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俺鮫希譚05


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当日、足りなくなりそうな備品をあらかじめリストアップしている

鮫「……」

何かしていないと、気が紛れない
それほどまでに、今の私は揺れている

紙とペンを持ち、目で色々な物を見ているが、心はここになかった
いらいらする
生理でもないのに

鮫「……」

考えないよう、考えないようにすればするほど考えて

……ああ、駄目だ
全く集中できない

最近ではあの人の笑顔よりも、あいつの愁いを帯びた顔の方が鮮明に思い出される
病気だ
しかも性質の悪い遅効性の猛毒を孕んだ

鮫「ふぅ」

誰もいない材料置き場で一人溜息
表では、祭りの準備が終わった面々で前夜祭の準備が行われている
ちなみに後夜祭もあるそうなので、実質三日間のお祭り状態が続く
本当、この学校の理事長はお祭りが好きなんだと実感する

鮫「……」

今はもう、いないあの人に訊ねてみる

私は、どうしたらいいの?

 …………

答える声なんか、ある訳が無い

鮫「……さ、終わらせちゃいましょう」

……あら?
砂糖の数がずっと少ないわね
……
皆、前夜祭の準備で忙しいだろうし、私が買ってこよう

俺「パンが無いならエクレアを食べれじゃいいじゃない」
友「わー。ちょーごーまーん。俺者だ」

そんな某国の女王のような事を言いながら、俺等は街にいた
前夜祭の準備とかね、もう面倒で

友「お前、元から何も手伝ってねーじゃねーか」

失敬な
俺は俺でやる事があったんだぞ
エクレアを食べたり、眺めたり、愛でたり

友「そろそろ病院に帰れ」
俺「ん?あれって鮫子じゃね?」
友「お?ほんとだ。どっかいくんかな」
俺「あ、こっちに気付いた」
友「速度上げてまるで他人のようにスルーしてく」
俺「コンビニに入った」
友「チョコミントを片手に出てきた」
俺「食った。凄い勢いで」
友「ごみを捨てた」
俺「こっちに向かってきた」

鮫「実況しないでくれる」

鮫「何してるのかしら」
俺「エクレアing」
友「ちょっと待て、どうやって発音した英語音痴」

ようするにサボっているわけね

俺「おい待てこら待てエクレアは立派な地域活動だぞ」
友「無理矢理な嘘吐くでねぇだ」

全く、こいつ等ときたら

友「そんな事より、何処か行くのか?」
鮫「ええ、買出しよ。ストックが予定よりも少ないのがあったから」
俺「砂糖なんて使ってないよ?エクレアにまぶして食べたりなんかしてないよ?」
友「……」
鮫「……」
友「お前もう糖尿病にでもなっちまえ」

馬鹿二人と別れて、暑い日差しの中を歩く
真夏の打ち水は遠くの蜃気楼を揺らめかせ
蜃気楼は実像を虚像に変え

みーんみんみんみーん
つくつくほーしつくつくほーしとってもいいのとってもいいのあああああああああああ

鮫「……」

暑い
熱い

窒息しそうなほど、ねっとりとした熱い空気
陸に打ち上げられた魚は、きっとこんなにも苦しいに違いない
足元がふらつく

近くを車が通り過ぎる

危ない、もっとしっかりしなくては

?「おい」
鮫「……?」

衝撃
そして闇に沈む意識