あまのじゃっく
新ジャンル「庭が異世界」01_vol2
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a_jack
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新ジャンル「庭が異世界」
- 18 宿屋の女中 2006/11/21(火) 00:03:06.05 ID:uSLBUEar0
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「よろしく、頼むよ」
これも一つの余興ではあるか。
口に浮かびそうになった苦笑いを盆の上に乗せてあった茶で流し込み、洞々とした庭の入り口を見つけながら少女に笑う。
若い庭師がいた年老いた庭師がいたそれほど若くもなく老いても居ない庭師がいた
女の庭師がいた男の庭師がいた老女の庭師がいた老翁の庭師がいた
それら全て、居なくなった。そして今日、新しい庭師が来たのだ。
食人植物に食われた者がいた怪物に取り殺されたものがいた
庭から帰ってこないものがいたやめたいと言い出したものがいた
それら全て、この庭を制することはなかった。
では数百人で初めて『自分はプロである』と豪語した少女は如何な者か。
家の庭は、異世界だ。
遠くの方で誰かしらの悲鳴が聞こえていた。
家の庭は、それ程異世界なのだ。
なんか老成した爺ちゃんと若い庭師との物語みたいなら、
何か新しい方向性も見出せるんじゃね?と思ったけど、
そうでもなかったみたい。何かだらだらとごめん。 - 27 VIP村人v 2006/11/21(火) 00:14:03.36 ID:iunRrzAD0
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- 29 VIP足軽c 2006/11/21(火) 00:15:24.05 ID:e7gtnzM00
- 若 「ちょ、誰?」
女庭師「新しい庭師です これからよろしくお願いします」
若 「ああ・・・気をつけてくださいね・・・」
女庭師「たぶん大丈夫だと思います」
若 「ああ・・・みんなそう言ってたんだけど・・・油断しないで」
女庭師「これをね、こうして、ドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!」
普通の庭になった
よかった
- 33 宿屋の女中 2006/11/21(火) 00:23:36.51 ID:uSLBUEar0
-
寝る前に支援。
ある日家の庭師が怪我をして庭から帰ってきた。
「君、き、君! 腕を怪我してるんじゃっ……!」
縁側で1人黄昏ていた私を見つけるや否や、庭師は笑いながら手を振る。
その振り上げられた手に縦一閃に走る赤い線を見つけ、私は立ち上がり彼女の元へと駆ける。
夕暮れ時の橙に染まる世界。そこに線を描く少女の生々しい赤は、
私にとって庭の入り口である黒よりも何やら、恐ろしくそしてとても鮮明に移った。
その赤が黒よりも恐ろしく、そして鮮明であったから。
だからこそ、なのだと思う。
「待っていろ、今、今すぐ救急箱を」
「いいっすよ。こんなの傷の内にも入りません」
平坦な少女の声が何度も何度も鐘の余韻にも似た波紋を持って響き続けたのは
「しかし、そんな怪我で「旦那様」
少女が私を捉えた。
目を合わせてはいけない。そう私は直感しているのだけれど。
目をそらさなければいけない。そう私は理解しているのだけれど。
そらす事もできなければ、瞑る事さえ出来なかった。今や私の心臓の鼓動一つでさえ、目の前の相手に操られているのだと、そう感じた。
少女の視線は私から逸れない。私の視線もまた、少女から逸れない。
