「新ジャンルコメディ・裏方さんと黒子さん」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

新ジャンルコメディ・裏方さんと黒子さん」(2008/10/27 (月) 12:45:01) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*裏方さんと黒子さん#1 裏「あれ、黒子さんじゃないっすか。何してるっすかそんな隅っこで?」 黒『いえ、実は…』 黒『私も裏方家業が長いものですから、広々したところより   せまいところの方が落ち着くんです』 裏「あー、その気持ち分かるっすー」 裏「自分も、ちょっと失礼していいっすか?」 黒『ええ、どうぞ』 裏「じゃ、お邪魔するっす!」 むぎゅ 裏「うー、このせまさがたまんないっすねー」 黒『二人だとなおさらせまくていいですね』 ―――アハハハ 女友「……あんたら、掃除用具入れの中で何してんの?」 ---- *裏方さんと黒子さん#2 女友「あんたらさー、化粧とかしないの?」 裏「自分っすか?」 黒『私は全然しませんね……』 女友「えーもったいなーい!二人ともすっごい可愛いのにぃ」 女友「良ければだけど、私が化粧指南してあげよっか」 裏「いやぁ…悪いっすけど、化粧なんか自分の柄じゃないっすよ」 黒『右に同じく、ですね』 裏「それに、自分たちが新ジャンルさんたちより綺麗に   なっちゃったら、申し訳ないじゃないっすか」 黒『裏方は、陰に徹するからこそ美しいのです』 女友「……」---キュン 女友「……ちょちょ、二人ともカモン」 裏「はえ?」 黒『なんでしょう』 ぎゅーっ 裏「ほわっ!?」 黒『な、何ですか!?』 女友「あんたら、そんなこと言って私を萌えさせるんじゃない!    可愛いじゃないか、可愛いじゃないか!!」 ぎゅぎゅぎゅーっ 裏「くっ苦しいっす女友さん……」 黒『愛で圧殺される……』 ---- +裏方さんと黒子さん#3 裏「あぁ…幸せになりたいっす…」 黒『どうかしたのですか?』 裏「昨日新ジャンル『幸せ』さんの撮影があったんすけど、  あの二人はいつもほわほわしてて素敵なんすよねぇ」 黒『私たちには一番縁遠い、普通の幸せってものですね』 裏「……はぁ、裏方って辛いっすねぇ」 黒『くさっては駄目です、きっと私たちの努力は報われます』 黒『頑張りましょう、裏方さん。ファイトです!』 裏「……そうっすね、頑張らなきゃ駄目っすよね!」 黒『私たちは縁の下の力持ち、新ジャンルさんたちの   力になるのが我々の幸せです』 裏「よーし、明日からも仕事頑張るっすよー!」 黒『えいえい、おー!』 女友(裏方さん、黒子さん……) 女友(……あんたら、輝いてるよ!) ---- +裏方さんと黒子さん#4 裏「……はぁ」 黒『鏡の前でため息とは、珍しいですね』 裏「おっぱいが、おっきくならないっす……」 黒『もう成長期でもないですし、それ以上は無理なのでは?』 裏「そうっすねぇ、あんまりおっきくても仕事の邪魔っすからねぇ……」 黒『私もあまり、大きい方ではないですよ?』 裏「裏方家業の弊害ってやつなんすかねぇ……」 女友「よっ、二人とも何しょぼくれてんの?」 裏「………」ジーッ 黒『………』ジーッ 女友「な、何その注目度は…?」 黒『女友さん…胸のカップ数はいくつですか?』 女友「……Cだけど」 裏「……はぁ」 黒『……はぁ』 女友「な、なんだお前ら。文句でもあんのか!」 ---- +裏方さんと黒子さん#5 裏「今日はお祭りっすねー」 黒『祭り囃子が小気味良いです』 裏「さ、裏方の仕事頑張るっすよー!」 黒『ですね、まずは何からしましょうか』 女友「おーい、二人ともー」 裏「あ、女友さん。浴衣似合ってるっすね」 黒『何かご用ですか?』 女友「何言ってんの、あんたらも早く着替えてきな?」 裏「ふぇ?」 黒『どういうことでしょう』 女友「だってあんたら、いつも祭りの準備とかで忙しいでしょ?」 女友「今日は特別に祭りに参加してもいいって、校長先生から言質とってきたの」 裏「そんな、わざわざ悪いっすよー」 黒『そうです、我々は舞台裏にいるのが性に合ってます』 女友「ふーん、じゃあせっかく二人の浴衣も用意したのに、無駄になっちゃったか」 裏「浴衣!?」 黒『本当ですか?』 女友「ほら、やっぱりお祭り出たいんじゃない」 裏「うっ……」 黒『い、今のは言葉の綾ですよ』 女友「綾でも何でも構わないよ、いいから早く着替えといで」 裏「……分かったっす。女友さん、ありがとうっす!」 黒『感謝します。女友さん』 女友「いいっていいって」 ----------------------------------------------- 裏「女友さん、これミニ浴衣じゃないっすかー!」 黒『生足露出なんて、聞いてません!』 女友「あははは、二人ともよーく似合ってるよ」 ---- +裏方さんと黒子さん#6 裏「鳥は、鳥籠から出るのをいつも夢見ていた」 黒『しかし、鳥籠の扉は鍵で固く閉ざされている』 女友「だから鳥は、鳥籠から出るのを諦めた?」 裏「ううん、そうじゃないっす」 黒『鳥籠の鳥は、自分で鍵を外せるほど強かなんですよ』 女友「じゃあなんで鳥は鳥籠から出ないのかな?」 裏「多分、籠の中で命を燃やす人生も悪くないと思ってるんっすよ」 黒『飛べる鳥が、誰かの止まり木になってもいいじゃないですか』 女友「そうか、遠くへ羽ばたくばかりが幸せじゃなしか」 裏「はいっす」 黒『その通りです』 女友「深いね、人生って」 ---- +裏方さんと黒子さん#7 裏「うわ、すごい人混みっすねー」 黒『今日は父兄参観で、荘厳さんやお嬢様系の方のSPが山ほど来てるみたいです』 裏「こりゃあ歩くのも一苦労っす」 黒『まあ、こんな人混み舞台裏の混雑に比べたら』 裏「どってことないっすね!」 黒『はい』 裏「でもこれだけ人がいると、はぐれちゃう可能性もあるっすねぇ」 黒『そうですね』 裏「黒子さん、手をつないで移動しないっすか?」 黒『はい?』 裏「そうしておけば、離ればなれになる心配もないっすよ!」 黒『は、はぁ……』 裏「じゃあ、教室までダッシュっす!」 きゅっ 黒『!!』 裏「どうしたっすか?」 黒『いえ、何でも……』 裏「?ならいいっすけど」 黒『……///』 男友「おや、あれに見えるは百合フラグ?」 女友「あんたはくだらないこと言ってんじゃない!」 スパーン 男友「ぐぇっ」 ---- +裏方さんと黒子さん#8 黒『裏方さん』 裏「なんっすかー?」 黒『これ、差し上げます』 裏「へ?これって四つ葉のクローバー?」 黒『はい。先日ピクニックに行った折、見つけたんです』 裏「自分なんかにはもったいないっすよ。これは   もっと大事な人にあげて欲しいっす」 黒『そんなことないですよ。私は、健気に頑張る   裏方さんに幸せになってほしいんです』 裏「う、なんか照れくさいっすねー」 黒『だから、どうか遠慮せずにもらって下さい』 裏「分かったっす。ありがとっすよ!」