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そしてそれから バカ「ねぇ!?佐藤さんと何こそこそしてんのよぅ!」 鮫子にもたれかかるツンバカ、グラスの中の酒を顔面に浴びる鮫子 鮫子「ツ・ン・バ・カ…」 きりきりきりきり バカ「あうあうあうあうあ…アイアンクローだぁぁぁ」 佐藤「ふふ、発表してもいいんじゃない?」 鮫子「別にいいわよ、こんな場じゃなくても」 そう言うと鮫子はグラスに酒を流し込む 渡辺「えへヘ~♪実はね、あの新ジャンル学園の土地を鮫子ちゃんが買ったんだよ」 同窓会場に静寂が走る 佐藤「私はその根回しと交渉役をやっただけよ」 そう微笑みながら渡辺さんと佐藤さん軽く乾杯する 「「「「「「 な、なんだってーーーーー!!!!! 」」」」」」 鮫子「ああ…もう…」 それからの同窓会会場は正に質問会場となっていた 殆どは鮫子が「ノーコメント」の一言でたたき切っていたが 同窓会会場を出てすぐ、佐藤さんは眠りこける渡辺さんをおんぶしながら 鮫子に話しかける 渡辺「…凄かったわね」 鮫子「まったく渡辺さんは…困ったものね」 同じくツンバカをおんぶしながら鮫子は答える 渡辺「うへぇ~優ちゃ~ん…」 佐藤「渡辺さん、凄い喜んでた」 鮫子「そう」 佐藤「鮫子…鮫子は二つの約束抱えちゃったね」 鮫子「ついでよ」 ぷいと真っ赤にしながら顔を背ける鮫子 鮫子「記憶が無いって悲しいわね」 佐藤「そうね、誰も男君、ツン子さん、優さんのこと覚えてないなんてね」 雪はこんこんと降っている キッ---佐藤さんの目の前にタクシーが止まる 佐藤「お先に…ねぇ鮫子」 鮫子「何?」 渡辺さんをタクシーに乗せ、佐藤さんは鮫子に話しかける 佐藤「優ちゃんの優しさだと思うよ、やっぱり」 鮫子「記憶を無くすことが?」 佐藤「…うん」 鮫子「でしょうね。それが一番かって言われたら…わかんないけど」 鮫子の前にもタクシーが止まる お互いに軽く手を振り合って運転手に目的地を告げる 少し眠ろうかしら、そう目を閉じながら色々物思いにふける 大通りを走っていく、その真ん中の植栽スペースに一匹の子猫が震えていた 誤殺「今日は楽しかったねぇ♪」 ウエ「うっぷ…気持ち悪いよ、でも皆変わったような…変わってないような」 誤殺「皆、良い所は変ってないんだよっ♪」 そう話しながら二人は雪の積もった大通りぞいの歩道を歩いていく クラクションの音の隙間に何か聞こえる にゃーん ウエ「あ…猫、だ」 誤殺「ああっ!た、大変だよっ!」 そう叫んだところに子猫はふらふらと道路に飛び出してきた ウエ「ああっ!!!危ない!」 誤殺「嫌っ!!!だめぇぇぇ!!」 二人の願いは空しく、猫は車に巻き込まれ道路に横たわる その瞬間誤殺の横をウエックスが駆け抜けた ウエ「まだ生きてる…」 誤殺「あ…」 男-----・・・まだ、息あるな・・・ 誤殺「あ、あれ?」 ウエ「ど、どうしたの?」 誤殺「あれれ?な、なんだろ?」 男-----まだ息があるんだ、ちょっと動物病院に寄らないか? 女----- 『う、うん!早く・・・行こう!!って別に猫の事が心配って訳っ・・・心配よっ!! 誤殺「あ、ああ…」 ウエ「ど、どうしたんです!?な、なんで、泣いてるんですか? 誤殺「ありがとう…」 ウエ「はい?あの…」 誤殺「って!?何でありがとう?あれ?涙が止まんないし…って!病院行かなきゃ!!」 ウエ「ああっ!猫!大丈夫かな!?」 新ジャンル学園校門前 鮫子はツンバカを送った後、その帰り道にここに寄っていた ざくざくと雪を踏みしめて鮫子は丘を上がって行く 鮫子「…はぁ…はぁ」 すっと何時ものように頂上の木に寄り添う 鮫子「…大丈夫、ここは私、私と佐藤さんと渡辺さんで…守って見せるから」 うっすらと朝日が昇り始める ふと足元には誰かの足跡と一枚の紙 鮫子「佐藤さん…」 「大丈夫、私も渡辺さんも、そして皆もいるから」 そう書かれ、木に張られたメモ用紙をそっとはがし、胸元のポケットに入れ きゅっと拳を握りしめ、昇り掛けた朝日に向かう 鮫子「やってやるわよ…」 そう誓いながら鮫子は、木にもたれ掛かるのだった

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