!!それでも…二人は」
鮫子「…」
優 「何時かは人間に転生できるかもしれない、それまでは」
猫 「次は犬かもしれん、鳥かもしれん、もしかしたら海の生き物、色々おるわ」
鮫子「…」
優 「鮫子さんなら判る…繋がり続ける事の価値が…」
鮫子「ごめん…叫んで、ごめん」
優 「いいんだよー」
ふわっと笑顔で返す優に苦笑する鮫子
その笑みは優への信頼
猫 「それじゃ時間無いぞ、さっさとしてくれ」
優 「うん、わかったんだよー」
いそいそと猫を抱き上げる優に佐藤さんが話しかける
佐藤「ちょっと待って、一つだけ聞かせて」
優 「?」
佐藤「仮に猫になって…寿命を迎えたときに…またその繋がりは…その、違う生き物になるとか」
優はふふっと笑いながら、答える
優 「大丈夫だよー私も一緒に行くから…」
渡辺「ええぇっ!ゆ、優ちゃんも猫になるの!?」
優 「違うよ…私は普通じゃないから…」
優が呟くように、その言葉を紡ぎだすと、赤い目が光り始める
そしてその光は男とツン子も包み始める
猫 「さて…やってくれや」
優 「うん」
鮫子、渡辺、佐藤の三人が駆け寄る
しかし何か違う力に遮られて猫と優に近寄れない
鮫子「じょ、冗談じゃないわよ!優!あんたたち!まさか!」
渡辺「優ちゃーん!猫さーん!!!」
佐藤「お願い!!返事して!!!お願い!!!!」
不意に優の声が三人の中に響く
----三人にお願いがあるんだよ…私たちは何時かきっと帰ってくるから
----その日までに…私たちの帰る場所を、守って欲しいんだよ…
----そこは私たち皆の「すたーとらいん」で…一番好きだった場所なんだよ
----そして三人だけは、私たちの事を…忘れないでいて欲しいんだよ、そうすれば…
----きっとまた会えるから
鮫子・渡辺・佐藤の三人は目も開けられない強い光に飲まれていく
三人は気がついたときには、ホテルの駐車場の一角にいた
鮫子「は、はは…まったく優ったら、皆に何て言えばいいのよ…」
スカートについた埃をぱんぱんとはたいていく
渡辺「…優、ちゃん…男君…ツン子さん…」
呆然と立ち上がる渡辺さん
佐藤「…優さん」
強い目のまま遥か上空を見上げ動かない佐藤さん
三人は優の言葉を何度も何度も反芻する
そこへ先に脱出した上田班の脇谷が駆け寄ってくる
脇谷「だ、大丈夫!?何時出てきた…の?」
脇谷さんはその三人を見て言葉が出なくなった
遥か上空に広がる一面の夜空
三人はただ、上空を見上げながら涙を流していたのだ
猫 「いいんかい?」
優 「いいんだよー」
光の中、猫と優が話している
猫 「別にオレに付き合う必要も無いと思うんだが」
優 「あはは、もし猫の次に…男君が鼠で、ツン子さんが猫になったら大変なんだよ」
猫 「…それもまた面白いんだがな」
優 「ふふ、これで幸せにならなかったら…承知しないんだよ…」
不意に地べたに寝転がる男が話しかける
男 「優…猫、やめ、ろ」
優 「あ、あははー聞こえてたんだ…」
猫 「さっさと死ね、バカサル」
男 「優っ!頼むっ!お前には…お前と猫にも未来があるだ」
パンっと音をたてると男は一瞬にして光の玉となる
そしてもう一つ、ツン子もまた同じく光の玉になり、優の手の中に納まる
優 「…大丈夫だよ…二人には…そして皆には」
幸せになってもらいたいんだよ
優 「出来るよ、私はコレなんだよ」
そう言うと優は目にかかってる髪の毛をそっと流す
その髪の毛の下には赤い目
猫 「…」
優 「いいの?」
優の言葉を待たず、猫は男のところへ歩いていく
男 「ね、こ…すま、ない、ツン子守れなかった…」
猫 「最悪だ、お前は」
男は力なく笑うと、息荒く血を吐き出す
猫 「ツン子の事…好きか?」
男 「ごほっ!ごほっ!!…あ、ああ。好きだ」
猫 「愛してるか?」
男 「あ、いしてる…」
鮫子と渡辺さん、佐藤さんは猫と男を静かに見つめる
優もまた悲しげに男を見つめていた
猫 「どのような姿でも、ツン子の傍に居れるか?」
男 「ツンじゃなきゃ…いやだ、なぁ、はは」
ふっと猫が笑った。そしてくるりと猫は優に向かい
優 「猫さん…猫さんが死んじゃうって事なんだよ…」
猫 「聞いたろ、頼む」
優 「…」
佐藤さんが体を乗り出し、優に話しかける