黒『うふふ』 男友「百合フラグ今だ継続中……熱いぜ!」 女友「アホか」 ---- +裏方さんと黒子さん#9 裏「あ、浅窓さんが捨て猫を見つめてるっす!」 黒『本当ですね』 裏「きっと餌をあげてるところっすよ!」 黒『いえ、もしかしたら憐れみをかけて拾おうとしているのかも』 裏「何してるのか観察してみるっす」 黒『はい』 浅「ほらほら、もっと頑張りなさい」 猫「みゃー、みゃー」 裏「猫がギリギリ届かないところに餌をやってるっす!」 黒『しかもその餌がお弁当の残り物!』 裏「浅いっすね!」 黒『えぇ、浅いです!』 ---- +裏方さんと黒子さん#10 黒『裏方さん…』 裏「ど、どうしたっすか黒子さん。顔涙目っすよ!?」 黒『すみません、実は…』 黒『校長室の清掃してたら、うっかり花瓶を割ってしまいまして……』 裏「あちゃー、黒子さんらしくないイージーミスしちゃったっすねー」 黒『どうしよう…こんな失敗したことなかったのに…』 裏「気を落としたら駄目っすよ、黒子さん!」 黒『でも…』 裏「平気っす。校長先生は優しいから、きっと許してくれるはずっす!」 裏「さ、一緒に謝りにいくっすよー」 黒『いえ、これは私に責任のあることですから…』 裏「責任とかなんとか、あんまり難しく考えちゃ駄目っす」 裏「自分は、仲間が困ってるから力になりたいと思っただけなんすから!」 黒『……仲間?』 裏「はいっす!だからなるべく早めに校長先生のところへ……」 黒『………』うるうる 裏「へ?」 黒『………』くすん、くすん 裏「あわわわっ、なんでまた泣くっすか!?」 黒『………』ぐすっ、ひくっ 裏「あぁあぁ、こういうとき筆談って不便っすねぇ……」 お父さん、お母さん。私、いい友達に恵まれました。 ----「黒子の日記」より、抜粋 ---- +裏方さんと黒子さん#11 裏「今日は、新ジャンルドラゴンさんの撮影っす」 黒『なんだか緊張しますね…』 裏「だーい丈夫っすよ!ドラゴンさん、ああ見えて優しいっすから!」 黒『そう、ですか…』 裏「あ、来たっす!」 ド「グルルル……」フシュー 裏「うひゃー、相変わらずデカいっすねー!」 黒『こ、怖い…』 裏「虎吉と同じと思えばいいっすよ」 ド「………」ズシン、ズシン 黒『こっちに来た!?』 裏「どうかしたっすか?ドラゴンさん」 ド「………」ペロリ 黒『ひゃあぁ!!』 裏「ああ、黒子さんのこと気に入ったんすね。そっすかそっすか」 ド「フシュルルル」ペロリ、ペロペロ 黒『嬉しいような嬉しくないようなー!!』 裏「仲良さそうで何よりっす!」 黒『見てないで止めてー!』 ド「………」ペロペロ ---- +裏方さんと黒子さん#12 裏『用事ってなんすか?黒子さん』 黒「えぇ…実は…」 黒「私、裏方さんに伝えたいことがあったんです」 裏『伝えたいこと?』 黒「はい…」 黒「私、私……裏方さんのことが好きなんです!」 裏『えぇぇ!?』 裏「………ハッ!夢か……」 裏「久々にゆっくり寝れたと思ったら、なんて夢を…」 その夢が、後に正夢になろうなどとは、この時の裏方には知る由もなかった……。 女友「余計なナレーション入れるんじゃない!」 友「痛い痛い、太ももつねるの止めてくれ俺が悪かった」 ---- *【灯台守さんと】 灯台守「灯台守です」 灯台守「秋です。虫がコロコロ鳴いています」 灯台守「星がとても綺麗です」 灯台守「風は順風、船もまっすぐ進むでしょう」 灯台守「灯台守です」     ◇ 灯台守「灯台守です」 灯台守「今日は、週に一度の定期便が来る日です」 灯台守「そろそろ時間かな」 裏方「ちわーっす、お荷物お届けにあがったっすー!」 