「プロですから――っ私はこの家の、庭師ですから……」
なんかどうか居てもバットっぽい。ごめん。 - 34 だんご屋のはる 2006/11/21(火) 00:24:49.36 ID:P035pnE10
- 庭「ちぃーす、さすらいの庭師でーす」
若「……あの、庭師なんて呼んでないんですけど」
庭「だから「さすらいの」って言ったじゃないっスかwwwwwww聞こえなかったんっスかwwwwww」
若「……で、その庭師さんがうちに何の用で?」
庭「ここの庭がウザったいんで刈らせて欲しいんっスよ」
若「……いいですけど……無理だと思いますよ、ご覧の通りうちの庭は異世界で……」
庭「そりゃ貴方みたいな素人には無理っスよwwwwwwwww黙っててくださいっスwwwwwwwwww」
若「……」
庭「それに近所からも苦情出てるんスよwwwwwww迷惑だって自覚ないんスかwwwwwwwwwwww」
ピッポッパ
若「あの……どこに電話して……」
庭「もしもしー、あ、大統領っスかー? デイジーカッター一つ出前してくれっスー」
若「帰れ!!」
- 35 VIP村人v 2006/11/21(火) 00:31:00.17 ID:iunRrzAD0
-
女庭師「若、髪伸びたっすね~」
若 「そうだな、そろそろ切らないと」
女庭師「あ、私切りましょうか~?」
若 「おお、切れるのか」
女庭師「はい、こんなもの草切るのと一緒っすよね?」
若 「まさか、おまえ刈り込みバサミで・・・」
女庭師「なわけないじゃないっすか~剪定バサミっすよ~w」
若 「一緒だ!」
チョキチョキ
若 「・・・うまいな」 - 36 VIP村人v 2006/11/21(火) 00:32:19.56 ID:iunRrzAD0
- >>33
いいっすよw
- 38 VIP村人v 2006/11/21(火) 00:48:04.55 ID:iunRrzAD0
-
若 「なぁ、この花なんて言うんだ?」
女庭師「それはっすね~リューココリネっす」
若 「・・・いい花だな」
女庭師「クックック・・・」
若 「何がおかしい」
女庭師「さすが若っすね~、その花の花言葉しってます?」
若 「花言葉?」
女庭師「温かい心」
若 「な!?」
女庭師「照れるなw照れるなw」
若 「帰る!」
女庭師「あ~ん、若のいけず~ww」 - 39 VIP村人v 2006/11/21(火) 00:57:08.66 ID:iunRrzAD0
-
若 「お~い」
女庭師「なんすか~わkって動くなっ!!」
ヒュッ! ザク!!
若 「な、なにす・・・」
女庭師「肩にトリスメギサソリがいたもんで~
さされたら死にますよ。んで、なんすか?」
若 「あ、ああ・・・何か飲むか?お茶にしよう」
女庭師「梅昆布茶でe」
- 40 VIP村人w 2006/11/21(火) 01:08:03.58 ID:iunRrzAD0
-
若 「綺麗な花だな」
女庭師「あ~その花トゲが・・・」
若 「ッツ!」
女庭師「ほら言わんこっちゃない
人の話は聞いた方がいいっすよ~」
若 「おまえが言うなよ」
女庭師「あ~これくらいなら、ちょっと待っててください」
若 「ほら、言ってるそばから無視かよ」
女庭師「はい、薬草っすこれを傷口に塗っといてください
すぐなおりまよ~」
若 「そんな物まで育ててるのか」
女庭師「あ、屋敷の裏に世界樹植えときましたから
死んじゃった時は言ってください」
若 「なんで、そんなものが!」
女庭師「冒険者の必需品っすよw」
若 「どこで仕入れた」
女庭師「え~と…プ、プロっすからwwww」
若 「答えになってねぇよ」 - 45 VIP村人e 2006/11/21(火) 01:51:15.02 ID:Mvqg7pqQO
- 頑張れ
