The Metal Foundry SDX
Metal Foundryとは金属鋳造所という意味。つまりこれはメタルを作るための音源なのである。
一口にメタルといっても、メタルドラムの音というものにも結構種類があったりするものだけど、
この音源はキットピースの収録数が結構多いので、だいたいどんなジャンルのメタルにも対応できると思う。
特に手数足数系のメタルをやる場合にはこの音源を買っておいて損はないと思う。
公式ページや代理店ページを見ればわかるとおり、
かなりの数のキットピースが収録されているので、音色の選択肢がとても多い。
特に、バスドラム、スネア、タムにはかなり傾向の違う音が含まれているので、
各キットピース内の膨大な候補の中から好みの音色を選んでいくだけでも、そこそこ自分好みのドラムセットの音が作れるんじゃないかと思う。
音の傾向としては、N.Y.-AVATARと比べると、くっきりしていて硬い感じ。
なんというか、N.Y.-AVATARにあったぼやけた感じがなく、
ルームマイク等に含まれる残響もよりぼわつきのないナチュラルな音に聴こえるので、
色々な音を鳴らしても、それらひとつひとつが混じり合わずにしっかり聴き取れる気がした。
まあ、選択するキットピースの種類や、選択するマイクの種類によって音の印象は様々に変わってくると思うので一概には言えないけど、
そういう観点で言えば、この音源は残響多めの重めの音にして一発一発にパワーを込めてズシンズシン叩くようなジャンルより、
残響少なめの硬めの音にして、手数足数の多い高速フレーズをベチベチ奏でるタイプのジャンルに向いているように思える。
でももちろん、マイクもたくさん用意されているしキットピースの種類も多いから、
それらの組み合わせ次第では、幅広いジャンルのメタルに対応できると思うよ。
バスドラムとスネアには、重い系の音にして使ったほうが映えそうなキットピースも多い気がするしね。
あとこの音源には、他の音源にはなかなか入っていない小口径のタムが収録されているのも面白かった。
単体で聴くと情けない音だけど、フィルインに混ぜたりするとアクセントになって良い感じ。
ミキサー上に表示されるトラックはこのようになっており、
各キットピース用のマイクの他には、
オーバーヘッドマイク、ドラマーの頭らへんに設置したオーバーヘッドマイク、
ドラムセットの近くに設置したルームマイク、ドラムセットから離して設置したルームマイク、
ドラムセットの近くに設置したモノラルマイク、ドラムセットから離して設置したモノラルマイク、
リバーブのかかったマイク(おそらくスタジオのエコーチェンバーを使って録音したものかな?)
が用意されているので、
その中から好きなマイクをチョイスして使ったり、必要に応じて複数のマイクの音を混ぜて使ったりすることもできる。(俺はあまりやらないけど。)
複数のマイクの音を混ぜて使う場合は、ミキサー画面のINDIVIDUAL BLEED機能を使って各キットピース毎にミックスの比率を変えてみるのも良いかもしれない。
また、スネアの表裏の音もダイナミックマイクとコンデンサマイク両方を使って録られているので、
求めるニュアンスに応じて好きなほうのマイクを選ぶことができるし、もちろん必要があればそれらのマイクの音をブレンドして使うこともできる。
また、どこに立てたマイクなのかよくわからないんだけど、
スネア用にはもう一本Snare Trashっていうマイクも用意してあるので、これをいろいろ加工して隠し味的に混ぜるのが俺のマイブームだ。
アーティキュレーションの量としては標準的だと思うけど、
ライドシンバルの音に、
Ride Tip(ライドシンバルの平面部分をスティックの先っちょで叩いた音)
Ride Shank(ライドシンバルの平面部分をスティックのショルダーで叩いた音)
Bell Tip(ライドシンバルのカップ部分をスティックの先っちょで叩いた音)
Bell Shank(ライドシンバルのカップ部分をスティックのショルダーで叩いた音)
Edge(ライドシンバルのふち部分をスティックのショルダーで強めに叩いた音)
Mute(ライドシンバルのふち部分をスティックのショルダーで強めに叩いてすぐに手でシンバルを押さえた音)
の6種類の音が入っていた点は、手が込んでるなと思った。
最終更新:2013年02月21日 21:29