灯台守「どうやら、来たようです」 裏方「ふぅっ、お疲れ様っす!」 灯台守「お疲れ様。いつもの配達人さんと違うんですね」 裏方「そうっすよー。いつもの人が腰悪くしちゃったんで、自分が代わりに持ってきたっす」 灯台守「ご苦労様です」 裏方「そちらこそ、いつも灯台の番お疲れ様っす!」     ◇ 灯台守「よろしければ、お茶でもいかがですか?」 裏方「いいっすか?じゃあお言葉に甘えて、いただくっす!」 裏方「外にもう一人いるんで、そっちも呼んでいいっすかね」 灯台守「はい」 裏方「ありがとうっす!」 裏方「黒子さーん、灯台守さんがお茶を飲んでいかないかって言ってるっすー!」 黒子『よろしいんですか?』 裏方「次の撮影まで時間あるし、ちょっとだけなら大丈夫っすよー!」 黒子『それなら私も、今からそちらに向かいます』 灯台守「それでは、お茶の準備をしてきます」 裏方「はいっす!」     ◇ 灯台守「どうぞ、お茶菓子もありますから」 裏方「すごくいい香りっすねー」 黒子『なんだか、中世のお城に来たみたいです』 灯台守「ゆっくりしていって下さいね、えっと……」 裏方「自分、裏方っていうっす」 黒子『私は黒子です。筆談は仕様ですので、どうかご容赦を』 灯台守「裏方さんと黒子さんですね。分かりました」 裏方「よろしくっす!」 黒子『よろしくお願いします』     ◇ 裏方「この紅茶、すごく美味しいっす!」 黒子『お茶の淹れ方、お上手なんですね』 灯台守「昼間はあまり、することがないのです」 裏方「いつも一人で、灯台の番をしてるっすか?」 灯台守「はい」 黒子『大変なお仕事ですね』 灯台守「そうでもありませんよ。夜は日誌をつけるだけですし」 裏方「でも、夜も一人っていうのはちょっと怖いっすねー」 灯台守「それももう、慣れちゃいましたから平気です」     ◇ 裏方「なんだか自分、灯台守さんに親近感湧くっす」 黒子『我々も、日の当たらないところで働く身ですからね』 灯台守「そうですか。お二人ともお忙しいのに、ひき止めてしまってごめんなさい」 黒子『謝ることありません』 裏方「そうっす。むしろ、美味しいお茶をご馳走になれて、こっちこそ役得っすよ」 灯台守「そんな風に言われると、少し恥ずかしいです」 裏方「灯台守さんはウブっすねー」 黒子『初対面で失礼ですけど、可愛い人ですね』 灯台「///」     ◇ 灯台守「ここがこんなに賑わったのは、初めてです」 裏方「自分は、元気だけが取り柄っすからね」 黒子『私たちでよければ、いつでも話し相手になりますよ』 灯台守「ありがとうございます。お茶、おかわりありますよ?」 裏方「うーん、ありがたいっすけど、そろそろ仕事の時間っすね」 黒子『あ、本当だ』 灯台守「では、お別れですね」 裏方「お別れだなんて、悲しいこと言わないでほしいっす」 黒子『近いうちに、また遊びに来ますから』 灯台守「そうですか」 裏方「そうっすよぉ!」 黒子『その通りです』     ◇ 裏方「ほいじゃあ、お邪魔しましたっすー」 黒子『お茶、ご馳走さまでした』 灯台守「お仕事頑張って下さいね」 裏方「はいっす」 黒子『はい』 ------------------------------------------ 灯台守「灯台守です」 灯台守「空が澄みわたって、星が輝いています」 灯台守「静かで、昨日よりも虫の声が響いてくるみたいです」 灯台守「寂しくは、ありませんよ?」 灯台守「むしろあの元気な二人に、また会いたい気持ちがいっぱいになりました」 灯台守「灯台守りです」