- 48 籠屋の銀二 2006/11/21(火) 02:18:51.85 ID:zRGD4vnE0
- おもしろいな
むかしあった「女庭師」思い出した
- 64 VIP神 2006/11/21(火) 14:00:44.40 ID:iunRrzAD0
-
若 「その麦藁帽子もうボロボロだな」
女庭師「そ~すね~いろいろありましたから」
若 「いろいろ・・・新しいの買ってやろうか?」
女庭師「いや~いいっすいいっす!これで」
若 「なんでだ?」
女庭師「だってコレ・・・若がぁ・・・」
若 「だって何だ?」
女庭師「あっえっと!え~と・・・あっコレは赤髪のsy」
若 「待て!それ以上言うなゴム人間」 - 72 VIP侍 2006/11/21(火) 19:10:44.40 ID:iunRrzAD0
-
若 「バナナ?」
女庭師「あ~それ唐種招霊っす
中国から輸入されたのにバナナのニオイがするって
不思議っよね~」
若 「ほ~ん?こっちもバナナのニオイがするな」
女庭師「それはバナナっす」
若 「え?」
女庭師「バナナっすぅ~」
若 「なんでこんなところに・・・」
女庭師「育てました」
若 「おい!」
女庭師「いや~だって小腹がぁ~」 - 73 VIP村人z 2006/11/21(火) 20:02:17.07 ID:rtE656nN0
-
若 「トマトにサツマイモ、バナナ、キュウリ、カボチャ、ハーブも数々」
女庭師「ああ~。駄目っすよ若~、乙女の花園に勝手に踏み込んじゃ~」
若 「ここはウチの庭だろが!」
女庭師「しまった~ばれた~(棒読みで)」
若 「……殴ってもいいか?」
女庭師「お断りっす」
若 「それはそれとして、聞きたいことがある」
女庭師「なんすか?」
若 「あそこに生えてるのはなんだ?」
女庭師「ドリアンっす」
若 「育てんなあっ!」
女庭師「まあまあ、若も食べます?」
若 「切るな! そしてこっちに持ってくるな! 臭い! 臭い!」
女庭師「ま~ま~ま~」
若 「うわぁぁぁぁ!」 - 74 VIP村人z 2006/11/21(火) 20:17:11.85 ID:rtE656nN0
-
若 「ぜぇ、ぜぇ……酷い目にあった……」
女庭師「まったくですね」
若 「お前のせいだろ!」
女庭師「ドリアンが臭いのが悪いんすよ」
若 「そんな無茶苦茶な……。
つうか、アレは片しとけよ、ちゃんと」
女庭師「うい。ここからいなくなるまでには元に戻しておきますよ~」
若 「は? いなくなる?」
女庭師「旦那様の依頼、忘れたんすか?
私の仕事は『この庭を元通りにすること』じゃないっすか。
それが終わったら、契約もめでたく満了っす」
若 「そ、そうなのか……」
女庭師「あ、今ちょっと寂しくなりました?」
若 「いや、それはないけどな……」
女庭師「あはは、それもひどいっすね~。
じゃ、早速ひと仕事行ってくるっすよ~」
若 「あ」
ドドドドド……。
若 「……行っちまった」
若 「……それは、ない……よな?」 - 75 VIP将軍 2006/11/21(火) 20:26:50.56 ID:iunRrzAD0
- GJ
- 76 VIP将軍 2006/11/21(火) 20:52:13.26 ID:iunRrzAD0
-
チョキチョキ
若 「うまいもんだな」
女庭師「いや~そんなことないっすよ~」
チョキチョキチョキチョキ
若 「いや、今まで見てきた中で一番うまいぞ」
女庭師「またまた~ww」
チョキチョキチョキチョキ
チョキチョキチョキチョキ
若 「いや、ホントだぞ・・・ってちょっと切りすぎじゃないか?」
女庭師「褒めすぎっすよ~wwww」」
チョキチョキチョキチョキ!
チョキチョキチョキチョキ!
チョキチョキチョキチョキ!
