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おまけ話:キーホルダー


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男「焼きそば」
男「お好み焼き」
男「あれは・・・園芸部のお世辞にもきれいとはいえない花たち」
男「なんか似たり寄ったりだな。どこも。」

素クー「そんなことはないぞ。」
男「うわっ!後ろからいきなり話しかけるな!」
素クー「たとえ似たり寄ったりでも、一緒に周る人がいれば楽しいものだ。」

そこにはメイドの格好のままこっちを見ている彼女がいた。
男「おまえ・・・メイドの格好のままって・・・」
素クー「君を探しにきたんだ。」

真顔でそう言い放つ。やっぱりまっすぐ見つめられるのは少し、照れくさい。
ついつい眼を逸らしてしまう。

男「とりあえず着替えたほうがいい気がするぞ。」
素クー「なぜ?私はこれでも・・・」
男「周りのDQNが・・・」

周りには一般人の人だかり。なんだかんだ言ってもメイド姿の美少女は絵になるんだろう。
だがその人ごみを掻き分けてきたのは、明らかなDQN。
DQN1「メイド・・・!」
DQN2「メイド・・・だな!」
DQN3「メイド・・・ゲット!」
DQN1.2「ラジャー!」
DQN1.2.3「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」

なぞの掛け声とともにつっこんでくるDQNたち。

男「やべっ!逃げろ!」
素クー「最善策だ。」
男が差し出した手を、ぎゅっとつかむ彼女。なんだかそれは一枚の絵のようで、少し幻想的に見えた。

そして二人は、どこをどう通ってきたのか、いつの間にか中庭についていた。
男「はぁ、はぁ、はぁ、ここまでくればもう大丈夫だろう。」
素クー「あ。」

そう言った彼女は、少し焦った様な表情になる。あんまり見ない表情だった。

男「ん?」
素クー「ない・・・。」
男「どうした?」

その尋常じゃない雰囲気に男は聞いた。

素クー「キーホルダーがない・・・。」
男「キーホルダーって・・・この前ゲーセンで取ったクマさんつきの?」
素クー「そうだ。大事にポケットにしまってたのに・・・。」

少し泣きそうな表情を浮かべる。やはり普段見ない表情だ。

男「またとってやるよ。」

言ったか言わないか、彼女は必死な顔で反論する。

素クー「だめだ!あれがいいんだ!あれは・・・その・・・そう!私の大事なお守りなんだ!」

あまりにも必死すぎて、ちょっと圧倒されたが、そんなに大事なものだっけ?とおもってしまう。

男「お守り・・・?願掛けでもしてるのか?」
素クー「今は・・・いえない・・・。」

また、泣きそうになる。普段見せない表情だからか、少しドキッとなる。

男「そうか・・・。よしっ!じゃあ探すとするか!」

すくっと立ち上がって手を差し伸べる。

素クー「いいのか?文化祭周るんじゃないのか?」

彼女は差し出された手を握り返して立ち上がる。

男「別に今日一日ってわけじゃないし、それに一人よりも二人・・・だろ?」

我ながらくさいセリフだ、と男は思った。

素クー「・・・ありがとう。」

素直にお礼を言われて、照れくさそうに頭をかきながら男は考えを巡らせる。

男「とりあえず・・・来た道戻ってみるか・・・。」

一番分かりやすくて見つかりやすい方法だろう。だが・・・

男「道・・・覚えてないな・・・。」
素クー「いきなり躓いた・・・。」

校舎内を探し始めて1時間。なかなかみつからない。
男「見つからないな。」
素クー「・・・私がちゃんと持ってれば・・・。」
唇を噛み締めて空を見上げる彼女。不謹慎ながら少しかわいいと思ってしまう。
男「もしかしたら・・・さっきのDQNか・・・?」
ふと思い当たった可能性。でも、わざわざもって行くか・・・?
素クー「あいつらか・・・?よし。探そう。」
すたすたと歩いていく彼女。さっきまでの泣きそうな表情が嘘みたいだ。

一時間ほど前・・・。
DQN1「こ、これ・・・。」
その手には小さなクマのキーホルダー。
DQN2「あの子が落としていった・・・。」
DQN3「・・・これもってればまた会えるんじゃない?」
DQN1.2「・・・おまえ、天才だな。」
DQN3「やめろよ。照れるじゃねぇか。」

一時間後・・・。
DQN1「・・・!!あの子だ!!!」
DQN2「絶対ひぃひぃいわしたる!!!」
DQN3「確保ーーーー!」

ものすごい勢いで突っ込んでくるDQN。
男「うわっ!」
素クー「くっ!」
引き離される二人。あわてて彼女の元に向かう男だったが、行く手をDQNどもが阻む。
DQN1「この先は」
DQN2「とおさねえぜぇ」
男「・・・ま」
DQN3「あ?なんだって?」
男「・・・おま・・・ゃま」
DQN1.2.3「きこえねぇんだよ!!!」
男は一気にDQNの懐に入る。
男「お前ら邪魔だって言ってんだよ!!!!!!!!!!!」
吹き飛ばされるDQN1.2。
DQN1.2「あべしっ!!!」
男「大丈夫か?」
素クー「ああ、なんとか。」
男「ほれ。」
その手にはクマのキーホルダー。
素クー「すまない・・・。」
男「気にするなって。でさ・・・それって何の願掛けしてたんだ?」
素クー「・・・おしえない。」
男「えー。・・・そっか。いつか教えてくれよ!手伝うからさ!」
バンと背中をたたく男。
男「よし!じゃあ探し物も見つかったし、クラスに一回戻るか!」
素クー「そうだな。」
歩き出す二人。彼女は歩きながらつらつらと思いだす。
(いつか、あなたがこのキーホルダーを取ってくれる時に「一発で取ったら何でも言うこと聞くよ。」って言ってた。私が一番叶えてほしいこと。いつまでも、あなたと一緒にいること。でもまだ、いえない。だって・・・。)
気のせいか、少し晴れやかな表情の彼女はクラスに、みんなのいるクラスに入っていった。