*裏方さんと黒子さん#1 裏「あれ、黒子さんじゃないっすか。何してるっすかそんな隅っこで?」 黒『いえ、実は…』 黒『私も裏方家業が長いものですから、広々したところより   せまいところの方が落ち着くんです』 裏「あー、その気持ち分かるっすー」 裏「自分も、ちょっと失礼していいっすか?」 黒『ええ、どうぞ』 裏「じゃ、お邪魔するっす!」 むぎゅ 裏「うー、このせまさがたまんないっすねー」 黒『二人だとなおさらせまくていいですね』 ―――アハハハ 女友「……あんたら、掃除用具入れの中で何してんの?」 ---- *裏方さんと黒子さん#2 女友「あんたらさー、化粧とかしないの?」 裏「自分っすか?」 黒『私は全然しませんね……』 女友「えーもったいなーい!二人ともすっごい可愛いのにぃ」 女友「良ければだけど、私が化粧指南してあげよっか」 裏「いやぁ…悪いっすけど、化粧なんか自分の柄じゃないっすよ」 黒『右に同じく、ですね』 裏「それに、自分たちが新ジャンルさんたちより綺麗に   なっちゃったら、申し訳ないじゃないっすか」 黒『裏方は、陰に徹するからこそ美しいのです』 女友「……」---キュン 女友「……ちょちょ、二人ともカモン」 裏「はえ?」 黒『なんでしょう』 ぎゅーっ 裏「ほわっ!?」 黒『な、何ですか!?』 女友「あんたら、そんなこと言って私を萌えさせるんじゃない!    可愛いじゃないか、可愛いじゃないか!!」 ぎゅぎゅぎゅーっ 裏「くっ苦しいっす女友さん……」 黒『愛で圧殺される……』 ---- *裏方さんと黒子さん#3 裏「あぁ…幸せになりたいっす…」 黒『どうかしたのですか?』 裏「昨日新ジャンル『幸せ』さんの撮影があったんすけど、  あの二人はいつもほわほわしてて素敵なんすよねぇ」 黒『私たちには一番縁遠い、普通の幸せってものですね』 裏「……はぁ、裏方って辛いっすねぇ」 黒『くさっては駄目です、きっと私たちの努力は報われます』 黒『頑張りましょう、裏方さん。ファイトです!』 裏「……そうっすね、頑張らなきゃ駄目っすよね!」 黒『私たちは縁の下の力持ち、新ジャンルさんたちの   力になるのが我々の幸せです』 裏「よーし、明日からも仕事頑張るっすよー!」 黒『えいえい、おー!』 女友(裏方さん、黒子さん……) 女友(……あんたら、輝いてるよ!) ---- *裏方さんと黒子さん#4 裏「……はぁ」 黒『鏡の前でため息とは、珍しいですね』 裏「おっぱいが、おっきくならないっす……」 黒『もう成長期でもないですし、それ以上は無理なのでは?』 裏「そうっすねぇ、あんまりおっきくても仕事の邪魔っすからねぇ……」 黒『私もあまり、大きい方ではないですよ?』 裏「裏方家業の弊害ってやつなんすかねぇ……」 女友「よっ、二人とも何しょぼくれてんの?」 裏「………」ジーッ 黒『………』ジーッ 女友「な、何その注目度は…?」 黒『女友さん…胸のカップ数はいくつですか?』 女友「……Cだけど」 裏「……はぁ」 黒『……はぁ』 女友「な、なんだお前ら。文句でもあんのか!」 ---- *裏方さんと黒子さん#5 裏「今日はお祭りっすねー」 黒『祭り囃子が小気味良いです』 裏「さ、裏方の仕事頑張るっすよー!」 黒『ですね、まずは何からしましょうか』 女友「おーい、二人ともー」 裏「あ、女友さん。浴衣似合ってるっすね」 黒『何かご用ですか?』 