若 「お、おい!・・・あれ?ハートマーク?」 - 78 VIP村人y 2006/11/21(火) 21:34:41.18 ID:Mvqg7pqQO
- >>76
イイヨイイヨ
- 79 姫 2006/11/21(火) 22:14:12.32 ID:uSLBUEar0
-
起きる前、意識が覚醒する直前。無意識と意識の狭間。
そこへ静かに身を委ねていた私は、ふと。どこかが交じり合わない違和感を覚えた。
どこかが違うのだ。
細部の細部、正解と良く似たジグソーパズルを手に掴まされたような、感覚。
違う事は理解出来るのだけれど、何処が違うのかはっきりと言い表す事が出来ない。
「あ……」
原因を勘ぐる思考。
探ろうと暖かな寝床の中から這い出し、朝の冷えきったそれに体を晒した所でやっと気付いた。
そうか。今まであったかすかな音が、今日は無いのだと。
目覚めと共に聞いていたはずの音を、今日に限って私は捉える事がないのだと。そう気付いた。
「あ……」
外気と酷似した、凍りつく喉を意味のない言葉で震えさせ、私はまたゆるゆると弱い動作でフスマへと這った。
手が震えるのは、寒さだけの理由ではない。
「ああ……」
外を見た。違和感の原因を知った。そして、絶望した。
「いない、いない」
- 80 姫 2006/11/21(火) 22:18:49.86 ID:uSLBUEar0
-
事情を飲み込みたくないのに、思考は凍りつくのに、何故か舌だけは事実を何度も繰り返していた。
庭師が、いない。
いつもは庭の入り口にある木やら草やらを剪定していた庭師がいない。
鋏の混じり合う音がない。じいとその方を見る私に気付き、そうして笑う彼女の姿が見えない。
フスマに付けていた手が意外の内に下がる。
世界の温度がコンマ刻みで下がっていく。思考、視界、世界。その全てが凍り付いていく。
それでも喉は震えていたああああ。ああ、あああ。
双眸に入るのは緑。生い茂るは木、草、そして森。
獣道のような入り口にはただ洞々とした闇があるばかりである。
この奥にどのような暗い淵があるのか、それはこの土地主である私でさえ知る所ではない。
庭師のいない庭。
何度この風景を見て私は慙愧に浸っただろう。
幾度この風景見て感傷の淵へと身を投げただろう。
何百回目のはずなのに、何故私は一抹の慙愧を感じていないのだろう。
何故心にあるのは絶望だけなのだろう。
そして何故。
「旦那様?」
ふいに、私の背後からした声の主が誰であるかの判別を、
いつもの消去法ではなくその声の響きで、決めてしまったのか。
- 81 武器屋のじじぃ 2006/11/21(火) 22:22:18.63 ID:iunRrzAD0
- いいね
- 82 武器屋のじじぃ 2006/11/21(火) 22:24:31.68 ID:iunRrzAD0
-
若 「将来的にはこの庭をどうするんだ?」
女庭師「ん~」
若 「日本庭園とか洋風庭園とかあるだろ」
女庭師「まず、トウモロコシときゅうりとトマトを~」
若 「庭を作れ!」
女庭師「ひまわり」
若 「ん?」
女庭師「ひまわりでいっぱいにしませんか?」
若 「ひまわりか・・・いいな
よし、がんばって作るか!」
女庭師「ひまわりの種ってけっこううまいんすよw」
若 「それが目的か!」
- 83 姫 2006/11/21(火) 22:26:28.86 ID:uSLBUEar0
-
「旦那さ――っ?」
庭師である。
振り向き様の言葉はなく、その代わりに彼女を抱きしめた。
腕を介して伝わってくる彼女の体温。
それが凍り付いていた全ての物に息をつかせる。
思考、視界、世界。その全てがまた相応しい温度へと戻っていく。その中で喉だけは動かなかった。
その分。喉が動かぬ分私は腕へと力を込めた。
離さないようにと。もう二度と零れ落ちないようにと。
「あの、その、前使ってたのがダメになって、
新しいのを買いに出かけたのですが」
旦那様が寝ている内にでもと。
しどろもどろの言葉が背中ごしに聞こえた。
それでも私は返答しない。ただ黙って腕の力を強めた。
回される庭師の腕。
その体温だけをこの世界の全てにしても良いと、私は思った。
バットばかりじゃつまらないので、萌え路線を狙ってみたが、微妙。
俺のレスの方が異世界だって話だ。 - 85 武器屋のじじぃ 2006/11/21(火) 22:32:16.71 ID:iunRrzAD0
- >>83
なんかシリアスなエロの雰囲気
- 87 姫 2006/11/21(火) 22:36:07.30 ID:uSLBUEar0
- >>85
エロ突入したらしたで若が庭師庭師連呼で逆に萎えね?
