43 : ◆otXcqJ9cB. [saga]:2012/02/11(土) 15:25:11.28 ID:2OPeyWl6o
バレンタイン――――それは製菓会社の陰謀と女の思いと男の涙が渦巻く日。
聖杯戦争を終えたアナタにも、その魔の手は迫る。
さあ、君はどのアナタが見たい?
大体はギャグ時空なんだゾ。
初代『言峰』
二代目『物理』
五代目『LOVE』
六代目『紛争』
↓7
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 15:25:43.08 ID:A7XAvsd5o
初代
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/11(土) 15:26:44.18 ID:L7RtY3h30
愉悦二号のバレンタインだと・・・。
57 : ◆otXcqJ9cB. [saga]:2012/02/11(土) 15:29:37.54 ID:2OPeyWl6o
>>50
選んでしまったな、君は。
あの男は世界に絶望した。
救いのない場所。
貴方には穏やかな景色すら空虚な残骸にしか感じられなくなってしまった。
貴方は嗤う。
ただ、嗤う。
1:第五次聖杯戦争前
2:第五次聖杯戦争後
↓5
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/11(土) 15:30:13.13 ID:0IYMuwGP0
2
69 :◆otXcqJ9cB. [saga]:2012/02/11(土) 15:38:51.85 ID:2OPeyWl6o
>>62の判定:2
――――言峰綺礼が死んだ。
貴方はそう聞いていた。
同じく、ギルガメッシュも。
それを貴方はただそれを受け入れた。
ただ安楽椅子に腰掛け、キィと音が鳴るのを聞く毎日。
それが暫らく過ぎて、どれだけの時間が経っただろうか。
気づけば、貴方の傍には一人の少女が居た。
カレン「また、食事を残しているのですね」
《初代アフター~破綻者の末路~》
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/11(土) 15:41:33.88 ID:cE0tXcKZ0
シリアスじゃないですかー
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/02/11(土) 15:43:32.54 ID:Nmfqqa0b0
ビターなバレンタインになりそうだな
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(青森県) [sage]:2012/02/11(土) 15:44:27.95 ID:1ZinPd/K0
だがそれがいい!(ニヤッ
75 : ◆otXcqJ9cB. [saga]:2012/02/11(土) 15:49:13.66 ID:2OPeyWl6o
―――食欲が、沸かなくてね。
貴方はそう少女に答える。
カレン・オルテンシア。
本人は否定も肯定もしないが、綺礼の娘。
貴方を綺礼と同じく、教会で保護する少女。
そんな彼女はあまり食されていない食事に、眉を顰めた。
だが同時に、それを何も言わずに許容する。
椅子が軋んで、キィと啼く。
カレン「食べなければ、死にますよ」
―――もう死んでるよ、半分はね。
泥の呪い。
あのとき、エミヤとの決戦後に貴方はそれに触れた。
今まで持ったのは、相性が良かったからだろう。
同じように、綺礼も死んだ。
なら貴方も、死ぬときは死ぬ。
それを漠然と理解しているだけだ。
別に、投げやりな訳じゃない。
そう貴方は力なく笑うと、カレンは絞ったタオルを持ってきている。
そして、貴方の体をゆっくりと拭いていた。
77 : ◆otXcqJ9cB. [saga]:2012/02/11(土) 15:57:59.95 ID:2OPeyWl6o
カレン「少なくとも、そう死なれては困ります。ここは神の家、ならば貴方のような破綻者を神の御許に送るわけにはいきません」
―――酷い言い草だな。
カレン「ですが、事実です」
―――……そうだな。
確かに、色々やってきた。
殺し、殺され、そうして生きてきたんだ。
確かに、こんな人間が神さまの家で死ぬのは変だろう。
出て行こうか?
そう貴方は問いかけると、彼女はそれを否定した。
カレン「ですが、貴方は生れ落ちた子羊のようにか弱く、迷える存在。神は貴方を受け入れますことでしょう」
―――神様ってのは、太っ腹なことだ。
そういえば、10年前にもあの殺人鬼は言ってた。
神様は全人類を愛してる。
なるほど、アガペーという奴だ。
神は全人類の隣人である。
隣人愛、隣を愛せという奴だ。
―――なら、貴方も隣人を愛した方が良いのかな?
―――それとも、愛してくれる?
そうカレンに聞くと、彼女は口を開いた。
カレン「“私なりの愛し方”で宜しければ、そうしますよ?」
―――聞かなかったことにしてくれ。
貴方は即答する。
キィと、小さく音が鳴る。
それが段々、弱弱しくなっていく気がした。
80 :◆otXcqJ9cB. [saga]:2012/02/11(土) 16:07:39.36 ID:2OPeyWl6o
カレン「逝くのですね」
―――ああ、逝くよ。
カレン「ようやく世話から開放されます」
―――頼んだ覚えはないけどな。
カレン「何か、必要なものはありますか?」
―――持てる荷物はもう無いよ、重すぎて潰れそうだ。
貴方は理解していた。
もう、終わる。
貴方の夢が終わる。
もう、目が覚めるときなのだ。
目を閉じ、口を開く。
そして大きく息を吸い込み、吐き出す。
同時に、口に広がる甘い味。
絡み合う、舌と舌。
目を開ければ、金色の瞳と銀色の髪が視界に広がる。
それが離れたとき、その間には糸が伝っていた。
カレン「あの外道マーボーの反動で、甘いものが好きでしたよね?――――どうでしたか」
なんともなしに、そうカレンは言う。
貴方はそれに、笑った。
滅茶苦茶だ。
それが何か面白いのか、笑いが出た。
そのまま、貴方は安楽椅子に沈んだ。
目を閉じる。
厳かな教会の一室。
そこでキィと、小さく最後に響いた。
もう、安楽椅子が揺れることはない。
《END》
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage saga]:2012/02/11(土) 16:09:37.63 ID:SJPg2f/F0
うろぶちっく
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 16:09:39.80 ID:t+vdzAKh0
なんというビダーエンド
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 16:10:07.29 ID:rkGAuJE8o
せつないな
84 :◆otXcqJ9cB. [saga]:2012/02/11(土) 16:10:11.08 ID:2OPeyWl6o
ちょっと休憩しますね。
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 16:13:05.52 ID:gB5ZKUmi0
ラスボスは最後まで主人公に気付かれずに逝ったな、流石だ。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/02/11(土) 16:14:14.65 ID:FOVxuqnUo
ひっそりと逝ったか、だが良かったと思う
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/02/11(土) 16:14:37.83 ID:Nmfqqa0b0
ラスボスって言うより黒幕だったな……こういうの好きだ
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/11(土) 16:15:31.98 ID:4O5qzJe80
シリアス系ラスボスの最後ってなんか良いよね
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 16:16:41.02 ID:t+vdzAKh0
散々不幸を振りまいておいて自分は安らかに逝く辺り流石だ。黒幕はこう在るべき
最終更新:2012年02月20日 00:40