女友「何言ってんの、あんたらも早く着替えてきな?」 裏「ふぇ?」 黒『どういうことでしょう』 女友「だってあんたら、いつも祭りの準備とかで忙しいでしょ?」 女友「今日は特別に祭りに参加してもいいって、校長先生から言質とってきたの」 裏「そんな、わざわざ悪いっすよー」 黒『そうです、我々は舞台裏にいるのが性に合ってます』 女友「ふーん、じゃあせっかく二人の浴衣も用意したのに、無駄になっちゃったか」 裏「浴衣!?」 黒『本当ですか?』 女友「ほら、やっぱりお祭り出たいんじゃない」 裏「うっ……」 黒『い、今のは言葉の綾ですよ』 女友「綾でも何でも構わないよ、いいから早く着替えといで」 裏「……分かったっす。女友さん、ありがとうっす!」 黒『感謝します。女友さん』 女友「いいっていいって」 ----------------------------------------------- 裏「女友さん、これミニ浴衣じゃないっすかー!」 黒『生足露出なんて、聞いてません!』 女友「あははは、二人ともよーく似合ってるよ」 ---- *裏方さんと黒子さん#6 裏「鳥は、鳥籠から出るのをいつも夢見ていた」 黒『しかし、鳥籠の扉は鍵で固く閉ざされている』 女友「だから鳥は、鳥籠から出るのを諦めた?」 裏「ううん、そうじゃないっす」 黒『鳥籠の鳥は、自分で鍵を外せるほど強かなんですよ』 女友「じゃあなんで鳥は鳥籠から出ないのかな?」 裏「多分、籠の中で命を燃やす人生も悪くないと思ってるんっすよ」 黒『飛べる鳥が、誰かの止まり木になってもいいじゃないですか』 女友「そうか、遠くへ羽ばたくばかりが幸せじゃなしか」 裏「はいっす」 黒『その通りです』 女友「深いね、人生って」 ---- *裏方さんと黒子さん#7 裏「うわ、すごい人混みっすねー」 黒『今日は父兄参観で、荘厳さんやお嬢様系の方のSPが山ほど来てるみたいです』 裏「こりゃあ歩くのも一苦労っす」 黒『まあ、こんな人混み舞台裏の混雑に比べたら』 裏「どってことないっすね!」 黒『はい』 裏「でもこれだけ人がいると、はぐれちゃう可能性もあるっすねぇ」 黒『そうですね』 裏「黒子さん、手をつないで移動しないっすか?」 黒『はい?』 裏「そうしておけば、離ればなれになる心配もないっすよ!」 黒『は、はぁ……』 裏「じゃあ、教室までダッシュっす!」 きゅっ 黒『!!』 裏「どうしたっすか?」 黒『いえ、何でも……』 裏「?ならいいっすけど」 黒『……///』 男友「おや、あれに見えるは百合フラグ?」 女友「あんたはくだらないこと言ってんじゃない!」 スパーン 男友「ぐぇっ」 ---- *裏方さんと黒子さん#8 黒『裏方さん』 裏「なんっすかー?」 黒『これ、差し上げます』 裏「へ?これって四つ葉のクローバー?」 黒『はい。先日ピクニックに行った折、見つけたんです』 裏「自分なんかにはもったいないっすよ。これは   もっと大事な人にあげて欲しいっす」 黒『そんなことないですよ。私は、健気に頑張る   裏方さんに幸せになってほしいんです』 裏「う、なんか照れくさいっすねー」 黒『だから、どうか遠慮せずにもらって下さい』 裏「分かったっす。ありがとっすよ!」黒『うふふ』 男友「百合フラグ今だ継続中……熱いぜ!」 女友「アホか」 ---- *裏方さんと黒子さん#9 裏「あ、浅窓さんが捨て猫を見つめてるっす!」 黒『本当ですね』 裏「きっと餌をあげてるところっすよ!」 