庭師の旦那様、若はいいと思うけど。
「旦那、さまぁ……っ」みたいな。
- 88 武器屋のじじぃ 2006/11/21(火) 22:38:29.38 ID:iunRrzAD0
- >>87
いや、本当にエロ方面に行かれても困るがw
ただの感想
- 89 VIP村人a 2006/11/21(火) 22:42:03.54 ID:IM0cqlA70
-
庭「どうっスかwwwwwwとりあえず縁側の周りは刈り終えたっスよwwwwww」
若「あの……これは刈り終えたというより刈り尽くしたといった方が正しいのでは……」
庭「なんせ異空間っスからねwwwwwwちょっとでも残ってると気持ち悪いんで全部取っ払っちゃいましたwwwwww」
若「なんというか……庭というより焼け野原ですね……」
庭「これはこれで趣があるんじゃないっスか? 少なくともあんな公害認定されそうな不気味な庭よりマシっスよwwwwww」
若「……」
- 90 VIP村人a 2006/11/21(火) 22:53:03.53 ID:IM0cqlA70
- 若「おはようございます」
庭「おはよーっスwwwwww今日の朝飯なんスか?」
若「野菜炒めと焼き魚です」
庭「ちょ、野菜炒めっスかwwwwww勘弁してくださいよwwwwww」
若「え……なにか野菜関係でアレルギーでも?」
庭「だからエロゲじゃあるまいしそんな複雑な設定ないっスよwwwwww何回同じ事言わせるんスかwwwwww」
若「では何故……」
庭「鈍いっスねwwwwwwなんで普段植物相手に仕事してるのにメシの時まで草見なきゃなんないんスかwwwwww」
若「……ようするに、庭師さんは野菜が苦手だと」
庭「……まあ、そうとも言……って、何ニヤニヤしてるんスかwwwwww不気味っスよwwwwww」
若「それはいけませんね。偏食は健康と美容の大敵ですよ」
庭「ちょ、弱みを見つけたら集中攻撃っスかwwwwww意外と性格悪いっスねwwwwww」
若「いえいえ、庭師さんにはいつも助けていただいてますから、しっかり栄養を取ってもらわないと」
庭「や、やめてくださいっスwwwwwwひ、人呼びますよwwwwww」
若「どうぞご自由に。あいにくこの庭のせいで隣家との交流がうすいので誰も来ないと思いますがね」
庭「ま、マジっすk……あ、あひぃぃぃぃぃぃ!」
- 91 武器屋のじじぃ 2006/11/21(火) 22:55:26.97 ID:iunRrzAD0
- 庭師のイメージはフリクリの
ハル子+マミ美
- 92 姫 2006/11/21(火) 22:59:38.24 ID:uSLBUEar0
-
起きる前、意識が覚醒する直前。無意識と意識の狭間。
そこへ静かに身を委ねていた私は、ふと。どこかが交じり合わない違和感を覚えた。
どこかが違うのだ。
細部の細部、正解と良く似たジグソーパズルを手に掴まされたような、感覚。
違う事は理解出来るのだけれど、何処が違うのかはっきりと言い表す事が出来ない。
「あ……」
原因を勘ぐる思考。
その根本を探ろうと暖かな寝床の中から這い出し、朝の冷えきったそれに体を晒した所でやっと気付いた。
そうか。今まであったかすかな音が、今日は無いのだと。
目覚めと共に聞いていたはずの音を、今日に限って私は捉える事がないのだと。そう気付いた。
「あ……」
外気と酷似した、凍りつく喉を意味のない言葉で震えさせ、私はゆるゆると弱い動作でフスマへと這った。
手が震えるのは、寒さだけの理由ではない。
「ああ……」
外を見た。違和感の原因を知った。そして。
「おはようございます、旦那様」
- 93 花魁 2006/11/21(火) 23:00:28.19 ID:uSLBUEar0
-
剪定バサミ片手に笑う庭師を見た。白に埋め尽くされる世界を見た。
落とした吐息も白かった。天を仰げば、空もまた見事な曇天で。
ひしめき合う鉛色と、太陽のお蔭かほんの少しだけ明るくなっている東の空。