佐藤「一体なんの話、なの?そもそも猫が喋るなんて…」
渡辺「優…ちゃん、男君助けられるの?」
鮫子「…」
優が深く深呼吸する
そして意を決したかのように話し始めた
優 「男君とツン子さんを猫にするの…」
鮫子「言ってることが全然わかんないわよっ!!」
急に鮫子が叫ぶように、優につかみ掛る
優 「鮫子…さん」
鮫子「さっきから聞いてたら…猫にする!?バカにしないでよっ!」
優 「…」
鮫子「そんな力があるなら…今ここで死にそうな男君を…ツン子を助けてよ…」
渡辺さんと佐藤さんが鮫子を抑える
優は悲しそうに俯きながら首を振った
優 「私は…そんな力は無いんだよ…」
鮫子「じゃあなんで猫にするの!?意味がわかんないわよ!」
猫がまっすぐ鮫子を見据えながら叫ぶ
猫 「それで一緒にいられるんだ!!!それでも…二人は」
鮫子「…」
優 「何時かは人間に転生できるかもしれない、それまでは」
猫 「次は犬かもしれん、鳥かもしれん、もしかしたら海の生き物、色々おるわ」
鮫子「…」
優 「鮫子さんなら判る…繋がり続ける事の価値が…」
鮫子「ごめん…叫んで、ごめん」
優 「いいんだよー」
ふわっと笑顔で返す優に苦笑する鮫子
その笑みは優への信頼
猫 「それじゃ時間無いぞ、さっさとしてくれ」
優 「うん、わかったんだよー」
いそいそと猫を抱き上げる優に佐藤さんが話しかける
佐藤「ちょっと待って、一つだけ聞かせて」
優 「?」
佐藤「仮に猫になって…寿命を迎えたときに…またその繋がりは…その、違う生き物になるとか」
優はふふっと笑いながら、答える
優 「大丈夫だよー私も一緒に行くから…」
渡辺「ええぇっ!ゆ、優ちゃんも猫になるの!?」
優 「違うよ…私は普通じゃないから…」
優が呟くように、その言葉を紡ぎだすと、赤い目が光り始める
そしてその光は男とツン子も包み始める
猫 「さて…やってくれや」
優 「うん」
鮫子、渡辺、佐藤の三人が駆け寄る
しかし何か違う力に遮られて猫と優に近寄れない
鮫子「じょ、冗談じゃないわよ!優!あんたたち!まさか!」
渡辺「優ちゃーん!猫さーん!!!」
佐藤「お願い!!返事して!!!お願い!!!!」
不意に優の声が三人の中に響く
----三人にお願いがあるんだよ…私たちは何時かきっと帰ってくるから
----その日までに…私たちの帰る場所を、守って欲しいんだよ…
----そこは私たち皆の「すたーとらいん」で…一番好きだった場所なんだよ
----そして三人だけは、私たちの事を…忘れないでいて欲しいんだよ、そうすれば…
----きっとまた会えるから
鮫子・渡辺・佐藤の三人は目も開けられない強い光に飲まれていく
三人は気がついたときには、ホテルの駐車場の一角にいた
鮫子「は、はは…まったく優ったら、皆に何て言えばいいのよ…」
スカートについた埃をぱんぱんとはたいていく
渡辺「…優、ちゃん…男君…ツン子さん…」
呆然と立ち上がる渡辺さん
佐藤「…優さん」
強い目のまま遥か上空を見上げ動かない佐藤さん
三人は優の言葉を何度も何度も反芻する
そこへ先に脱出した上田班の脇谷が駆け寄ってくる
脇谷「だ、大丈夫!?何時出てきた…の?」
脇谷さんはその三人を見て言葉が出なくなった
遥か上空に広がる一面の夜空
三人はただ、上空を見上げながら涙を流していたのだ
猫 「いいんかい?」
優 「いいんだよー」
光の中、猫と優が話している
猫 「別にオレに付き合う必要も無いと思うんだが」
優 「あはは、もし猫の次に…男君が鼠で、ツン子さんが猫になったら大変なんだよ」
猫 「…それもまた面白いんだがな」
優 「ふふ、これで幸せにならなかったら…承知しないんだよ…」
不意に地べたに寝転がる男が話しかける
男 「優…猫、やめ、ろ」
優 「あ、あははー聞こえてたんだ…」
猫 「さっさと死ね、バカサル」
男 「優っ!頼むっ!お前には…お前と猫にも未来があるだ」
パンっと音をたてると男は一瞬にして光の玉となる
そしてもう一つ、ツン子もまた同じく光の玉になり、優の手の中に納まる
優 「…大丈夫だよ…二人には…そして皆には」
幸せになってもらいたいんだよ
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