黒『いえ、もしかしたら憐れみをかけて拾おうとしているのかも』 裏「何してるのか観察してみるっす」 黒『はい』 浅「ほらほら、もっと頑張りなさい」 猫「みゃー、みゃー」 裏「猫がギリギリ届かないところに餌をやってるっす!」 黒『しかもその餌がお弁当の残り物!』 裏「浅いっすね!」 黒『えぇ、浅いです!』 ---- *裏方さんと黒子さん#10 黒『裏方さん…』 裏「ど、どうしたっすか黒子さん。顔涙目っすよ!?」 黒『すみません、実は…』 黒『校長室の清掃してたら、うっかり花瓶を割ってしまいまして……』 裏「あちゃー、黒子さんらしくないイージーミスしちゃったっすねー」 黒『どうしよう…こんな失敗したことなかったのに…』 裏「気を落としたら駄目っすよ、黒子さん!」 黒『でも…』 裏「平気っす。校長先生は優しいから、きっと許してくれるはずっす!」 裏「さ、一緒に謝りにいくっすよー」 黒『いえ、これは私に責任のあることですから…』 裏「責任とかなんとか、あんまり難しく考えちゃ駄目っす」 裏「自分は、仲間が困ってるから力になりたいと思っただけなんすから!」 黒『……仲間?』 裏「はいっす!だからなるべく早めに校長先生のところへ……」 黒『………』うるうる 裏「へ?」 黒『………』くすん、くすん 裏「あわわわっ、なんでまた泣くっすか!?」 黒『………』ぐすっ、ひくっ 裏「あぁあぁ、こういうとき筆談って不便っすねぇ……」 お父さん、お母さん。私、いい友達に恵まれました。 ―――「黒子の日記」より、抜粋 ---- *裏方さんと黒子さん#11 裏「今日は、新ジャンルドラゴンさんの撮影っす」 黒『なんだか緊張しますね…』 裏「だーい丈夫っすよ!ドラゴンさん、ああ見えて優しいっすから!」 黒『そう、ですか…』 裏「あ、来たっす!」 ド「グルルル……」フシュー 裏「うひゃー、相変わらずデカいっすねー!」 黒『こ、怖い…』 裏「虎吉と同じと思えばいいっすよ」 ド「………」ズシン、ズシン 黒『こっちに来た!?』 裏「どうかしたっすか?ドラゴンさん」 ド「………」ペロリ 黒『ひゃあぁ!!』 裏「ああ、黒子さんのこと気に入ったんすね。そっすかそっすか」 ド「フシュルルル」ペロリ、ペロペロ 黒『嬉しいような嬉しくないようなー!!』 裏「仲良さそうで何よりっす!」 黒『見てないで止めてー!』 ド「………」ペロペロ ---- *裏方さんと黒子さん#12 裏『用事ってなんすか?黒子さん』 黒「えぇ…実は…」 黒「私、裏方さんに伝えたいことがあったんです」 裏『伝えたいこと?』 黒「はい…」 黒「私、私……裏方さんのことが好きなんです!」 裏『えぇぇ!?』 裏「………ハッ!夢か……」 裏「久々にゆっくり寝れたと思ったら、なんて夢を…」 その夢が、後に正夢になろうなどとは、この時の裏方には知る由もなかった……。 女友「余計なナレーション入れるんじゃない!」 友「痛い痛い、太ももつねるの止めてくれ俺が悪かった」 ---- *【灯台守さんと】 灯台守「灯台守です」 灯台守「秋です。虫がコロコロ鳴いています」 灯台守「星がとても綺麗です」 灯台守「風は順風、船もまっすぐ進むでしょう」 灯台守「灯台守です」     ◇ 灯台守「灯台守です」 灯台守「今日は、週に一度の定期便が来る日です」 灯台守「そろそろ時間かな」 裏方「ちわーっす、お荷物お届けにあがったっすー!」 灯台守「どうやら、来たようです」 裏方「ふぅっ、お疲れ様っす!」 灯台守「お疲れ様。いつもの配達人さんと違うんですね」 裏方「そうっすよー。