轟々とした鉛色から
「雪か――」
「はい、初雪っす」
深々と降る純白の白さと言ったら。
音が聞こえない理由を、その時私は始めて真に理解した。
音は、音となる前に空中で凍りつき、雪と共に私の足もとへ落ちていっているのだと。
雪は音を吸収すると言う。その通りだ。
寝間着のまま外へと出て、白に埋め尽くされた地面へと足を付いた。
きゅうと言う音。その音は雪鳴きか、或いは音となるべきだった物の残骸か――
赤っ鼻のトナカイならぬ庭師の横に立ち、天を仰ぎながら声を掛ける。
音となる前に雪と交わらなければいいのだけれど、と思いながら。
「どれ、中へ入ったらどうだ。休憩しよう。……熱い緑茶があるぞ」
庭師が目をむく。そうして顔を綻ばせて。
はい。と言う声が白の中に響くまで、そう時間は掛からないだろう。
ごめん趣味。本当に俺のレス異世界だな。
>>89
あえて逆方面狙ってみたぜ! - 94 VIP村人xxx 2006/11/21(火) 23:04:38.19 ID:rtE656nN0
-
- 95 門番の娘 2006/11/21(火) 23:08:34.72 ID:iunRrzAD0
-
若 「もうすぐクリスマスだな」
女庭師「そういえばそうっすねぇ~」
若 「何か予定とかあるか?」
女庭師「いえ、とくにないっすけどぉ・・・」
若 「俺もだ」
女庭師「・・・」
若 「・・・」
女庭師「じゃあ、一緒にクリスマスツリー作りましょうかぁ?」
若 「ああ、モミの木買わないとな」
女庭師「あっ庭に生えてますよぉ~」
若 「マジかよ!さすが異世界」 - 96 VIP村人xxx 2006/11/21(火) 23:12:48.94 ID:rtE656nN0
- 寝る前に支援
http://imepita.jp/trial/20061121/832950
>>35をお借りしました。
- 97 VIP村人x 2006/11/21(火) 23:13:19.95 ID:PKovIMnM0
- >>96
(*^ー゚)b グッジョブ!!
- 98 門番の娘 2006/11/21(火) 23:14:48.25 ID:iunRrzAD0
-
- 99 VIP村人xxx 2006/11/21(火) 23:27:05.41 ID:rtE656nN0
-
若 「大分すっきりしたなぁ」
女庭師「頑張ったっすよ~。ばっさばっさ切ったっすよ~。
褒めて下さいよ~」
若 「おう、よくやった」
女庭師「ありがとっす~。
いやぁ~、これでようやっと庭での作業に取りかかれますよ~」
若 「……は?
何言ってんだ、今まで散々切りっ散らかしてただろ」
女庭師「若こそ何言ってるんすか。
今までのは単に家の周囲をすっきりさせてただけで、今からメインの庭っすよ」
若 「いや、どんだけ広いんだよウチの庭……」 - 100 門番の娘 2006/11/21(火) 23:32:44.90 ID:iunRrzAD0
-
バレンタイン
女庭師「どうでした?」
若 「何がだ?」
女庭師「もう、とぼけちゃってぇ~
今日バレンタインすよ~」
若 「ああ、今日か
今までもらった事ないからなすっかり忘れてた」
女庭師「へぇ~(結構可愛い顔してんのに)」
若 「ん?何か言ったか?」
女庭師「あ~えと、あげましょうか?」
若 「なっ!?」
女庭師「ちょっと待っててくださいねぇ~」
若 「お、おう・・・」
女庭師「はいっ!」
若 「・・・なにコレ?」
女庭師「カカオ」
若 「実かよっ!」
女庭師「加工はセルフっす」 - 101 VIP村人XL 2006/11/21(火) 23:32:45.82 ID:Mvqg7pqQO
- 庭師いいな
- 102 門番の娘 2006/11/21(火) 23:43:54.18 ID:iunRrzAD0
- ホントに絵師やばいな
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