いつもの人が腰悪くしちゃったんで、自分が代わりに持ってきたっす」 灯台守「ご苦労様です」 裏方「そちらこそ、いつも灯台の番お疲れ様っす!」     ◇ 灯台守「よろしければ、お茶でもいかがですか?」 裏方「いいっすか?じゃあお言葉に甘えて、いただくっす!」 裏方「外にもう一人いるんで、そっちも呼んでいいっすかね」 灯台守「はい」 裏方「ありがとうっす!」 裏方「黒子さーん、灯台守さんがお茶を飲んでいかないかって言ってるっすー!」 黒子『よろしいんですか?』 裏方「次の撮影まで時間あるし、ちょっとだけなら大丈夫っすよー!」 黒子『それなら私も、今からそちらに向かいます』 灯台守「それでは、お茶の準備をしてきます」 裏方「はいっす!」     ◇ 灯台守「どうぞ、お茶菓子もありますから」 裏方「すごくいい香りっすねー」 黒子『なんだか、中世のお城に来たみたいです』 灯台守「ゆっくりしていって下さいね、えっと……」 裏方「自分、裏方っていうっす」 黒子『私は黒子です。筆談は仕様ですので、どうかご容赦を』 灯台守「裏方さんと黒子さんですね。分かりました」 裏方「よろしくっす!」 黒子『よろしくお願いします』     ◇ 裏方「この紅茶、すごく美味しいっす!」 黒子『お茶の淹れ方、お上手なんですね』 灯台守「昼間はあまり、することがないのです」 裏方「いつも一人で、灯台の番をしてるっすか?」 灯台守「はい」 黒子『大変なお仕事ですね』 灯台守「そうでもありませんよ。夜は日誌をつけるだけですし」 裏方「でも、夜も一人っていうのはちょっと怖いっすねー」 灯台守「それももう、慣れちゃいましたから平気です」     ◇ 裏方「なんだか自分、灯台守さんに親近感湧くっす」 黒子『我々も、日の当たらないところで働く身ですからね』 灯台守「そうですか。お二人ともお忙しいのに、ひき止めてしまってごめんなさい」 黒子『謝ることありません』 裏方「そうっす。むしろ、美味しいお茶をご馳走になれて、こっちこそ役得っすよ」 灯台守「そんな風に言われると、少し恥ずかしいです」 裏方「灯台守さんはウブっすねー」 黒子『初対面で失礼ですけど、可愛い人ですね』 灯台「///」     ◇ 灯台守「ここがこんなに賑わったのは、初めてです」 裏方「自分は、元気だけが取り柄っすからね」 黒子『私たちでよければ、いつでも話し相手になりますよ』 灯台守「ありがとうございます。お茶、おかわりありますよ?」 裏方「うーん、ありがたいっすけど、そろそろ仕事の時間っすね」 黒子『あ、本当だ』 灯台守「では、お別れですね」 裏方「お別れだなんて、悲しいこと言わないでほしいっす」 黒子『近いうちに、また遊びに来ますから』 灯台守「そうですか」 裏方「そうっすよぉ!」 黒子『その通りです』     ◇ 裏方「ほいじゃあ、お邪魔しましたっすー」 黒子『お茶、ご馳走さまでした』 灯台守「お仕事頑張って下さいね」 裏方「はいっす」 黒子『はい』 ------------------------------------------ 灯台守「灯台守です」 灯台守「空が澄みわたって、星が輝いています」 灯台守「静かで、昨日よりも虫の声が響いてくるみたいです」 灯台守「寂しくは、ありませんよ?」 灯台守「むしろあの元気な二人に、また会いたい気持ちがいっぱいになりました」 灯台守「灯台守りです」

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー